科目名[英文名]
電子デバイスⅡ   [Electronic Devices Ⅱ]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 023722
責任教員 [ローマ字表記]
清水 大雅   [SHIMIZU Hiromasa]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
 電子デバイスの中で、光・画像・情報伝送・エネルギー変換を担う光電子デバイスは、電子デバイスとともにエレクトロニクス、エネルギー技術の柱をなすものであり、その役割はますます重要になっている。本講義では,光電現象に基づくさまざまな光デバイス、具体的には、発光ダイオード、半導体レーザ、フォトダイオード、光通信デバイス、太陽電池等の基本原理を解説し、それらの光電変換効率を決める要因について考察する。発光ダイオードは2014年のノーベル物理学賞の受賞対象となったデバイスである。青色発光ダイオードの初期の論文1編を講読し、研究の苦労と先見の明について勉強したい。
到達基準
 pn接合における少数キャリアの発生と再結合、直接遷移と間接遷移、光の反射/屈折/透過/吸収といった基礎を踏まえ、発光ダイオード、半導体レーザ、フォトダイオード、太陽電池の原理やそれらの変換効率を決める要因を理解できるようになる。
授業内容
第1回:講義の概要の説明と電子デバイスIの復習
空乏層、拡散電位、pn接合ダイオード、少数キャリア
第2回:過剰な少数キャリアの発生と再結合
キャリアのドリフトと拡散、擬フェルミ準位
第3回:半導体の光電効果
化合物半導体、直接遷移と間接遷移、光の吸収と反射
第4回:発光デバイス
自然放出と誘導放出、正味の誘導放出の条件
第5-6回:発光ダイオード
発光ダイオードの電流-電圧・光出力特性、発光効率(内部量子効率と外部量子効率)
第7回:半導体レーザ1
レーザ光と自然光の違い、反転分布、光のフィードバック、光導波、ダブルヘテロ構造
第8回:半導体レーザ2
電流-電圧・光出力特性、発光効率、レーザ発振の条件、ファブリペローレーザ
第9回:半導体レーザ3
レート方程式によるレーザの解析、半導体レーザの作製方法
第10回:フォトダイオード1
フォトキャリア、電流-電圧特性、感度と外部量子効率・波長依存性
第11回:フォトダイオード2
逆バイアス動作、等価回路と周波数特性、高速応答を得るには?、PINフォトダイオードとアバランシェフォトダイオード、
第12回:光通信とデバイス
光ファイバ、光伝搬の原理、伝搬損失
第13回:太陽電池1
太陽光のエネルギー密度と照射条件、太陽電池の構造、電流-電圧特性、効率、等価回路
第14回:太陽電池2
効率を決める要因、各種太陽電池
第15回:期末試験
履修条件・関連項目
 「電子デバイスI及び演習」の履修が必要である。関連科目として光エレクトロニクス、光工学がある。
テキスト・教科書
國岡、上村著「新版基礎半導体工学」(朝倉書店) (電子デバイスIの教科書を持参すること)
平田著「わかる半導体レーザの基礎と応用」(CQ出版社)
参考書
個別の事項についてさらに詳しく調べたい場合には、光物性工学、半導体材料、半導体レーザ工学、光通信工学、発光ダイオード、太陽電池の専門書を参照されたい。
例えば
「半導体レーザの基礎」(栖原敏明著、共立出版)
「太陽電池」(濱川圭弘編著、コロナ社)
「よくわかる太陽電池」(齋藤勝裕著、日本実業出版社)
成績評価の方法
毎回の演習レポートと出欠、期末試験の結果を総合的に評価して判定を行う。演習の解答を発表することを成績評価に加味する。
演習レポートの解答を解説した学生には成績評価時にボーナス点を加算する。
教員から一言
半導体デバイスの基礎、光と半導体との関わりの多様性と面白さ、応用の広さ、発展性を知ってほしい。特性の細部を暗記するのではなく、基本的考え方や動作原理を理解することに重点をおく。現象としてはなじみやすいが、本質的には難しい内容を含むことに注意。近年の省エネルギーに対する意識の高まりから発光ダイオードや太陽電池に注目が集まっている。本講義の履修後はこれらのデバイスに対する一般的な理解にとどまらず、基本的考え方を説明できるようになってほしい。
キーワード
半導体、光電効果、受光デバイス、発光デバイス、レーザ、光通信、太陽電池、変換効率
オフィスアワー
月曜日16:00〜18:00
備考1
備考2
参照ホームページ
http://www.tuat.ac.jp/~h-shmz/lecture.html に課題の解説を掲載
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/02/13 11:23:08