科目名[英文名]
生物学基礎   [Basic Biology]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 021106
責任教員 [ローマ字表記]
小関 良宏   [OZEKI Yoshihiro]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
基礎生物学は高校の生物の内容の確認を行った上で、大学で生物学、生命化学、分子生物学、細胞生物学などの授業において生命現象を深く学んで行く上での基礎を身につけることを目的とする。分子から細胞、そして個体までのつながりと、その形成に必要な遺伝子の発現や発生・生殖、動物や植物の形と機能など、生物学を全般にわたって広く学ぶ。
本科目は実務経験のある教員による授業です。担当教員は工業技術院生命工学工業技術研究所に勤務した経験から、生命工学における課題解決のために必要とされる基礎的な知識を習得することに重点を置いた講義を行います。
到達基準
1)細胞レベルでの生物学を正しく理解できる。
2)遺伝学的および生理学観点からの生物の理解ができている。
3)個体発生から生体制御機能および防御反応の理解ができている。
授業内容
(1) 生物とは?
 生物体は分子的にあるいは構造的にとのような単位から成り立っているのかを俯瞰する。原核生物と真核生物、単細胞生物と多細胞生物について知る。
(2) 生体成分と細胞
 生物の基本である細胞について、主に真核生物の細胞について、ミトコンドリアや核などの構造単位、さらに動物細胞と植物細胞の違いについて学ぶ。
(3) 細胞が生きるとは? 生命活動をつかさどる生体成分と酵素
 生体は、水、炭水化物、脂質、タンパク質、核酸により構成され、生体内で起こる化学反応は触媒の働きを示す酵素によって進行し生命活動を行っていることを理解する。
(4) 生きるためのエネルギーと同化と異化
 独立栄養生物である植物は光合成系によって光エネルギーを化学エネルギーに転換し、有機物を合成する。従属栄養生物である動物は有機物を食して分解することによってエネルギーを獲得している。この相異なる反応、同化と異化の大筋を学ぶ。
(5) 細胞と外界との関係
細胞は外界と仕切りを作ることで生命活動の場である細胞を維持している。細胞を仕切りつつ、外界から物質を取り込み、環境の変化を認識している機構を学ぶ。
(6) 遺伝子とは
遺伝子の本体とその複製、遺伝子に書き込まれた情報からタンパク質への転写翻訳機構(セントラル・ドグマ)について学ぶ。
(7) 遺伝子情報の発現、維持と分化 
シグナル伝達による遺伝子情報の発現の仕組み、および細胞間シグナル伝達による分化の機構について学ぶ。  
(8) ガン・次世代への遺伝情報の伝達、減数分裂と生殖
1個の細胞が2個の細胞に分裂する過程、分裂が停止して分化する過程、さらに減数分裂によって次世代を形成するための配偶子の形成過程、さらに核相について学ぶ。
(9) 遺伝 -1
メンデルの法則から始まり、染色体と連鎖の考え方、遺伝学の基礎を学ぶ。
(10) 遺伝 -2
現代分子生物学の成果により明らかになったゲノムのダイナミズム、さらにゲノム・プロジェクトの意義について俯瞰する。
(11) 適応と種分化
生物が環境にどのように適応し、種として分化してきたのか,分子生物学視点から学ぶ。
(12) 栄養の行方と恒常性維持 
動物細胞および植物細胞における膜を介した栄養の取り込み、熱と水と塩類の恒常性の維持について学ぶ。
(13) 栄養吸収と気体吸収 
動物個体および植物個体における栄養および酸素・二酸化炭素の流れと排出について学ぶ。
(14) ホルモンと神経系 
動物におけるホルモンと神経系につき学ぶとともに、また植物におけるホルモンについても学ぶ。
(15) 生態系 多種多様な生物が存在することによって変化し、また維持される生態系について学ぶ。
履修条件・関連項目
高校で生物を全く勉強していない学生さんにも理解できるような授業としますので、予備知識としての高校の生物の復習は必要ありません。
テキスト・教科書
なし
参考書
なし
成績評価の方法
毎回のチェック・シートの提出、定期試験
教員から一言
高校で生物をほとんど学ばなかったという人にもわかるように、また受験科目として生物を深くまで掘り下げて勉強した学生さんにも飽きることのない「生物学」という学問の目から見た生物観を理解していただこうと思います。
キーワード
細胞、分化、遺伝・遺伝子、代謝、生態、進化
オフィスアワー
月曜日午後 1 時から 2 時
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/06/03 14:02:02