科目名[英文名]
農学基礎ゼミ   [Basic Seminar of Agricultural Science]
区分 教養科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 11  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 01fy1002N
責任教員 [ローマ字表記]
渋谷 淳   [SHIBUTANI Makoto]
所属 農学部 研究室 獣医病理学研究室  メールアドレス

概要
知の開拓と自主的な学びへの意識の醸成を目的とした大学導入科目と位置付け、内容に応じて学部、学科、少人数ゼミのクラスなど、様々な授業形態をとります。本科目は、2部から構成されます。

第一部:全学共通プログラム
大学を知り、大学でいかに学ぶかを考えます。本学の理念・歴史と共に、研究活動に関する理解を深め、学びへの意欲を増進すると共に、大学生活をデザインする意義を理解することを目的としています。

第二部:学部独自プログラム
基礎ゼミテーマ:食品中の化学物質とそのリスク評価

私達が毎日摂食している食品中には食品添加物、農薬、動物用医薬品をはじめとする多数の化学物質が含まれているが、本ゼミでは、これらに長期間暴露された場合、本当に安全か否かを自分達で調べてみて、何が危険なのかを勉強する。この過程を通じて、「ハザード(有害性要因)」に対する「リスク評価」と「リスク管理」の関係を理解する。
例えば、食品中に含まれる食品添加物、農薬、動物用医薬品等が本当に安全か否かについては、以下に示すように、わからないことが多くある。
①これらの化学物質については、どのような動物試験を行ってヒトに対する安全性をどのように評価し、その使用が許可されているのだろうか?
②昔は、DDTやBHCなどの非常に毒性の強い農薬が使用されていたが、そのような農薬はもう使われていないのだろうか?
③外国では、これらの化学物質についての安全性はどのように評価されているのだろうか?
④使用が許可されている農薬や食品添加物の中では発がん性が問題となっているものもあるが、これらの物質を摂取するとヒトに対しても「がん」が誘発されるのだろうか?
⑤次の世代にその「がん」は遺伝するのであろうか?

この基礎ゼミでは、これらのテーマについて受講者各自が種々の方面から情報を集めて、全員により発表や議論を行い、これらについての疑問点を解決する。また、評価に用いられる実験病理学的な解析についても、その基礎を実際的に体験する。
到達基準
1) 大学での学びを理解し、自身の大学生活を俯瞰的に設計できる。
2) テーマ物質のヒト健康影響評価案の作成を通じて、自主的に課題探求し、問題を解決できる。
① テーマ物質のヒトの健康に対する影響を判断するための考え方や手法を理解する。
② 国内外でのリスク評価に関する取り組みを理解する。
③ テーマ物質について自主的に調査した結果を総合的に俯瞰する。
④ 調べた結果を適切にプレゼンテーションする。

主な目標(科目別目標一覧対応):
自主性・自律性◯、リーダーシップ/調整能力◯、知の開拓能力◎、プレゼンテーション◯、課題探求、問題解決◎、教養倫理◯
授業内容
第一部:全学共通プログラム
第1回 大学を知る(I)
     大学の歴史の概略。学長、農学部長、工学部長の講話:「農工大で挑戦してほしいこと」など
第2回 大学を知る(II)
     学科長の講話
第3回 大学で学ぶ
     高校と大学での学びの違い。履修計画や留学などを含めて、大学生活を俯瞰的に設計する。問いを立てることで深める学問や研究を考える。
第4回 エネルギー教育と安全教育
     エネルギー教育:地球温暖化と温室効果ガス排出。CO2排出削減を目指す本学の取り組み。
     安全教育:実験活動における危険の概要。安全を守るための行動。化学薬品の危険と廃棄の方法。
第5回 研究倫理
     研究者の行動規範と研究不正について概説する。引用、盗用、剽窃について考える。

第二部:学部独自プログラム
第6回 オリエンテーション(アンケート、プレゼンの仕方、用語の説明、担当教員研究室の紹介)、テーマ決め
第7回 評価事例の解説
第8回 プレゼン1-1回目(1グループ目)、ADI設定の流れ、評価事例の解説
第9回 病理解剖の解説、病理標本作製講義、正常動物解剖
第10回 評価のまとめ方、プレゼン1-2回目(2グループ目)、切り出し
第11回 薄切、染色、鏡検
第12回 プレゼン2-1回目(4名)、病理標本鏡検
第13回 プレゼン2-2回目(残りの4名)、病理標本鏡検
第14回 プレゼン3-1回目(1グループ目)
第15回 プレゼン3-2回目(2グループ目)、まとめ
履修条件・関連項目
全学共通プログラム:授業時間10時間に加え、本学の標準時間数に準ずる学習時間を使って授業内容を振り返り、今後の大学生活の設計や履修計画をたてること。

学部独自プログラム:パワーポイントを操作できることが望ましい。ゼミ時間10時間に加え、配布した資料や独自に検索した資料を参照し、プレゼン案を構築し、プレゼン資料作成を行うこと。
テキスト・教科書
全学共通プログラム: 必要に応じて授業内で資料や教材を配布します。
学部独自プログラム: インターネットの利用、図書館の電子ジャーナルでの調査を行うので、特に指定しない。
参考書
全学共通プログラム: 
・アカデミック・スキルズ 大学生のための知的技法入門(慶應義塾大学出版会)佐藤望(編著)、湯川武、横山千晶、近藤明彦
・思考を鍛える大学の学び入門ー論理的な考え方・書き方からキャリアデザインまで(慶應義塾大学出版会)井下千以子

学部独自プログラム:
・「医薬品の安全性」長尾拓編 南山堂
成績評価の方法
全学共通プログラム(25%分): 毎回提示される記述の課題を総合的に判断します。
学部独自プログラム(75%分): 8割以上の出席を単位取得の条件とし、調査・発表・議論参画における積極性の程度50%、最終レポート50%の重み付けで評価する。
教員から一言
学部独自プログラム: この基礎ゼミにより、食品の安全性についての考え方が変わると思います。
キーワード
全学共通プログラム: 問いを立てる、自律学習; 学部独自プログラム: 発がん性、遺伝毒性、発がん物質、毒性学、病理学
オフィスアワー
全学共通プログラム: 各担当教員から授業内に案内があります。 学部独自プログラム: 13:00〜18:30(教員室に在室中はいつでも歓迎します。)
備考1
備考2
参照ホームページ
学部独自プログラム:https://tat-lvp.amebaownd.com
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/02/02 17:50:49