科目名[英文名] | |||||
機械材料工学Ⅰ [Engineering Materials I] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 2~4 | 開講時期 | 3学期 | |
授業形態 | 3学期 | 時間割番号 | 022526 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
高橋 徹 [TAKAHASHI Tohru] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | 小金井6号館304室 | メールアドレス |
概要 |
材料科学・材料工学の基礎と応用を修得することは機械システム工学を学ぶ者にとっては必須の課題の一つである。本授業科目では、強度(剛性・降伏強さ・破壊靭性)の支配機構,ミクロ組織の制御と熱処理プロセス、材料選択に関する幅広い知識を身に付けさせることを目的とする。力学的に機械システムを支える金属系構造材料を中心に、強度と組織を支配する原子論的機構の理解に基づいて、強靭な構造材料を得るための方法に関して解説する。 |
到達基準 |
本授業科目は機械システム工学科のディプロマ・ポリシーにおける観点(B)に該当しており、両コースに共通した機械工学の基礎的知識の習得が求められる。 1)金属材料の通性(金属結合、結晶構造、塑性、電気伝導・熱伝導、金属光沢)について説明できること 2)結晶格子に関する幾何学的分類(結晶系と空間格子)について説明でき、ミラー指数を用いて面と方向を記述できること 3)弾性・塑性・破壊の支配機構について とりわけ、結晶すべりの転位モデル、転位の運動に対する障害物の導入による強化、破壊における亀裂進展の様式について詳しく説明できること 4)金属材料内部の成り立ちであるミクロ組織について、結晶格子、結晶粒の寸法と形態、集合組織、各種の格子欠陥(・欠陥、千欠陥、面欠陥、バルク欠陥)の観点から説明できること 5)熱による材料内部の変化をもたらす拡散について、その素過程から理解した上で、回復・再結晶・析出・焼結などの現象との関連を説明できる 6)材料試験法の各種(かたさ試験、引張試験、疲労試験、クリープ試験、破壊靭性試験、摩耗試験など)の方法とその結果の解釈について説明できる 7)材料を構成する相と構成について理解し、熱力学によって支配される構成の温度依存性を示した状態図、相律、不変系反応、てこの関係について説明できる 8)実用金属材料(銅合金、アルミニウム合金、鉄鋼など)について、その工業規格もまじえつつ説明できる 9)炭素鋼の状態図、変態図などを参照して、鉄鋼の熱処理について説明できる |
授業内容 |
(前期) 機械構造材料に求められる強さに関し弾性・塑性・靭性の3側面から把握し、材料選択および最適化に利用できる材料パラメータについて理解する。 第1回)機械構造用材料に求められる強さとは;弾性と剛性、降伏強度、破壊と靭性 第2回)材料の性質から性能まで;材料科学・材料工学の両面の知識の重要性の認識 第3回)新素材と材料イノベーション;先端的な応用分野における各種新素材の紹介 第4回)Material Property Chartを利用した材料選択;材料の最適化の概念の把握 (中期) 結晶固体の強度に関し、原子から多結晶体の寸法のスケールにわたり把握し、後期において取り扱う金属組織学の基礎を固める。 第5回)原子の結合;原子間力に基づく結合エネルギ、弾性、熱膨張の理解 第6回)理想強度;理想結晶における理論劈開強度と理論剪断強度に関する解析 第7回)結晶固体;結晶格子、空間格子、結晶構造の分類。ミラー指数と結晶幾何学 第8回)格子欠陥;点欠陥、線欠陥、面欠陥、その他の欠陥の構造と挙動の紹介 第9回)拡散の原子空孔機構と速度論;回復・再結晶・析出を支配する拡散の理解 第10回)転位と強化法;金属・合金の降伏強さを支配する転位とその力学、ならびに障害物の導入による強化法 (後期) 状態図と組織の成り立ち、熱処理による組織制御について深く理解した上で鉄鋼材料をはじめとする各種実用材料の材料工学についての知識を集約する。 第11回)金属組織の相・構成・形態;熱力学的自由エネルギ、相律、てこの関係の理解 第12回)熱的な組織変化;二元系状態図の分類と読解、不変系反応、析出と格子変態 第13回)鉄鋼材料と熱処理;鉄―炭素系状態図、焼なまし・焼ならし・焼入れ・焼もどし 第14回)実用合金:各種実用材料のJIS規格、材料・熱処理法の名称と記号 第15回)全体的な内容の整理と総括、ならびに、筆記による定期試験を実施する。 |
履修条件・関連項目 |
数学ならびに物理学(力学と熱力学)の基礎的素養が必要。「機械材料学」を履修済みであることを前提として講義を進める。講義に基づく授業科目であり、授業時間の30時間に加え、授業時間外で60時間に相当する内容の予習・復習、課題レポートの作成、配布プリントの設問・クイズへの自学自習的な取り組みを要するものとする。 |
テキスト・教科書 |
教科書として、「基礎から学ぶ金属材料」(小原嗣朗著、朝倉書店)を使用する。 |
参考書 |
1年次後学期の「機械材料学基礎」のテキストとして使用した「材料工学入門-正しい材料選択のために-(堀内・金子・大塚 共訳、内田老鶴圃)」が参考書として役立つはずである。 |
成績評価の方法 |
学期末に実施する定期試験の点数によって評価し、成績評価への配分比率は100%である。定期試験の採点においては、正答ならびに正しい記述について加点する。 |
教員から一言 |
毎回の講義で小設問カードにより出欠をとる。講義内容についての質問等にはオフィスアワーの時間帯を利用願いたい。配布資料があったらファイル保管の上、活用して欲しい。 |
キーワード |
金属、合金、降伏強さ、転位、ミクロ組織、熱処理、組織制御、平衡状態図、相律、構成、実用合金 |
オフィスアワー |
昼休みか4限終了後の時間帯を利用して下さい。6号館304室に来て下さい。6号館302輪講室などに移動します。 |
備考1 |
なし |
備考2 |
なし |
参照ホームページ |
なし |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
英語 |
更新日付 |
2019/04/01 16:26:36 |