科目名[英文名]
病理学実習   [Practice in Veterinary Pathology]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 3  開講時期 変則通年 
授業形態 変則通年  時間割番号 01VN3214
責任教員 [ローマ字表記]
渋谷 淳, 吉田 敏則   [SHIBUTANI Makoto, YOSHIDA Toshinori]
所属 農学部 研究室 獣医病理学研究室  メールアドレス

概要
解剖学実習で習得した正常動物体の形態像を基盤として、動物病理学各論 (A, B)で学ぶ伴侶動物や家畜の様々な疾病における臓器・組織に現れる特徴的な病変について、組織標本を鏡検して理解する力を養うとともに、病態を個体レベルで考察し病理診断する観察力を習得する。また、食肉衛生検査所で摘発された産業動物の諸病変を肉眼観察する他、死亡動物の病理解剖を行い、全身諸臓器に発現している病的変化を観察し、肉眼的な観察力を含めた実践的知識の向上を計ることで、病理形態学を基本とした疾病の総合的診断力を養う。本科目は、実務経験のある教員による実習科目である。担当教員は毒性病理学分野において、毒性試験での病理診断の経験があり、実習では病変の実例を交えた解説をする。
到達基準
本科目のディプロマ・ポリシーの観点:
本学HP(三つのポリシー)のカリキュラムマップを参照してください。
https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/

1. 実験動物の病理解剖の手技や肉眼病変の観察方法、所見の取り方を理解する。
2. 鶏の病理解剖の手技や肉眼病変の観察方法、所見の取り方を理解する。状況に応じて、死亡動物の病理解剖を行い、同様の手技を理解する。
3. 食肉衛生検査所で摘発された牛や豚の病変について肉眼観察を行う。
4. 臓器の固定、切り出し、包埋、薄切、染色などの病理組織標本作製方法の概略を理解する。
5. 顕微鏡を用いた病理組織標本の観察方法を理解する。
6. 循環器系の病変の病理形態像を理解する。
7. 造血器系の病変の病理形態像を理解する。
8. 呼吸器系の病変の病理形態像を理解する。
9. 消化器系の病変の病理形態像を理解する。
10. 泌尿器系の病変の病理形態像を理解する。
11. 生殖器系の病変の病理形態像を理解する。
12. 神経系の病変の病理形態像を理解する。
13. 運動器系の病変の病理形態像を理解する。
14. 皮膚・軟部組織の病変の病理形態像を理解する。
授業内容
病理学実習は、3年次の第3学期と4年次の第1学期に開講し、以下の実習を行う。

3年次、第3学期開講分
1. 病理標本作製・顕微鏡使用方法の解説;疾患動物の病理組織標本の観察実習:循環器病変①
2. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:循環器病変②
3. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:循環器病変③、造血器病変①
4. 正常ラットの病理解剖
5. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:造血器病変②
6. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:造血器病変③
7. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:げっ歯類動物を用いた実験誘発毒性病変
8. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:造血器病変④、呼吸器病変①
9. 病理組織標本作成実習:組織片の切り出し、パラフィン包埋、組織切片の薄切、HE染色標本作成
10. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:呼吸器病変②
11. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:呼吸器病変③、消化器病変①
12. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:消化器病変②
13. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:消化器病変③
14. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:消化器病変④
15. 第1回から第14回目までの実習内容のまとめ、切片診断テスト

4年次、第1学期開講分
1. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:消化器病変⑤
2. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:泌尿器病変①
3. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:泌尿器病変②
4. 鶏(廃鶏)の病理解剖
5. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:生殖器病変①
6. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:生殖器病変②
7. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:神経系病変①
8. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:神経系病変②
9. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:神経系病変③
10. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:運動器病変①、外皮病変①
11. 食肉衛生検査所の摘発臓器(牛)の肉眼観察実習
12. 食肉衛生検査所の摘発臓器(豚)の肉眼観察実習
13. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:外皮病変②
14. 疾患動物の病理組織標本の観察実習:外皮病変③
15. 第1回から第14回目までの実習内容のまとめ、切片診断テスト
履修条件・関連項目
獣医解剖学、獣医組織学、獣医生理学、獣医生化学、獣医微生物学、免疫学、獣医病理学総論を履修しておくこと。実習時間に加え、配布した実習資料や教科書、参考書などを参照し、事後学習を行い、スケッチを完成させること。
テキスト・教科書
日本獣医病理学会編:動物病理学各論 第2版(文永堂出版)
日本獣医病理学会編:動物病理カラーアトラス 第2版(文永堂出版)
その他、必要に応じてプリントを配布する。
参考書
獣医病理学実習マニュアル[第2版](日本獣医病理学会編、学窓社)。その他、Pathologic Basis of Veterinary Disease(James F. Zachary編、第6版 Elsevier出版)、Pathology of Domestic Animals(Grant Maxie編、第6版 Elsevier出版)、Tumors in Domestic Animals(Donald J. Meuten編、第5版 Wiley Blackwell出版)は解説が詳細で、掲載写真やイラストも豊富であるため、専門的な理解を進める上で良い参考書である。
成績評価の方法
それぞれの学期で,1回目から14回目までの実習で8割以上の出席が単位取得の条件。実習に向かう姿勢・積極性20%、レポート(スケッチ)提出 40%、病変画像の投影による病理診断試験 40%
教員から一言
病理組織診断には、解剖学および組織学の知識が不可欠であるので、2年次に解剖学および組織学の基礎をよく勉強しておくこと。実習は病理学各論の内容を含むため、「動物病理学各論」の教科書と「動物病理カラーアトラス」を使用する。
キーワード
病理解剖学、光学顕微鏡学的検査、病理組織診断
オフィスアワー
13:00〜18:30(教員室に在室中はいつでも歓迎します。)
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/02/02 18:25:27