科目名[英文名] | |||||
地球環境地学 [Environmental Geoscience] | |||||
区分 | 全学共通教育科目 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 2~ | 開講時期 | 3学期 | |
授業形態 | 3学期 | 時間割番号 | 01GO0902 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
白木 克繁, 橋本 洋平, 梅澤 有, 中嶋 吉弘, 水川 薫子 [SHIRAKI Katsushige, HASHIMOTO Yohei, UMEZAWA Yu, NAKASHIMA Yoshihiro, MIZUKAWA Kaoruko] | |||||
所属 | 農学部 | 研究室 | 1号館4階411部屋 | メールアドレス |
概要 |
【概要】 「地球環境地学」は、「地球環境」を物理学的、化学的、生物学的な視点から解析する地学系の科目である。このため、「地球環境地学」は農学(アグリサイエンス)や環境科学(エコサイエンス)に深く関わる基礎的な事項を学ぶ科目である。「地球環境地学」では、地球環境を大気圏、水圏および土壌圏(岩石圏を一部含む)のサブシステムに分け、そのサブシステム内の成分(物質、資源)、構造、機能(役割)および物質循環(歴史)に関わる項目について講義する。 【注 「地球環境地学」の大枠と「地学」との学習ポイントの相違について】 「地学」は地球内部や宇宙までの空間範囲、また時間的にも宇宙進化のスケールを対象とするのに対し、「地球環境地学」は地球表層の範囲を対象にして、現在の地球環境に関わる地学的内容を【地球環境の構造、資源および恒常システムの物質循環】の視点から講義する。 |
到達基準 |
【到達基準】 地球環境を構成する大気・水・土壌圏が、 1)どのような成分(構成分)からなり、 2)どのような構造(構成)を持ち、 3)どのような機能(働き)を持ち、 4)どのような変化を過去から現在にかけて遂げてきたのか、 5)さらに将来的にはどのように変化してゆくと考えられるのかを、 抽象的・総合的な概念とともに具体的な例を挙げながら 説明・考察できるようになること。 |
授業内容 |
【授業内容】【Course Schedule】 第1回 白木(1/3) 「ガイダンス,地球環境圏の構成および水循環と地表水」 1)地球の水循環,2)世界の降水の分布,3)降水,蒸発散,貯留,4)集水域における水収支,5)ハイドログラフ,6)地下水:涵養,流出,地下水利用と水位低下の現 状 第2回 白木(2/3) 「気象および地球の気候(熱収支・大気循環)」 1)高気圧,低気圧,前線,2)断熱膨張,断熱圧縮,雲粒の形成,凝結核,3)台風,集中豪雨,竜巻,雷,4)放射平衡温度,アルベド,顕熱,潜熱,5)温室効果,地球のエネルギー収支,6)気候帯,モンスーン 第3回 白木(3/3) 「地形とエロージョン,地表物質の更新,災害」 1)陸地の地形,2)浸食と堆積,3)世界の河川,4)水食と風食,レス,5)洪水 ,6)denudation,地表物質の更新,7)地すべり地形生成と自然災害 第4回 橋本(1/3) 「土壌圏の生成と関連するプロセスについて」 1)土壌での地球化学的生元素循環,2)風化,酸化還元,3)堆積物と土壌 第5回 橋本(2/3) 「複雑系としての土壌」 1)物理的特徴(三相分布),2)化学的特徴(イオン交換),3)生物学的特徴(微生物,腐植連鎖) 第6回 橋本(3/3) 「人為利用による地球表層環境の変化」 1)古代地球表層環境,2)土地被覆変化,3)砂漠化 第7回 中嶋(1/3) 「地球大気の構造と循環」 1) 地球大気の鉛直構造,2)オゾン層の形成と破壊,3)対流圏での大気循環(ハドレー循環・コリオリ力・貿易風と偏西風),4)大気中の物質輸送(黄砂・越境大気汚染・対流圏-成層圏交換) 第8回 中嶋(2/3) 「気候変動と地球温暖化」 1)地球大気のエネルギー収支,2)太陽活動の変動,3)温室効果気体の性質,4)温室効果の指標(放射強制力とGWP),5)エアロゾルと雲が放射強制力に及ぼす効果 第9回 中嶋(3/3) 「大気に関する物質循環」 