科目名[英文名]
応用分子化学基礎演習Ⅱ   [Basic Exercise in Applied Chemistry Ⅱ]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 1 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 022218
責任教員 [ローマ字表記]
坪内 彰, 小峰 伸之   [TSUBOUCHI Akira, KOMINE Nobuyuki]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
応用分子化学基礎演習Ⅱは、有機化学I、IIおよびIIIを履修した後、その内容を使える知識として定着させるための演習形式の授業である。

有機化学は、医農薬やバイオテクノロジー産業など多くの分野を支える基盤となる学問である。この有機化学の知識を真に身につけるためには、単に講義を聴いているだけでは不十分であり、演習問題を自分で解いていくことが必須である。そこで、、「マクマリー有機化学 上・中・下」の既習範囲に関する演習問題を解いてもらう。授業では、毎回試験を行う。試験範囲については授業のスケジュールとともにガイダンスの際に予め公表する。試験問題については、「有機化学演習―基本から大学院入試までー」(東京化学同人)の各章の範囲内の「例題」および「演習問題」の中からか、あるいはそれを多少変更したものを出題する(予定)。1回の授業は1)講義(出題範囲の内容についての講義)、2)演習(マクマリー有機化学のみ持込可)、3)試験問題について解説から成り、この順で授業を進める。

到達基準
この演習の目的は、問題を自ら解くことを通して1年次および2年次の前期までに学習した有機化学の基礎的な知識をより確かなものとして習得することであり、その知識を基にして、様々な有機反応や有機化学に関連した現象を理解できるようになることである。

本科目のディプロマ・ポリシーの観点:
履修案内のカリキュラムマップを参照してください。
授業内容
第1回 ガイダンス
第2回 有機化学の基礎(1章)
化学結合と分子の構造(原子軌道、電子配置、共有結合とその原子価結合法および分子軌道法による表現、混成軌道と分子構造)および極性結合とその重要性(双極子モーメント、形式電荷、共鳴構造、酸と塩基などの有機化学の基礎的事項)などに関する演習。
第3回 アルカンとシクロアルカン(2章)
アルカンおよびシクロアルカンについて、その命名法、性質、異性体、および立体化学(立体配座、安定配座と不安定配座、ひずみ、1,3-ジアキシアル相互作用)などに関する演習。
第4回アルケンとアルキン(3章)
命名法、アルケンのシスートランス異性体、EZ表示法、Cahn-Ingold-Prelogの順位則、アルケンの反応、共役ジエンの反応、アルキンの反応などに関連する演習。
第5回 芳香族化合物(4章)
ベンゼンやその他の芳香族化合物の化学(Huckel則、芳香族求電子置換反応など)に関する演習。
第6回 立体化学(5章)
立体化学(エナンチオマー、ジアステレオマー、メソ化合物、ラセミ体など)についての演習。
第7回 ハロゲン化アルキル(6章)
ハロゲン化アルキルの求核置換反応(SN1とSN2反応)および脱離反応(E1とE2反応)、共役ジエンへの求電子付加反応(アリル型カルボカチオン、速度論支配と熱力学支配)などに関連する演習。
第8回 第2回から7回までの内容のまとめ。
    中間テスト
第9回 アルコール、フェノール、エーテルおよびその硫黄類縁体(7章)
アルコールやフェノールの命名法、性質、合成法(カルボニル化合物の還元反応による合成など)および反応(酸化反応など)に関する演習およびエーテル、エポキシド、チオールおよびスルフィドの命名法、性質、合成法(Williamson反応など)と反応(開裂反応や開環反応など)に関する演習。
第10回 アルデヒドとケトン(8章)
アルデヒドとケトンの命名法、性質、合成法と反応(求核付加反応、Wittig反応など)に関する演習。
第11回 カルボン酸とその誘導体(9章)
カルボン酸およびその誘導体(酸ハロゲン化物、酸無水物、エステル、アミド)の命名法、合成法や反応(求核アシル置換反応など)に関する演習。
第12回 カルボニル化合物のα置換と縮合(10章)
カルボニル化合物のα置換反応(エノラートの生成、エノラートのアルキル化、ハロゲン化など)に関する演習、およびカルボニル縮合反応(アルドール反応、Claisen縮合、Michael反応など)に関する演習。
第13回 アミン(11章)
アミンの命名法、性質、合成法および反応に関する演習。
ペリ環状反応(電子環状反応、シグマトロピー転位、付加環化反応など)や共役π電子系の分子軌道についての演習。
第14回 第9回から13回までの内容のまとめ。
     期末テスト
履修条件・関連項目
演習では、演習問題の出題範囲を公表している。そのため、事前に出題範囲のテキストを読み直すと共に、章末問題を解くなどの予習が必要である(12時間)。
授業終了後、各自で答案を確認し、間違えた部分についてはテキストや解答例、また授業での解説などと照らし合わせて再確認する3時間)。
 授業時間30時間と上記の授業外学習を加え、本学の標準時間数に準ずる予習・復習を行うこと。
学習内容は、本学の標準時間数に準じている。

その他
有機化学1、2および3を履修していることが前提。また、2年次後学期に並行して行われる生物有機化学を同時に履修すること。
テキスト・教科書
有機化学演習ー基本から大学院入試までー(東京化学同人)
マクマリー著「有機化学 上・中・下」
参考書
有機化学演習ー基本から大学院入試までー(東京化学同人)
マクマリー著「有機化学 上・中・下」
成績評価の方法
原則として、各回の試験の合計点で成績を評価する。だだし、授業への参加度も考慮する場合がある。演習科目であるので全日出席を単位取得の前提とする。
教員から一言
予め出題範囲を指定するので必ず予習をしておくこと。自分の頭で考えることが有機化学をマスターするためのポイント。
キーワード
反応有機化学、理論有機化学、合成有機化学、構造有機化学、反応機構
オフィスアワー
月曜日9:30〜12:00(坪内; 研究室1N-510A);火曜日9:30〜12:00(小峰; 研究室1N-513)
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/03/20 19:21:17