科目名[英文名]
生物化学Ⅰ   [Bio Chemistry Ⅰ]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 023201
責任教員 [ローマ字表記]
岩井 伯隆   [IWAI Noritaka]
所属 工学府 研究室   メールアドレス

概要
生物(植物、動物、微生物など)の基本単位は細胞であり、その細胞を維持するために細胞内で行われていることは、細胞を構成している化学物質による化学反応です。また、細胞が栄養分を取り込んだり老廃物を排出して外界と相互作用することで生命が成り立っています。生物化学は、生物のこれらの営みを化学的に解き明かす学問であり、生命現象を理解するための基礎となります。生物化学の内容は多岐に渡りますので、それを理解するための基礎学力として、化学、生物、物理、数学などはもとより、有機化学や無機化学など専門的な知識も必要となります。
到達基準
生物化学は、化学的見地から生命現象を解明する学問です。生物を構成している物質の構造と機能について知ることが、生命を化学的に理解する基礎として重要になります。生物化学Ⅰでは主に生物を構成する基本4成分(アミノ酸、糖質、核酸、脂質)について、その構造と化学的性質、細胞内での役割を学びます。予習はもちろん、講義後に教科書と板書を併用した復習をしっかりすることが大事になります。講義内容を忘れないために、講義後なるべく時間を置かずに復習すると良いでしょう。中間試験と期末試験では講義内容に沿った問題を多く出題しますので、講義内容について理解し、知識が引き出せれば単位は修得できます。また、積極的な学習を要する問題も出題しますので、意欲的に取り組んで高い評価を目指して下さい。

本科目のディプロマ・ポリシーの観点:履修案内のカリキュラムマップを参照してください。
授業内容
第1回   生物化学の概説:講義スケジュールの説明をした後、生物の分類学について触れ、これから学習していく生物に
      ついて細胞レベルで理解します。また、生物種による細胞構造の違いと共通点を解説し、細胞器官の機能を理解
      します。
第2回   細胞構造の説明(続き)および水の物理化学的性質:前回に引き続き細胞構造の説明をします。さらに、細胞を
      構成している成分でもっとも多い、水分子を中心に、生体分子の結合エネルギーや化学的性質について理解します。
第3回   生体を構成する成分とタンパク質の化学(1):生体を構成する成分のついて概説し、その中の一つである
      タンパク質の、基本成分となる20種類のアミノ酸の化学構造と性質、さらに立体構造(光学異性体)について
      理解します。
第4回   タンパク質の化学(2):ペプチドの構造と性質を理解し、タンパク質の立体構造を理解するうえで重要となる
      二次構造について学びます。さらに高次情報についても紹介します。
第5回   タンパク質の化学(3):タンパク質の分析法や精製法、濃度の測定法について学びます。
第6回   糖質の化学(1)エネルギーでもあり、細胞の構成成分でもある糖質について学びます。基本単位となる
      単糖について学び、名称や構造を理解します。
第7回   糖質の化学(2):前回に引き続き単糖について立体構造情報などを含めて解説します。また生体内や生理活性
      物質としても重要な働きをする糖の誘導体についても学びます。
第8回   まとめならびに中間試験:第1回から7回までの範囲内について,学習の理解度を確認します。
第9回   中間試験解説と糖質の化学(3):多糖類の諸性質について学び、化学的性質や生物種による生体内外での
      利用法について理解します。
第10回  脂質の化学(1):脂肪酸の化学的性質とその生体内での特徴について学びます。また中性脂肪など単純脂質の
      構成や化学的性質について理解します。
第11回  脂質の化学(2):リン脂質を始めとする生体膜の構成成分として用いられる複合脂質について学び、その
      化学的性質を理解します。また、コレステロールやホルモンとして働くステロイド系の脂質についても学びます。
第12回  脂質の化学(3):特殊な脂質として脂溶性ビタミン類やエイコサノイド類について学びます。また、脂質
      二分子膜の性質や膜タンパク質の特徴について理解します。
第13回  核酸の化学(1):核酸の成分と化学的性質について学び、DNAとRNAの構造と特徴について理解します。
第14回  核酸の化学(2):二重らせんを形成するDNAが持つ独特な特徴について理解します。濃色効果や
      融解温度について学びます。
第15回  まとめならびに最終試験 第8回から14回までの範囲内についての学習の理解度を確認します。
※講義日程は予定です。急な休講や講義の進度によって前後する可能性がありますので、目安程度に留めてください。 
履修条件・関連項目
高等学校卒業・大学初級程度の化学、物理、数学の知識があることを前提に講義を進めます。
テキスト・教科書
ヴォート 基礎生化学、 D.ヴォート他、東京化学同人
参考書
ヴォート 生化学(上)(下)、 D.ヴォート他、東京化学同人
成績評価の方法
中間試験(50%)と最終試験(50%)で成績評価します。最終試験の受験資格は、授業日数の3分の2以上の出席が必須です。出席日数の不足者は最終試験を受ける資格がありませんので注意してください。

2018年度の成績は以下の通りです:S(10%), A(63%), B(15%), C(12%), D(0%)
教員から一言
生命現象は、学術的興味の対象だけでなく、普段の私たちの生活にも密接に関わっていることがこの講義を通して理解できます。何気なく飲んでいる清涼飲料水に含まれている成分や、CMで取り上げられている成分にはどういう意味があるのか?是非、強い好奇心を持って講義に臨んでください。
キーワード
細胞、生体分子、タンパク質、糖質、脂質、核酸
オフィスアワー
学内滞在時間があまり長くないので、質問や相談は講義内もしくは講義終了後すぐに申し出てくれることが望ましいです。
備考1
きちんと出席し、板書をとることが基本です。一回目の講義はスケジュールや成績評価方法を説明しますので、受講予定者は必ず出席してください。
備考2
過去3年間の成績分布は以下の通りで
す。                                                2018 S 10%, A 63%, B 15%, C 12%, D 0%   
2017 S 33%, A 51%, B 8%, C 2%, D 6% 
2016 S 36%, A 40%, B 11%, C 11%, D 2%
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/02/19 12:20:38