1)炭素化合物の収支(主に二酸化炭素,メタン),2)窒素化合物の収支(主に窒素酸化物,アンモニア),3)大気・海洋・陸域生態系をめぐる循環(炭素化合物),4) 大気・海洋・陸域生態系をめぐる循環(窒素化合物),5)その他の物質循環(主に硫黄化合物) 第10回 梅澤(1/4) [地球と生命の共進化と共に辿るエネルギー・鉱物資源の生成と利用①」 1)地球の誕生,2)光合成生物,3) 大酸化事件,4)縞状鉄鉱層,5) 全球凍結,6)真核生物,7)カンブリア大爆発,8) 生物大量絶滅,9)メタンハイドレート 第11回 梅澤(2/4) 「地球と生命の共進化と共に辿るエネルギー・鉱物資源の生成と利用②」 1) 地熱,2) 化石燃料,3)太陽光エネルギー,4)核エネルギー,5)代替エネルギー,6)未来の鉱物資源(海底資源+都市埋没金属) 第12回 梅澤(3/4) 「現在の地球表層の生元素循環と諸問題①」 1)炭素循環,2)地球温暖化,3)京都議定書・締約国会議,4)森林の炭素循環,5)海洋の炭素循環,6)ボックスモデル,7) 動的平衡状態 第13回 梅澤(4/4) 「現在の地球表層の生元素循環と諸問題②」 1) 窒素循環,2)富栄養化,3) 酸性雨,4) リン循環,5) リン資源枯渇,6)水圏の栄養塩分布,7)海流,湧昇,海洋大循環(熱塩循環) 第14回 水川(1/1) 「人新世の歴史と地球環境問題」 1)人類誕生,2)文明史:石器・青銅器・鉄文明,農業・遊牧,化石燃料,産業革命,3)公害:汚染,富栄養化,4)廃棄物,5)近年の地球環境問題 第15回 試験日(試験担当白木) |
履修条件・関連項目 |
【履修条件】 地学、地学実験、大気、土壌および水に関係した有機・無機化学、物理学さらに地理学などを履修していると理解を助ける。 |
テキスト・教科書 |
【テキスト・教科書】 教科書の指定はとくにない。 |
参考書 |
【参考書】【References】 「地球環境論15講」東京教学社(1993,2004)、「風景の中の自然地理」古今書院(1993) “Environmental Geology” Wm.C.Brown Publishers(1992) 「地質学I」、岩波書店(2001)、「基礎地球科学」朝倉書店(2002,2005)、「地球環境化学入門」シュプリンガー・フェアラーク東京(2005) “Principles of Terrestrial Ecosystem Ecology”, F.S. Chapin et al. (2011) Springer |
成績評価の方法 |
【成績評価の方法】 学期末に行う試験(5教員分)の合計点で成績を判定する。 |
教員から一言 |
【教員から一言】 地球環境の大気圏、水圏、土壌圏の物質・エネルギー循環は、 宇宙の中の太陽と地球の特徴的な関係と運動によって引き起こされ、 その循環は結果的にわれわれの生活と密接に関係していることを理解してほしい。 |
キーワード |
風化、炭素循環、土壌、エロージョン、塩類化、砂漠化、黄砂、火山灰、食料生産、鉱物資源、化石燃料、メタンハイドレート、コリオリの力、貿易風、偏西風、凝結核、放射平衡温度、アルベド、顕熱、潜熱、温室効果、気候帯、モンスーン、水循環、集水域、ハイドログラフ、地下水、浸食、堆積、地すべり、大陸棚、大陸斜面、海洋底、栄養塩、湧昇、熱塩循環、対流圏、成層圏、中間圏、熱圏、オゾン層、温室効果ガス、エアロゾル、広域大気汚染、生物ポンプ、アルカリポンプ、エルニーニョ、ラニーニャ、気候変動、氷床コア、文明、産業革命、公害、廃棄物、窒素循環、ストイキオメトリー(化学量論)、同位体、微生物、分解 |
オフィスアワー |
講義開講日が原則、それ以外の日も対応するがメール等で面会の約束をすること。 |
備考1 |
成績分布 2018年度 85名履修(S: 5, A: 17, B: 32, C: 22, D: 6, E: 3) 2017年度 83名履修(S: 0, A: 8, B: 23, C: 27, D: 15, E: 10) 2016年度 114名履修(S: 12, A: 20, B: 33, C: 34, D: 9, E: 6) |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2019/02/12 10:12:33 |