科目名[英文名] | |||||
有機化学演習Ⅱ [Exercises in Organic ChemistryⅡ] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 1 | |
対象学科等 | 対象年次 | 3~4 | 開講時期 | 3学期 | |
授業形態 | 3学期 | 時間割番号 | 023309 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
岡本 昭子 [OKAMOTO Akiko] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
a. 目的:有機材料化学科学部生向け開講の有機化学系列授業の総復習として, 反応に関する演習を行い,有機反応の解釈能力に加え,有機化合物の構造的特徴,化学的性質,物理的性質に関する予測能力・評価能力の育成を目指す。分子軌道法的考え方と有機電子論的考え方の共通点・相違点の整理を通した有機化学の俯瞰的視野獲得を目指す。有機化学の学習で必ずしも成果をあげ得なかった学生のリメディアルとしての目的も併せ持たせる予定である。 b. 概要:有機化学の反応面を中心に,指導原理・基本原理の整理と,演習によるその確認を反復する。量子化学的考え方と有機電子論的考え方の比較を織り交ぜながら,主に,カルボニル化合物・カルボン酸誘導体の反応,芳香族化合物の反応に関する演習を行う。問題は基本的に有機材料化学科当該学年教科書であるボルハルト・ショア 現代有機化学第4版(主に下巻)掲載のものを用いるが,授業での解説は原則として教科書等を用いずに行う。 |
到達基準 |
【授業の到達目標】 分子のどこで反応が起こりそうか, どんな反応形式が想定されるか, 自分で反応機構を描きながら考え, 有機反応を俯瞰的に捉えられる力をつける。 |
授業内容 |
第1回 カルボニル化合物への求核付加反応 (1) ・カルボニル化合物の分類 ・アルデヒドやケトンへの求核付加反応 ・アセタール生成反応 ・シアンヒドリン生成反応 第2回 カルボニル化合物への求核付加反応 (2) ・炭素求核試薬との反応 アセチリドイオン,Grignard試薬,ヒドリド試薬(前半) 第3回 カルボニル化合物への求核付加反応 (3) ・ヒドリド試薬(後半)とヒドリド等価体の移動が伴う反応 ・総合問題 第4回 カルボン酸誘導体への求核置換反応 (1) ・カルボン酸誘導体の分類 ・酸クロリドと求核試薬との反応 ・エステル化合物のヒドリド還元,Grignard試薬との反応,加水分解 第5回 カルボン酸誘導体への求核置換反応 (2) ・カルボキシ基の官能基変換反応 酸クロリド,エステル合成,酸無水物合成 第6回 カルボニル化合物のC=O結合がC=N結合に置き換わる反応 ・イミン,オキシム,ヒドラゾン,セミカルバゾン生成反応 ・カルボニル基をメチレンに置き換える反応 第7回 カルボニル基のα水素の置換反応 (1) ・カルボアニオン,互変異性,エノール化 ・ケトンのハロゲン化,ハロホルム反応 第8回 カルボニル基のα水素の置換反応 (2) ・Hell-Volhard-Zelinsky(HVZ)反応 ・Reformatsky反応 第9回 カルボニル基のα水素の置換とカルボニル基への求核付加/置換が関わる反応 (1) 第10回 カルボニル基のα水素の置換とカルボニル基への求核付加/置換が関わる反応 (2) 第11回 カルボニル基のα水素の置換とカルボニル基への求核付加/置換が関わる反応 (3) 第12回 カルボニル基のα水素の置換とカルボニル基への求核付加/置換が関わる反応 (4) 第9回〜第12回で扱う予定の反応: アルドール反応,クライゼン縮合,酸および塩基触媒のカルボニル化合物の縮合,交叉縮合, Mannich反応,Perkin縮合,Knoevenagel反応,Michael付加,Dieckmann縮合,カルボニル化合物等価体としてのニトロアルカンやニトリルの反応,Robinson環形成反応 第13回 芳香族化合物の反応 (1) 親電子芳香族置換反応 第14回 芳香族化合物の反応 (2) 求核芳香族置換反応 第15回 総合演習 修得が不足している単元を再学習する場合もありうる 第16回 期末試験 |
履修条件・関連項目 |
有機材料化学科で開講される科目内の有機化学関連科目群(有機化学1〜4,同演習1バイオ材料化学,機器分析等)を履修していることが望ましいが,単位取得していることが条件ではない |
テキスト・教科書 |
特定の書籍を教科書として用いることは行わない予定であるが, 用いる課題のいくつかは,ボルハルト・ショア 現代有機化学第6版(主に下巻,化学同人)の問題を(番号で)指定する |
参考書 |
(1) 有機反応論,加納 航治 著,三共出版;ISBN 978-4-7827-0525-4 C3043,B5・266頁 (2) 有機電子論解説〔第4版〕有機化学の基礎,井本 稔 著,東京化学同人;ISBN 9784807903382, 408頁 |
成績評価の方法 |
期末試験により評価する。各回できるだけ小テストを実施する。小テストの結果は特別に考慮すべき事情がない限り成績には反映させない。受講者の理解度によっては中間試験を行うこともありうる。 |
教員から一言 |
有機化学は暗記の科目ではない。 有機材料化学科の有機化学系科目の総復習とともに,履修した範囲の有機化学体系の俯瞰的な視点を養って欲しい。有機化学の大系が,比較的少ない基本・指導原理で説明できることを自らの頭と手で確認して欲しい。 有機化学で納得できる成績の取れなかった学生,有機化学の学習に行き詰まった感覚を有する学生に積極的に参加して欲しい。 |
キーワード |
有機化学,有機反応,置換,付加,脱離,ラジカル反応,イオン反応,分子構造,分子軌道法,共有結合 |
オフィスアワー |
オフィスアワー:講義開講日の12時〜13時の1時間程度;その他の時間帯での質問等を希望する場合はアポイントメント(電話,つながらないときに限り電子メール)を行ってから来室することを勧める(いずれも,原則として授業出席者) |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
英語 |
更新日付 |
2019/02/26 13:54:37 |