科目名[英文名]
材料力学Ⅰ   [Mechanics of Materials I]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 021507
責任教員 [ローマ字表記]
長岐 滋   [NAGAKI Shigeru]
所属 工学府 研究室   メールアドレス

概要
材料力学は,様々な機械構造物の変形や強さを定量的に扱おうとする学問であり,機械構造物を設計するために欠くことができない基礎的な知識を学ぶ.

この科目に関する講義は,ⅠとⅡおよび演習によって構成されるが,1年3学期に開講される材料力学Ⅰでは,まず材料の変形解析の意義を理解するために,応力やひずみ,材料強度,安全率といった基本的な語句の意味および意義を解説する.さらに,これら語句を駆使しながら,単純な負荷状態で生じる応力と変形について問題の解析方法を講義する.

到達基準
目標は以下の二点である.

  1)機械構造物の設計で用いられる強度と剛性に関する基本的な用語,概念が
    理解できるようになること.
  2)はりの曲げについて,基本的な概念が理解でき,簡単な強度・剛性設計が
    できるようになること.
授業内容
(1) 材料力学とは何か?  材料力学で学ぶ内容について概説する.さらに材料の強度・変形解析を行う際に必要となる基礎的な概念,語句について説明する(引張り試験,荷重伸び線図,応力ひずみ線図,弾性,塑性,降伏応力,引張り強さ,許容応力,安全率など)

(2) 応力とひずみ,Hooke則  応力とひずみの基礎概念について講義する(力の釣り合いと応力,応力の定義,垂直応力とせん断応力,伸びと変位,ひずみの定義,垂直ひずみとせん断ひずみと伸びなど).また,材料の変形特性をあらわす基本的な関係であるHooke則について説明する.

(3) 固体力学の基本原則  材料力学の様々な問題を解く場合の基本的な考え方を整理し,垂直応力に関連した具体的な問題の解き方を学ぶ(自重,熱応力,遠心力,静定と不静定)

(4) 垂直応力に関連した問題  前回に引き続き,垂直応力に関連した様々な問題について演習を交えてを解き方を解説する.

(5) せん断応力に関連した問題  丸棒のねじり,回転軸などせん断応力が働く場合の変形,強度解析について説明する.

(6) ひずみエネルギー  弾性体に貯えられるエネルギー(ひずみエネルギー)について解説し,衝撃問題への応用を示す.

(7) 組み合わせ応力とモールの応力円  複数の応力(組み合わせ応力,多軸応力)が加わる場合の基本的な考え方について説明する.

(8) 中間試験

(9) はりの曲げ(1) はりとは何か?: はりに加わる荷重,反力,はりに生じる力(せん断力)とモーメント(曲げモーメント)について説明する.

(10) はりの曲げ(2) SFDとBMD: はりに生じるせん弾力,曲げモーメントの分布を求める方法について学び,せん断力図(SFD),曲げモーメント図(BMD)を描けるようにする.

(11) はりの曲げ(3) 様々なはりの例題: 片持ちはり,単純支持はりに集中荷重,分布荷重が加わる場合などについてSFD,BMDを求める演習を行う.

(12) はりの曲げ(4) はりに生じる応力: はりの変形に関する基本仮定を説明し,はりに生じるひずみ,曲げ応力などについて講義する.またはりの断面形状と生じる応力の関係について説明し,断面2次モーメント,断面係数について学ぶ.

(13) はりの曲げ(5) 様々なはりの例題: はりの強度設計の基礎を様々な例題を通じて学ぶ.色々なはりについて,その断面2次モーメントを計算し生じる応力を求める.

(14) はりの曲げ(6) はりのたわみ: はりのたわみの基礎微分方程式を導き,はりの変形(たわみ)を求める方法について学ぶ.

(15) はりの総合問題  平等強さのはりなどを例として取り上げ,はりの曲げに関する強度・剛性設計の方法を学ぶ.

・期末試験
履修条件・関連項目
微分・積分,物理(力学)の知識を必要とする.
テキスト・教科書
参考書
材料力学の参考書は多数有るので,自分にあったものを見つけること.
成績評価の方法
中間試験(約30%),期末試験(約40%) ,演習問題(moodle 小テストを含む,約30%)によって評価する.
教員から一言
この授業で得た知識は,材料力学II,弾性力学,塑性力学,材料強度学,固体力学,計算力学等を学ぶ基礎となる.
キーワード
応力,ひずみ,Hookeの法則,ねじり,安全率,曲げ,断面2次モーメント,たわみ
オフィスアワー
毎週水曜日12:00-13:00
備考1
講義に関連する連絡,演習問題の提示,解答例提示などは,すべて材料力学Iのmoodleのページを通じて行うので,毎週必ず参照すること.
備考2
成績分布 (M1,M2 2クラス合計)
H23(2011) S 9% A 54% B 17% C 10% D 11%
H24(2012) S 7% A 38% B 20% C 18% D 18%
H25(2013) S 3% A 25% B 48% C 8% D 16%
H26(2014) S 16% A 36% B 22% C 16% D 9%
H27(2015) S 5% A 22% B 27% C 22% D 15% E 10%
H28(2016) S 10% A 35% B 24% C 21% D 5% E 5%

参照ホームページ
http://www.tuat.ac.jp/~nagaki/zairiki/zindex.html
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/06/04 22:41:53