科目名[英文名]
無機化学基礎   [Fundamental Inorganic Chemistry]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 021410
責任教員 [ローマ字表記]
飯島 淳   [IJIMA Jun]
所属 工学府 研究室   メールアドレス

概要
物理化学と無機化学の主要項目に関する基本的な概念の習得とその応用を目指す。「原子の構造、安定性、周期性、電子構造」の学習によって原子に関する知識を得た後、化合物の生成とその機構へと展開する。その後、「イオンの生成と結合」、「共有結合と分子構造」について学ぶ。この後、「熱化学」、「純物質の性質」、さらに溶液の性質や化学変換の理解に必要な「速度論」、「平衡」、「酸塩基」、「熱力学」、「電気化学」を学ぶ。最後に、それまでの概念を応用して「配位化学」について学ぶ。
到達基準
将来、化学工学技術者として仕事をする際、目の前の工学的課題に対して、本質を理解し、解決するための基礎となる能力を身に着ける。無機化合物を中心とした化学的基礎を構築し、原子、分子レベルの現象を理解できるようになる。
授業内容
第1回:ガイダンス、原子の周期性と電子構造
     電磁波のエネルギー、粒子性、波動性、不確定性原理、波動関数、軌道、Pauliの排他原理、
     電子配置、周期表
第2回:イオン結合と主要族元素の化学
     分子、イオン、イオン半径、イオン化エネルギー、電子親和力、オクテット則、イオン結合、
     格子エネルギー
第3回:共有結合と分子構造
     共有結合、電気陰性度、点電子構造、形式電荷、VSEPR、原子価結合理論、混成軌道
     分子軌道
第4回:熱化学と化学エネルギー
     状態関数、ヘスの法則、標準生成熱、解離エネルギー、エンタルピーエントロピー、
     自由エネルギー
第5回:気体の性質と振る舞い
     気体の法則、理想気体、ドルトンの法則、気体分子運動論、グラハムの法則、実在気体
第6回:液体、固体と相変化
     極性結合、双極子モーメント、分子間力、相変化、固体の種類、X線結晶学、イオン結晶、
     共有結合結晶
第7回:溶液とその性質
     エネルギー変化、溶解過程、溶解度、束一的性質、ラウールの性質、沸点上昇、
     凝固点降下、浸透圧
第8回:中間試験 (試験範囲:第1回〜第7回)
第9回:化学反応速度論
     反応速度、反応次数、一次反応、二次反応、半減期、素反応、全反応、アレニウスの式、
     触媒作用
第10回:化学平衡
     平衡定数、ルシャトリエの原理、化学平衡と化学反応速度論
第11回:酸塩基と水溶液内平衡
     酸塩基の定義、中和反応、緩衝液、ヘンダーソンの式、pH計算、中和滴定
第12回:熱力学
     エンタルピー、エントロピー、自由エネルギー、熱力学第二法則、化学平衡
第13回:電気化学
     ガルバニ電池、標準電位、ネルンストの式、pHの決定、電池の標準電位と平衡定数
第14回:遷移元素と配位化学
     配位化合物、配位子、異性体、掌性、金属錯体の色、原子価結合理論、結晶場理論
第15回:期末試験 (試験範囲:第9回〜第14回)
履修条件・関連項目
高等学校 化学基礎・化学を履修していること。
テキスト・教科書
J. McMurry, R. C. Fay著(荻野博・山本学・大野公一訳) マクマリー一般化学(上)、(下)
参考書
P. Atkins, L. Jones, L. Laverman著(渡辺正訳) アトキンス一般化学(上)、(下)
J. N. Spencer, G. M. Bodner, L. H. Rickard著(渡辺正訳) スペンサー基礎化学(上)、(下)
P. Atkins, J. Paula著(千原秀昭、稲葉章著) アトキンス物理化学要論(第6版)
成績評価の方法
受講態度(15%)、中間試験(45%)、期末試験(40%)を合わせて総合的に評価し、100点満点で60点以上を合格とします。成績は、S、A、B、C、Dで評価し、Sは90点以上、Aは80点以上89点以下、Bは70点以上79点以下、Cは60点以上69点以下とします。S、A、B、Cを合格とします。
教員から一言
高等学校での化学の履修を土台に、大学で必要な基本的な化学を講義し、新しい概念のイメージをつかんでください。特に前半の講義においては、高校物理(初歩の電磁気学、原子物理学)の知識が必要になりますので、受験時に物理を使用しなかった学生は、事前に高校物理の教科書を読んでから講義に臨んでください。また、予習・復習・問題演習等の自助の努力がより理解を深めすので、意欲的に取り組んでください。
キーワード
原子構造、分子構造、結合生成、熱化学、速度論、平衡、酸塩基、電気化学、配位化学
オフィスアワー
非常勤のため、講義後に質問を受け付けます。また試験前には、メールによる質問にも出来る限り対応します。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/03/15 18:52:19