科目名[英文名]
情報工学特別講義(ユビキタス・システム工学)   [Dedicated Lecture on Information Engineering]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 025817
責任教員 [ローマ字表記]
藤波 香織   [FUJINAMI Kaori]
所属 生物システム応用科学府 研究室   メールアドレス

概要
「システム」という言葉は,コンピュータを用いたものにとどまらず,社会や組織の仕組み,宇宙,生態系,生物体内など,複数の要素がある目的のために秩序だって連係動作するあらゆる場面にあてはまります.人工物としてのシステムは近年大規模化・複雑化の一途を辿っています.そのような状況で闇雲に設計や開発に取りくむと目的不達成や機能不全などが生じるため,系統だった手法が求められます.

本講義ではこのような背景で生まれたシステム工学における様々な方法論,手法,ツールの背景や概要を理解し,研究や業務におけるシステム設計・開発に生かしたり,将来新たに生まれてくる新しい方法論を自ら理解する力をつけることを目的とします.また,様々なデバイスが生活空間に組み込まれて連携して動作することで,人々に情報環境との自然な相互作用をもたらすユビキタスコンピューティングについても解説します.

本講義では,少人数グループに分かれたグループワークを行います.

本科目は実務経験のある教員による授業科目である.担当教員は企業においてソフトウェア開発に直接関わっており,企業における実例を示して講義を行う.
到達基準
・システムの定義を説明できる.
・目的,目標,問題,課題の違いを説明できる.
・代表的な問題解決プロセスを説明できる.
・要求分析手法を説明できる.
・モデル化の意義と代表的な手法を説明できる.
・代表的な発想支援法を説明できる.
・代表的な問題構造分析法を説明できる.
・代表的な代替案作成・評価法を説明できる.
・代表的なシステムの高信頼化手法について説明できる.
・ユビキタスコンピューティングの考え方と要素技術・周辺技術を説明できる.
本科目は工学部ディプロマポリシーの観点(B)に該当する.
授業内容
第1回:システム工学の必要性.問題の定義.
第2回:ユビキタスコンピューティングの概要
第3回:代替案の評価・選択(1)
第4回:代替案の評価・選択(2).レポート課題.
第5回:システムのライフサイクルと問題解決のためのプロセス
第6回:問題構造を把握するための手法(KJ法).ブレインストーミング演習(1)(グループワーク)
第7回:ブレインストーミング演習(2)
第8回:前半のまとめ.中間試験.
第9回:問題構造を把握するための手法(ISM).
第10回:システム化の要求抽出.演習(グループワーク)
第11回:ニーズの抽出と分析.演習(グループワーク)
第12回:高信頼システム構築
第13回:位置計測・位置情報の基礎
第13回:位置計測・位置情報の応用
第15回:後半のまとめ.定期試験.
なお,実施の順番は前後することがある.変更がある場合は随時指示をする.
履修条件・関連項目
授業時間30時間に加え,配布した講義資料や参考書を参照し,本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと.
テキスト・教科書
プリントを使用する.
参考書
・池田將明 著;システムズアプローチによる問題解決の方法:システム工学入門,森北出版株式会社.
・井上雅裕,陣新開,長谷川浩志 著;システム工学 問題発見・解決の方法,オーム社.
・高橋,丸山著;情報工学レクチャーシリーズ:ソフトウェア工学,森北出版.
・松本著;ソフトウェア工学 オブジェクト指向・UML・プロジェクト管理,森北出版.
成績評価の方法
中間試験:期末試験:レポート:平常点=40%:40%:10%:10%
平常点として,主体的な授業参加態度を評価します.
教員から一言
「システム開発=プログラミング」と思っている人も多いと思いますが,プログラミングは開発プロセスの中のほんの一部に過ぎません.また,コンピュータシステムを対象としているものの,ソフトウェア開発には人間的要素が多く含まれてきます.IT産業に将来携わる予定の人にとっては,自分の立ち位置を認識する助けになると思います.
キーワード
システム,問題解決,モデル化,代替案選択,問題構造分析,発想支援,ユビキタスコンピューティング
オフィスアワー
オフィスアワーは月曜日の10:00-12:00.その他教員が在室していれば,質問等随時対応する.e-mailでの質問も可能である.
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/06/04 15:18:53