科目名[英文名]
量子力学概論   [Introduction to Quantum Dynamics]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 023703
責任教員 [ローマ字表記]
白樫 淳一   [SHIRAKASHI Junichi]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
量子力学は現代における工学や技術の基礎であり、近年著しい発展を遂げているナノエレクトロニクスや量子コンピュータの理解には必要不可欠な知識である。ここでは、量子力学の成り立ちからその定式化、更に特徴的なポテンシャル中での波動関数の振る舞いなどを通して、量子力学の基本的な考え方に習熟することを目的としている。
本科目は、実務経験のある教員による授業である。担当教員は国立研究所において研究開発業務に携わった経験を有する。授業では、大学での研究活動で必要とされる量子力学について、具体的な実例を交えつつ講義を行う。
到達基準
量子力学の本質やその世界観を理解し、量子力学的現象の説明や問題を解くことができるようになる。
授業内容
第1,2回
 量子力学のおこり:
 空洞輻射とエネルギー量子の導入、ボーアの原子模型の成立

第3,4回
 光の粒子性と波動性:
 ヤングの干渉実験、光電効果、コンプトン効果に見る光子、その量子論的粒子の特徴

第5,6回
 物質の波動性:
 物質波(ド・ブロイ波)の概念

第7,8回
 不確定性原理:
 「位置と運度量」、「エネルギーと時間」との間に存在する量子力学的関係

第9,10回
 シュレーディンガー方程式:
 波動関数、その複素平面波としての振る舞いと特徴

第11,12回
 井戸型ポテンシャルと量子力学の基礎概念:
 井戸型ポテンシャル中での波動関数の振る舞い

第13,14回
 1次元のポテンシャル:
 調和振動子とトンネル効果に見る、1次元ポテンシャル中での波動関数の振る舞い

第15回
 結晶中の電子:
 周期ポテンシャルでの波動関数から探るエネルギーバンド構造
履修条件・関連項目
微分積分学Ⅰ,Ⅱ、電気数学Ⅰ、物理学
テキスト・教科書
物理学スーパーラーニングシリーズ 量子力学、佐川弘幸・清水克多郎 著、シュプリンガー・フェアラーク東京
参考書
例えば、朝永振一郎の著作である、講談社学術文庫「鏡の中の物理学」、岩波文庫「量子力学と私」、みすず書房「量子力学的世界像」などは啓蒙的で面白い。
成績評価の方法
試験:80%、レポート:20%として、総合的に評価する。
教員から一言
量子力学で描写される世界は、我々の感覚的世界から大きくかけ離れているため、その独特な思考方法には戸惑いも多いかと思われる。これまでの常識や直接的な経験からは一歩離れ、量子力学の抽象的で不思議な世界に足を踏み入れて欲しい。
キーワード
粒子性と波動性,物質波,不確定性原理,シュレーディンガー方程式,トンネル効果
オフィスアワー
オフィスアワー:毎週金曜日16時30分〜18時30分
備考1
備考2
参照ホームページ
http://web.tuat.ac.jp/~nanotech/index.htm
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/05/31 20:57:50