科目名[英文名]
関数論   [Function Theory]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 022602
責任教員 [ローマ字表記]
西村 滋人   [NISHIMURA Shigeto]
所属 工学府 研究室   メールアドレス

概要
微積分で学んだ実変数の三角関数、指数関数等を複素変数に拡張するところから始めて、複素関数の微分や積分について学ぶ。とくに応用上大切な有理形関数の積分について、負冪を許して冪級数に展開し、閉曲線に沿って項別積分することによって、積分の計算が留数の計算に帰着されることを示す。
到達基準
(1)複素初等関数の取り扱いに習熟する。
(2)留数を計算して複素関数の積分を求めることができる。
授業内容
1.複素数の四則 ガイダンスおよび複素数の取り扱いについての簡単な復習。
2.指数関数と三角関数 初等関数の複素変数への拡張。
3対数関数および一般のベキ 初等関数の複素変数への拡張。
4.Cauchy-Riemann の方程式 複素微分可能性が複素関数の実部と虚部に課す条件の説明。
5.複素積分 複素関数の積分が複素平面上の線積分として導入されることの説明。
6.コーシーの積分定理 主張と典型的な使い方の例。ε-δ論法の復習等証明の準備。
7.コーシーの積分定理の証明 三角形分割を用いたコーシーの積分定理の証明。
8.コーシーの積分表示 コーシーの積分表示および導関数の積分表示。
9.整級数展開 正則関数のテイラー級数展開、ならびに負冪を許したローラン級数の導入。
10.特異点 ローラン級数の主要部の考察。除去可能特異点、極、真性特異点の特徴づけ。
11.一致の定理 整級数展開についての補足その他。
12.留数定理 留数計算に基づいた複素積分の計算。
13.複素積分の応用1 実三角関数の積分や、実有理関数の無限積分の計算への応用例。
14.複素積分の応用2 フーリエ変換の計算例、sin関数の無限積展開等。
15.定期試験
履修条件・関連項目
とくになし
テキスト・教科書
教科書は使用しない。
参考書
田代嘉宏、複素関数要論、森北出版。
E.クライツィグ、複素関数論 (技術者のための高等数学)、培風館。
成績評価の方法
定期試験100%
教員から一言
複素変数の導入は工学の研究においても有用な研究手段を提供します。とくに留数解析は、微分積分学の基本定理によるものとは異なる実積分の計算手法を与える事もあって、手順をきちんと理解して身につけておくことが望まれます。参考書および演習書は多数あるので、この機会に、多くの文献に目を通してみることを勧めます。
キーワード
複素数、正則関数、ローラン級数、留数
オフィスアワー
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/03/19 18:26:18