科目名[英文名] | |||||
物理化学B [Physical Chemistry B] | |||||
区分 | 全学共通教育科目 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 2~ | 開講時期 | 1学期 | |
授業形態 | 1学期 | 時間割番号 | 01CH0703b | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
夏目 雅裕 [NATSUME Masahiro] | |||||
所属 | 農学部 | 研究室 | 2-403 | メールアドレス |
概要 |
この科目は,全学共通教育科目の自然科学系基礎科目に位置付けられる。 化学は物質に関する学問であり、実験事実に基づく科学である。しかし、物質の数も実験的事実も無数にあるため、無秩序に学ぶと面白みのない暗記科目になってしまう。 物質の性質にはそれを構成する原子の性質や結合様式が反映される。したがって、物質の性質を理解するには原子や化学結合について知っておく必要がある。この講義では、そのための基礎的な理論である「化学結合論」を学ぶ。化学結合論は、反応はなぜ起きるのか、分子はどのような形をしているのか、といった有機化学や生化学の問題や原子や分子の性質を調べる分析化学の基礎となる理論であるので、それらの科目を体系的に理解するのに役立つであろう。 「・・論」というと難しく感じるかもしれないが、講義では理論がどのような実験から生まれてきたのか、身近なところにどのように応用されているかを紹介しながら進めていくことにより、興味を持って貰えるようにしたい。また、難しい数式は避けて話を進めるが、一方で数式の美しさも感じてほしい。 |
到達基準 |
原子レベルという微小な世界では、我々の日常世界とは違う法則があることを理解している 有機化学(分子の形)の基本である混成軌道の考え方の基礎を理解している 機器分析の原理の理論的背景を理解している ディプロマ・ポリシーの観点として,本学HP(三つのポリシー)のカリキュラムマップを参照のこと. https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/ |
授業内容 |
Ⅰ.イントロダクション(2回) 物質の構成単位(探求の歴史、原子の大きさと構成粒子) 質量とエネルギーの等価性(元素の表記とその意味、放射性崩壊と核反応、質量とエネルギーの等価性) Ⅱ.原子の構造(6回) 原子モデル(ThomsonとRutherfordのモデル、水素の原子スペクトル、Rutherfordモデルの難点) 古典力学では説明できない現象(黒体輻射、光電効果、Compton効果) 波動性と粒子性(光の粒子性、電子の波動性、電子の回折現象、de Broglieの物質波) Bohrの原子モデル(Rutherfordモデルの改良、水素の原子スペクトルの解釈、Bohrの量子化条件の意味) (中間テスト) Heisenbergの不確定性原理(不確定性原理、新しい力学・量子力学) Schrodingerの波動方程式(波動方程式、Bohrモデルと量子論の違い) 原子の電子配置と周期律(周期表、原子の電子配置、元素の性質に見られる周期性) Ⅲ.分子の構造(2回) Lewis式 共有結合を量子論で考える(分子軌道法、原子価結合法) 分子の形(原子価殻電子対反発理論、孤立電子対) Ⅳ.量子論から機器分析化学へ(3回) 分光法(原子スペクトル分析、紫外可視分光法・蛍光分光法、赤外線分光法、回転スペクトル、磁気分析、蛍光X線分析) 回折法(X線結晶回折) (期末テスト) (括弧内は予定回数の目安) |
履修条件・関連項目 |
履修条件は特にない・関連科目は「有機化学」「分析化学」系科目。 必要な学習時間は、本学の標準時間数に準じる。本講義は2単位なので、30時間(15回)の授業と60時間の予習・復習が必要となる。 |
テキスト・教科書 |
プリントをMoodleからダウンロードしてください。 |
参考書 |
「ブラディー 一般化学(上)」3〜6章、「 同 (下)」22章(東京化学同人) 「わかりやすい量子力学入門」(丸善出版) 「物理学基礎 第3版」24, 25章(学術図書出版) 「現代物理化学」第 I 部〜第 II 部(化学同人) プリントの図表などの引用元,高校の「化学」「物理学」の参考書 など |
成績評価の方法 |
2回の筆記試験の成績(80%)と各回の小レポート(20%)により評価する。 |
教員から一言 |
板書とプリントが基本です。「覚える」のではなく「理解する」ことを心がけて下さい。ある程度の基本的な数式を覚えることは必要ですが、細かい数字などはその意味を理解していればよいでしょう。逆に、複雑な数式を丸暗記しても、それが意味する内容を理解していなければ、役に立ちません。 |
キーワード |
原子の構造 波動性と粒子性 混成軌道 機器分析 スペクトル |
オフィスアワー |
講義で理解できなかった点は小レポートに書いて貰い、次回の最初にその点を中心に補足説明をする。講義終了後やメールでの質問も受け付けます。 |
備考1 |
この講義は応用生物科学科(Bn)向けです。生物生産学科(An)と地域生体システム学科(Rn)の学生は沖野先生の、環境資源科学科(En)の学生は高栁先生の、同名の講義を受講して下さい。 履修登録の際、時間割番号に注意して下さい。 |
備考2 |
過去の成績分布は以下の通りです。 平成29年度 S:11% A:42% B:28% C:11% D:8% 平成28年度 S:27% A:46% B:4% C:12% D:12% 平成27年度 S:29% A:26% B:13% C:13% D:19% 平成26年度 S:9% A:37% B:35% C:9% D:11% 平成25年度 S:8% A:28% B:36% C:17% D:11% |
参照ホームページ |
講義の際に使用したPowerPointのファイルはMoodleにアップします。復習に活用してください。 |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2020/01/21 9:30:24 |