科目名[英文名]
フォトニクス   [Photonics]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 023608
責任教員 [ローマ字表記]
室尾 和之   [MUROO Kazuyuki]
所属 工学部 研究室 4号館532号室  メールアドレス

概要
現代のフォトニクスは「光学」と「レーザー科学」を基礎に、めざましい発展をとげている。光技術は各種画像作成・記録、とともに高集積回路作製、光情報記録、光通信など現代の先端技術に広く応用されている。本講義は主として「光学」であり、幾何光学および波動光学を解説する。「波動物理」および「電磁気学I,II]で学んだ電磁波(光)に関する内容を基本として展開する。それぞれの基本原理とその発展を明らかにする。このような過程で、光の本性を理解することに重点を置き、物理的意味を明確にする。幾何光学は、光を光線で表し、媒質中の光の経路を求るものである。、直感的描像を得ることが容易で、また実用的にも重要である。波動光学は光の波動的性質に基く現象を扱う。ここで展開される考え方は光波のみに限らず、量子力学での物質波、固体中での励起状態などにも共通するのもである。
到達基準
光の性質について幾何光学と波動光学を通して理解し、説明できる。
本科目のディプロマ・ポリシーの観点:履修案内のカリキュラムマップを参照してください。
授業内容
I 幾何光学 (3回)
1.反射・屈折、 スネルの法則、 全反射;光の反射・屈折を例に、光線を定義。ついで幾何光学の基本原理、スネルの法則を説明する。
2.レンズ: 近軸近似による結像公式、組み合わせレンズ;結像を定義する。スネルの法則を用いて球面での屈折光の方向を導き、近軸近似のもとで結像すること、結像公式を示す。結像公式を用いて、各種のレンズ配置について結像を調べる。
3.レンズの性質:レンズを用いるうえで必要な特性を説明する。収差についても言及する。
II 波動(電磁)光学の基礎 (2回)
光学で必要となる、電磁波の性質について、主として講義「光・波動」を基に復習する。
1.電磁波:Maxwellから波動方程式、平面波
2.電磁波のエネルギー、光強度(Poynting Vector)
III 干渉 (3回)
1.2光束干渉:波の重ね合わせ、ヤングの干渉、マイケルソン干渉;「波の重ね合わせ」を説明し、その帰結として「干渉」を理解する。波動光学の基本原理となることを強調する。
2.多光束干渉:ファブリー・ペロー干渉計;1.で得られた干渉の概念を確認しながら、「多光束干渉」の特徴を理解する。
3.光共振器: ファブリー・ペロー型光共振器、共振器のQ;多光束干渉の応用としての光共振器を説明。さらに、境界のもとでの波動の形態という観点から検討する。
IV 回折 (4回)
1.ホイヘンスの原理:回折の直感的理解
2.Fraunhofer 回折:光波の重ね合わせから回折像を導く。
3.回折と分解能:回折による結像のぼけを説明。回折限界を認識する。量子力学での不確定性原理との対応について言及。
V 反射・屈折-Fresnelの公式 (2回)
1.境界条件:電磁波に対して境界の及ぼす影響を説明。
2.反射・屈折:境界条件のもとで電磁波の伝搬を考察し、Fresnelの公式を導く。
まとめ
期末試験
履修条件・関連項目
2年次までの数学および「電磁気学」,「振動・波動」の知識を基礎としている。量子エレクトロニクス(3年後期)は関連する一連の講義である。本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
テキストは指定しない。
参考書
Hecht 著「Optics,2nd Ed.」を推奨。また石黒浩三著「光学」(共立出版)、 久保田広「応用光学」(岩波全書)なども、それぞれ特徴のある参考書である。
成績評価の方法
幾何光学、波動光学、それぞれについて課題を出す。これらレポートと期末試験の成績をもとに評価する。レポート約25%、試験約75%の割合。
教員から一言
光学現象は日常的に体験できるものであり、光学技術は現代科学技術の諸分野で広く実用化されている。しかし、現代の学生は、光学理論を体系的に学習する機会には必ずしも恵まれてはいない。本講義では、光学を単なる古典的な理論体系としてではなく、現代科学技術の最先端につながるものとして取り上げる。
キーワード
幾何光学,レンズの結像,波動光学,光波,干渉・回折
オフィスアワー
月曜12:00-13:00(メールによる連絡可)
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/03/20 12:16:26