科目名[英文名] | |||||
応用分子化学実験Ⅱ [Molecular Chemistry Experiments Ⅱ] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 3 | |
対象学科等 | 対象年次 | 2~4 | 開講時期 | 3学期 | |
授業形態 | 3学期 | 時間割番号 | 022222 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
坪内 彰 [TSUBOUCHI Akira] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
応用化学実験IIは、応用分子化学科で開講される実験科目(I-VI)の内、有機化学に関連した実験実習を行う。 有機化学の講義とのバランスを考えて選択された、有機化合物の変換に関する基礎的な6テーマについて実験を行い、レポートを作成する。これらの実験を行うことにより有機化学実験を行う際に必要な多くの基本操作を学ぶことができる。また、危険物や毒劇物の性質・取扱法・法規制、有機合成の英語化学文献の講読、有機化学分野の最新のトピックスに関する講義を行い、有機化学に対する理解を深める。 |
到達基準 |
私達の日常生活には、多くの有機化学物質が用いられている。これらの物質の中には天然から得られるものもあるが、それらの大部分は有機化学の知識をもとにして、人工的に合成されたものである。これらの物質を合成する際に必要な実験装置の扱い方、ガラス器具を用いた実験操作方法、試薬や生成物の取扱い方、合成法および化合物の性質の調べ方などを自分の経験を通して身につけることができる。 本科目のディプロマ・ポリシーの観点: 履修案内のカリキュラムマップを参照してください。 |
授業内容 |
第1回 ガイダンス:実験を行うのに必要な実験器具を準備する。 第2回 実験講義1:実験試薬、溶媒(危険物、毒劇物)などの分類・管理・取扱い法を解説する。実験で使用する試薬を規則に即して分類し、知識を深める。 第3回 実験講義2:有機実験で用いる様々な器具の使用法や実験操作法を解説する。また、レポートの書き方を、内容を中心に説明する。 第4回〜第9回:クラスを2班に分け、実験1と実験2、実験3と実験4、実験5と実験6、の組合せで交互に実施する。 実験1 (還元反応ーベンジルアルコールの合成ー):ベンズアルデヒドの水素化ホウ素ナトリウムによる還元でベンジルアルコールを合成する。代表的な還元反応、アルコールの定性的な確認方法について学ぶ。 実験2 (スピロピランの合成):UVや可視光によって構造が変化し、それに伴って発色も変化する(この現象をフォトクロミズムと称する)スピロピランを合成し、フォトクロミズムの溶媒依存性や速度論的解析を行う。 実験3 (酸化反応ーシクロヘキサノンの合成ー):シクロヘキサノールの次亜塩素酸ナトリウム酸化によりシクロヘキサノンを合成する。代表的な酸化反応であるアルコールの酸化、カルボニル化合物の定性的な確認方法について学ぶ。 実験4 (芳香族求電子置換反応 ー3-ニトロ安息香酸メチルの合成ー):安息香酸メチルと濃硫酸―濃硝酸の反応により3-ニトロ安息香酸メチルを合成する。代表的な芳香族求電子置換反応であるニトロ化反応について学ぶ。 実験5 (アルデヒドへの求核付加反応ーCannizzaro反応ー):ベンズアルデヒドを用いてCannizzaro反応を行う。アルデヒドへの求核付型反応によるアルコールとカルボン酸の合成を行い、それらの分離法やTLCによる生成物確認法を学ぶ。 実験6 高分子の合成ーポリメタクリル酸メチル(付加重合)およびポリアミド(共縮重合)の合成ー:ポリメタクリル酸メチルのラジカル重合およびジアミンとジカルボン酸塩化物を用いた界面重合を行い高分子を合成する。赤外吸収スペクトルを測定し、立体規則性を調べる。また、染色実験を行い、繊維の種類と染色性の関係を調べる。 第10回 実験器具の収納:実験で使用した器具を収納する。 第11回 実験講義3:卒論以上の研究では、英語が必須である。ここでは、有機合成に関する英語化学論文(Organic Syntheses)を講読する。試薬、装置、実験方法、など広範な有機合成の基礎事項・英語表現を学ぶ。 第12回 実験講義4:未定 |
履修条件・関連項目 |
実験実習を行うにあたっては、安全確保の観点からも予習は必須である。各人は実験テキストを精読し内容の十分な理解を図ると共に、実験手順のフローチャートを作成し、試薬の物理的・化学的性質を事前に調べ、実験ノートに記載しておくこと(15時間)。 実験終了後には、実験レポートの作成を行う。所定の書式に従い、目的、実験操作、結果、考察、結論、参考文献を適切に記述し、決められた期日内に提出すること(30時間)。 授業時間90時間と上記の授業外学習を加え、本学の標準時間数に準ずる予習・復習を行うこと。 学習内容は、本学の標準時間数に準じている。 その他 1)「学生教育研究災害傷害保険」に加入していること。 2) 安全規則(白衣、上履き用運動靴、保護メガネ、名札の着用など)を遵守する。詳細はガイダンスで説明する。 |
テキスト・教科書 |
東京農工大学応用分子化学科編「実験テキスト(4章、7章)」とプリントを使用する。 |
参考書 |
マクマリー著「有機化学 上・中・下」、化学同人編集部 編「実験を安全に行うために」、「続実験を安全に行うために」 |
成績評価の方法 |
レポート点(テスト点を含む)(50%)と授業への参加度(実験中の履修態度も含まれる)(50%)を総合して評価する。ガイダンス、講義、実験は全日出席が原則である。遅刻、無断欠席、レポートの提出遅延や未提出、実験中の怠慢行為により、単位の取得が困難になることもある。 |
教員から一言 |
(1) 本格的に有機化学実験を経験する諸君のために、操作はできるだけ危険の少ないものを選んであるが、それでもガラス器具による切り傷、やけど、火災などの不慮の事故が起こる可能性がある。しかし、実験を始める前にテキストを精読し、教員の注意を守って注意深く実験を行なえばこのような事故を防ぐことができる。また、長袖白衣、運動靴、保護メガネを常用し、安全に留意する。 (2) 有機化学における代表的な反応様式を学習する。実験前に、実験内容を十分に予習しておくことが必要である。 |
キーワード |
有機化学、物質変換、実験操作、抽出、再結晶 |
オフィスアワー |
随時対応する。教員の連絡先は、ガイダンス資料を参照すること。 |
備考1 |
1) レポート締切日時:原則として指定日の8時40分 2) 出欠点呼:13時開始 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2019/03/20 19:08:00 |