科目名[英文名]
物理数学Ⅱ   [Mathematical Physics Ⅱ]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 022615
責任教員 [ローマ字表記]
畠山 温   [HATAKEYAMA Atsushi]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
物理システム工学カリキュラム中の必修科目として,本科目では,これまでに力学,電磁気学,振動・波動,などで登場した物理現象を題材として,そこで扱った数学的な解析手段を横断的に眺め,また,数学系科目(微分積分学,線形代数学,微分方程式,関数論,幾何学)で学んだ知識との関係を理解させる.「物理数学I」に引き続き,物理現象を記述する道具としての数学を修得し,その応用能力を高める.
到達基準
ディプロマポリシーで述べられている物理学の基礎を体系的に理解するために,物理現象を記述するための以下の数学的手法を修得する。
(1) 3次元までの具体的なベクトル解析の計算ができるようになること。および幾何学的・物理的イメージが持てること。
(2) 複素関数の微分と積分,それを利用した実関数の問題の解法ができるようになること。
(3) フーリエ展開やフーリエ変換の計算ができ,その物理的なイメージが持てること。
本科目のディプロマ・ポリシーの観点:履修案内のカリキュラムマップを参照してください。
授業内容
第1〜5回 ベクトル解析(5回)
 (1) スカラー場の勾配,ベクトル場の発散と回転
 (2) ガウスの定理,ストークスの定理
 (3) 直交曲線座標系
  
第6〜10回 複素関数論(5回)
 (1) 複素関数.
 (2) 正則関数:正則性,コーシー・リーマン方程式,調和関数,等角写像
 (3) 複素積分:コーシーの積分定理,コーシーの積分公式,留数定理,テイラー展開・ローラン展開,実関数の積分への応用


第11〜15回 フーリエ解析(5回)
 (1) フーリエ級数
 (2) フーリエ変換
 (3) ディラックのデルタ関数
 (4) ラプラス変換
履修条件・関連項目
物理数学I,および2年前期までに開講されている数学系科目(微分積分学,線形代数学,微分方程式,関数論,幾何学)は修得済みであることが望ましい.
授業時間30時間に加え、レポート課題等に取り組み、本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
特に指定しない。
参考書
松下 貢,「物理数学」(裳華房):この本のII, III, IV章を参考にしながら講義を進める。
和達 三樹,「物理のための数学」(岩波書店):複素関数論に関する章がない。
横山 順一,「電磁気学」(講談社):電磁気学に必要な数学が巻末にまとめられている。
白石 清,「絶対わかる物理数学」(講談社サイエンティフィク):広範囲にわたる物理数学の要点がうまくまとめられているので思い出すときに便利。
Wong, "Introduction to Mathematical Physics Methods & Concepts" (2nd ed., Oxford):物理数学の題材を幅広く取り扱っている。学部で必要となる物理数学を網羅していて,日本語の教科書でここまでまとめてあるものはないかもしれない。
三井敏之,山崎了「物理数学 ベクトル解析・複素解析・フーリエ解析」(日本評論社):講義で扱う内容をちょうど網羅している,2018年に新しく出版された教科書
成績評価の方法
各テーマ終了後に行う試験(全3回)を30%ずつ,レポート提出を10%の割合で用いて評価する。授業中に解答解説や質疑応答をした学生に対しては,追加のプラス評価をする。
教員から一言
 本科目は,これまで学んだいくつかの物理系の科目を経糸群とすれば,それらに緯糸をかけ,相互に絡み合った知的なネットワークを構成するという性格をもつ.ばらばらに覚えている知識はメモリーを消費するだけで活用できないことを肝に銘じて欲しい.質問は講義中,講義後,学内電子メールで随時受け付ける.
キーワード
ベクトル解析,複素関数論,フーリエ変換
オフィスアワー
随時対応する。メールで連絡すること。
備考1
講義ノートはMoodleで公開するので予習,復習に役立てること。レポートの問題もその講義ノートに記載してある。
備考2
レポート提出は授業の開始前に受け付ける。その後は基本的に受け付けない。
参照ホームページ
Moodleを参照
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/10/01 16:36:10