科目名[英文名]
植物保護学   [Plant Protection]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 1  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 01bn1007
責任教員 [ローマ字表記]
有江 力, 與語 靖洋   [ARIE Tsutomu, YOGO Yasuhiro]
所属 役員 研究室   メールアドレス

概要
農林業および環境保全に関わる植物は、病害虫、雑草、気象災害、有害物質などから守り、健全に育成される必要がある。そのためには、人体に対する安全性のみならず、生態系や生物の多様性をそこなうことのない制御、管理技術が確立、適用されていかなければならない。本講義では、植物保護の基本概念と行政、植物病原微生物、害虫、雑草等の制御、管理技術、そこで用いられる薬剤や微生物ならびに新規テクノロジーなどについて概説する。
本講義は、実務経験のある教員による授業である。與語は食品安全委員会など、有江は遺伝子組換え生物等の第一種使用規程の申請に対する学識経験者委員など、夏目は農薬学会会長などの実務経験をもち、その実務経験を生かして、社会における植物保護の重要性、サイエンスコミュニケーションの重要性などを伝える教育を行う
到達基準
植物保護の基本概念と行政、植物病原微生物、害虫、雑草等の制御、管理技術、そこで用いられる薬剤や微生物ならびに新規テクノロジーなどについて理解する。
授業時間30時間と上記の授業外学習時間に加え、授業で配布するテキスト、HPやmoodleに掲載する資料を使って、本学の標準時間数に準ずる予習・復習を行うこと
ディプロマ・ポリシーの観点として、以下の、本学HP(三つのポリシー)のカリキュラムマップを参照してください。
https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/
授業内容
生物制御科学専攻に関連する研究分野教員10名および非常勤講師(公益財団法人日本植物調節剤研究協会研究所 技術顧問 與語靖洋先生)によって行います。一部集中開講です。
すべて教室は2-11です。

各回の概要(H30の開講状況です。H31の予定は2019年9月頃お知らせします)

10月 5日(金)夏目雅裕 (16:30まで)
・夏目雅裕:
(1)植物保護学のイントロダクション、
(2)化学的防除 ―化学と生物学の両方の視点で植物保護を考えるー化学的防除について、農薬の変遷、由来、作用機構と選択性のメカニズム、農薬の功罪等を概説する。

10月12日(金)川出 洋・笠原博幸(17:15まで)
・川出 洋:植物自身が作り出す抗生物質とホルモン調節による植物保護学考
 ストレスに晒されたときに植物が合成するファイトアレキシンの生合成の分子機構の研究の現状を、植物ホルモンによる成長制御機構と関連させて植物保護を考察する。
・笠原博幸:植物保護と植物ホルモン
植物の高温・乾燥障害、土壌細菌による病害、寄生植物の侵入などの分子機構について植物ホルモンを中心に概説し、それらを解決する方法について考察する。

10月19日(金)仲井まどか・井上真紀(17:15まで)
・仲井まどか:生物的防除の実例
 昆虫の天敵であるバキュロウイルスを用いた生物的防除の実例を紹介する。ウイルス製剤の生産方法や防除方法を解説、防除の成否に関わる要因や問題点を議論する。
・井上真紀:農業における有用生物の利用
 農業に利用されている授粉用昆虫や生物的防除資材を取り巻く問題について、特に病原性微生物の随伴導入や非標的生物への生態影響について紹介する。

10月26日(金)福原敏行・森山裕充(17:15まで)
・福原敏行:植物の生体防御システムとしてのRNA干渉機構
 植物のRNA干渉によるウイルス感染防御機構について概説する。また、植物保護学におけるモデル植物シロイヌナズナを用いた研究成果についても紹介する。
・森山裕充:植物病原菌に感染するマイコウイルスの概説と応用研究
 植物病原菌にマイコウイルスが感染すると、宿主菌の病原性を弱めることがある(弱毒化現象)。その概論と、新規な生物防除資材として応用研究例を紹介する。


11月 2日(金・祝)小松 健・有江 力(17:15まで)
・有江 力:植物病害をどう防ぐか? ー環境負荷と食の安全確保をふまえてー
 植物病害制御の化学的方法、耕種的方法、物理的方法、生物的方法について理解を深め、環境負荷を低減しつつ安全な食料を安定生産する方法について考察する。
・小松 健:植物ウイルスの診断と防除の現状と課題
 植物ウイルスの特徴について理解を深め、イムノクロマトなど最新の診断法、感染予防・防除法について、弱毒ウイルス開発などの最新の知見も含めて考察する。

11月 9日(金)※学園祭休講 

11月16日(金)平岡 毅(16:30まで)
・平岡 毅:昆虫による花粉媒介 -ハナバチを中心として-
 昆虫による花粉媒介の全体像の概要、我が国でハナバチが農業上有用に活用されている例を引きながら、有用性や現時点での問題点を解説する。


集中開講 
12月21日(金) 14:45〜18:00
12月22日(土) 9:00〜18:00
(教室:2号館2-11)

與語靖洋先生(公益財団法人日本植物調節剤研究協会研究所 技術顧問)
教室:2-11
與語靖洋:農薬について
 農薬の歴史と法律、特定農薬、農薬の役割と開発、農薬の使い方、農薬のリスク分析、農薬の環境影響、農薬の作物残留、農薬とGM植物
履修条件・関連項目
本学の標準時間数に準ずる
農薬化学、生理活性物質化学、天敵微生物学、病原微生物学、植物病理学、昆虫生理学、昆虫生物学、バイオロジカルコントロール
テキスト・教科書
使用するスライドを事前にmoodleにアップする予定ですので、事前にダウンロード、予習して講義に出席ください
参考書
講義の中で紹介する
成績評価の方法
レポートを-2〜+1の4段階(標準=0)で評価し、授業参加度との合計で、+1:S, 0〜-1:A, -2〜-3:B, -4:C, -5以下はDと総合評価する。詳しくはmoodleを見ること。
教員から一言
キーワード
食料,持続的農業,病害,害虫,雑草
オフィスアワー
有江までe-mailなどで連絡すること
備考1
掲示を良く確認すること
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/10/23 7:18:32