科目名[英文名]
歴史学   [History]
区分 教養科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 020025
責任教員 [ローマ字表記]
中込 律子   [NAKAGOMI Ritsuko]
所属 農学府 研究室   メールアドレス

概要
歴史学を通して歴史の推移を理解し知識を増やすとともに,変化の諸要因を解析しうる社会的思力を養成することを目的とし,グローバル教養科目群の人文・社会科学科目として位置づける。科目の性質上,講義中心となるが,学生が自ら思考することを重視する。高校日本史とは異なる視角による講義に対して,学生はペーパーによる疑問・所感を提示し,これに教員が講義中にフィードバックする。本年度は古代から中世への移行期にあたる平安時代を採りあげる。平安時代は,「貴族の時代」とイメージされがちだが,実際は転換の時代で,多角的に歴史を分析することに適している。また,現代とは異なる思考・行動パターンをもつ過去の人々の動向を学ぶことは異文化に触れることでもあり,これにより柔軟な思考力を培う。具体的には,以下の内容を学ぶ。
 (1)地方社会の変化と地方支配による対応
 (2)流通経済の変化の様相
 (3)宗教勢力の変化 ―社会・政治的立場
到達基準
(1)平安時代を素材に,政治・社会・経済・文化・環境などを関連づけて変化を多角的に分析できる。
(2)日本における古代から中世への以降を学び,歴史の転換を理解できる。
(3)平安安時代に関する誤った通念を改め、同時に歴史は後世の人間により歪曲されやすいことを理解できる。
主な目標(科目別目標一覧対応):
自主性・自律性◯、異文化理解◯、国際感覚◯、知の開拓能力◎、教養倫理◯
授業内容
第1回 日本史における平安時代の位置 
第2回 後世の人びとの「平安時代像」・「鎌倉時代像」のゆがみ
第3回 平安時代概観1平安初期 ―平安遷都と平安初期の政治
第4回 平安時代概観2平安中期(摂関期) ―過渡期の社会・政治
第5回 平安時代概観3平安後期(院政期) ―中世社会の成立
第6回 平安中期の地方支配1 ―地方官(受領)の動向
第7回 平安中期の地方支配2 ―税制の変化からみえるもの1
第8回 平安中期の地方支配2 ―税制の変化からみえるもの2
第9回 平安中期の地方社会 ―農民の動向からみえるもの
第10回 考古学の発掘成果からみた平安時代の地方社会
第11回 平安時代の流通経済 ―平安時代の物流,貨幣経済の変化
第12回 平安時代の自然条件とその影響 ―気温・気候,自然災害
第13回 寺社勢力の動向1 ―天台・真言宗の成立と政治社会的な影響
第14回 寺社勢力の動向2 ―仏教政策と寺社勢力の変容
第15回 総括
     定期試験
履修条件・関連項目
2単位のグローバル教養科目群の人文・社会科学科目。卒業要件には人文・社会科学科目から8単位を修得することが求められる。授業時間30時間に加え,ペーパー作成1時間,さらに,基礎知識の不足の補充や講義の不明点など,プリントや参考書・事典を参照し,本学の標準時間数数に準じる予習・復習を行い,質問に結びつけること。留学生については,ある程度の漢字の読み書きを習得している必要がある。ただし,漢字に不安があっても,意欲があれば単位を取得することは可能です。
テキスト・教科書
配布プリントによる講義
参考書
講義で指示する
成績評価の方法
成績評価は期末試験90%,講義時に配布する質問用紙への回答回数10%(質問への回答の内容は原則として採点対象外,興味深い指摘は加点する)。
長文の論述形式で,各自の講義に対する理解度を判定。
過去2年の成績分布
2017 S 5%, A 28%,B 41%,C 13%,D 3%,E 10%
2018 7 5%, A 12.5%,B 62.5%,C 10%,D 7.5%
教員から一言
皆さんを高校までの暗記日本史から解放したいと思っています。高校の歴史が嫌いだった学生や,日本史で受験しなかった学生を歓迎します。逆に,「歴史好き」の人は,イメージが違うと思うかもしれません。どちらも好奇心をもって参加して下さい。当時の文献史料(読みやすいもの)の他,画像資料などを用いて解説するので,未知の世界に触れ視野を広げることができるでしょう。
キーワード
平安時代 地方支配 受領(国司) 貨幣 仏教 貴族社会
オフィスアワー
講義後の休憩時間に質問に応ずる。
備考1
配布プリントは,ファイリングし,毎回持参して下さい。以前のプリントを参照することがあります。
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/03/19 17:51:59