科目名[英文名]
波動物理   [Physics of Waves]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 023607
責任教員 [ローマ字表記]
箕田 弘喜   [MINODA Hiroki]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
光、X線などの電磁波だけでなく、量子力学で学ぶようにミクロな粒子である電子もSchrodinger方程式に従う波動である。波動は、干渉や回折を起こす特徴をもっている。本講義では、光の干渉・回折といった身近な例から出発して、結晶によるX線や電子の回折現象へと展開する。
結晶による複雑な波の回折現象を系統的に取り扱うために、数学的なツールであるフーリエ級数展開やフーリエ変換についても復習する。
また、X線回折や電子回折はオングストローム程度のスケールのミクロな構造を観察する重要な手法であり、その延長として、固体中の電子の運動の記述(エネルギーバンド)まで取り扱う。
学科専門科目の専門科目Ⅲに区分される選択科目である。
到達基準
フーリエ級数展開やフーリエ変換を用いる結果として、逆格子空間(k空間)の概念をを理解し、実空間の周期構造とそれと等価な逆格子空間を直感的に結びつけることができる。
本科目のディプロマ・ポリシーの観点:
履修案内のカリキュラムマップを参照してください。
授業内容
1回目 波動物理の概要について
2回目 光の回折の復習
   ホイヘンスの原理の数学的定式化
3回目 Fresnel回折,Fraunhofer回折、各種スリットによる回折
4回目 フーリエ級数の復習と相関係数
5回目 フーリエ変換とその物理的意味
6回目 散乱振幅について
7回目 X線回折とフーリエ変換
8回目 周期構造における回折強度の意味と様々な結晶構造Ⅰ
9回目 周期構造における回折強度の意味と様々な結晶構造Ⅱ
10回目 エワルトの作図と逆格子の概念
11回目 結晶構造解析と回折
12回目 周期構造を持つ固体中の電子波、ブロッホの定理
13回目 固体中の電子(自由電子近似)
14回目 固体中の電子(強い束縛近似)
15回目 まとめ、定期試験
履修条件・関連項目
学科専門科目の専門科目Ⅲに区分される選択科目である。
回折現象は結晶構造の評価に広く利用されており、構造の理解は物性の理解には不可欠であることから、材料系の研究室に進む希望の学生には受講を薦めます。
授業時間30 時間に加え、配布した講義資料を参照し、本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
講義資料を用いる。
参考書
本講義を総合的に取り扱った参考書はない。
回折現象の理解のためには、X線回折た電子回折の各種参考書を、
後半の固体物理については、固体物理の各種参考書を利用してください。
成績評価の方法
期末試験の成績、および課題の実施状況について採点し、得られた点数を概ね7:3の割合で考慮して授業の理解度を総合的に判断して成績評価する。
教員から一言
光などの電磁波や電子波を利用して物質の性質を調べる方法の1つとして回折があります。この授業では、回折現象を中心に、その考え方を解説します。
キーワード
オフィスアワー
質問は随時受け付けます。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
語学学習科目
更新日付
2019/04/25 15:39:46