科目名[英文名]
化学基礎   [Basic Chemistry]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 021403
責任教員 [ローマ字表記]
大橋 秀伯   [OHASHI Hidenori]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
本講義では、物理化学分野の中の基礎である熱力学について学習する。熱力学は、我々の世界の多くの現象を合理的に説明することのできる強力なツールであり、例えば、エネルギー問題や材料設計、環境問題に関して、原理的にどこまで可能で、どこからは不可能なのかについて、明確な線引きを与えてくれる(例えば永久機関が存在しないこともわかる)。この概念を理解することで、将来の関連する専門講義や卒業論文に必要な基礎を身につける。
到達基準
アトキンス「物理化学(上)」第10版の第1章〜第3章までの内容を理解し、基本事項である気体の性質、熱力学の第一〜第三法則について学び、熱、仕事、エンタルピー、エントロピー、自由エネルギー等について理解していること、またその内容に基づいた設問を一定の水準で自力で解けること。
授業内容
各回のおおよその内容は下記の通りである。(進捗の状況により多少変わることがある。)
第●章はアトキンス「物理化学(上)」第10版の章を表す。

第1回 4月09日(火):ガイダンスおよび講義開始 第一章 完全気体
第2回 4月16日(火):第一章 気体の運動論モデル
第3回 4月23日(火):第一章 実在気体
第4回 5月07日(火):数学(偏微分、積分など)
第5回 5月14日(火):第二章 内部エネルギー、エンタルピー
第6回 5月21日(火):第二章 熱化学、標準生成エンタルピー
第7回 5月28日(火):第二章 状態関数と完全微分
第8回 6月04日(火):第二章 断熱変化
第9回 6月11日(火):第三章 エントロピー (熱力学第二法則、エントロピー、カルノーサイクル、クラウジウスの不等式)
第10回 6月18日(火):第三章 エントロピーの測定(熱力学第三法則、ネルンストの熱定理)
第11回 6月25日(火):第三章 系に注目する(ヘルムホルツエネルギーとギブズエネルギー)
第12回 7月02日(火):第三章 第一法則と第二法則を結び付ける1(内部エネルギーの性質)
第13回 7月09日(火):第三章 第一法則と第二法則を結び付ける2(ギブズエネルギーの性質)
第14回 7月16日(火):授業の総括 期末試験(第1から13回までの範囲)
第15回 7月23日(火):授業の総括 期末試験の解説
*7月30日(火) 予備日
履修条件・関連項目
特になし
テキスト・教科書
アトキンス「物理化学(上)」第10版、Peter Atkins, Julio de Paula著 中野元裕、上田貴洋、奥村光隆、北河康隆訳:東京化学同人

テキストの解答集: アトキンス物理化学問題の解き方(学生版)第10版 英語版、東京化学同人
参考書
講義中に随時、教科書中などの演習問題を行い理解の助けとする。また、自習のため適宜課題も出す。また、関数電卓を持参すること。

自分に合う熱力学の教科書を探すと学習が捗ります。各自の興味のある本を適宜、参照してください。
成績評価の方法
期末試験、問題演習等を総合評価し、90点以上をS、80点以上90点未満をA、70点以上80点未満をB、60点以上70点未満をC、60点未満をD(不合格)とする。
教員から一言
本授業で扱う物理化学(熱力学)は、大学の化学系の授業の中でも、かなりとっつきにくい類のものです。熱力学は高校までの概念の延長なのですが、その取り扱いに新しいものが多く、またより精緻になるからだと思います。ですが、これを理解することができれば、皆さんにとって比類無い強力なツールになること請け合いです。教員も学生の時に理解するまでにアトキンス(当時は第4版…!)を3周しました。是非予習復習を丁寧にやって、この山を一歩ずつ踏破していってください。質問大歓迎です。
キーワード
熱力学第1法則,熱力学第2法則,内部エネルギー,エンタルピー,エントロピー,ギブズエネルギー
オフィスアワー
ohashi@go.tuat.ac.jp までご連絡ください
備考1
2019年2月28日 更新
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/01/21 22:07:03