科目名[英文名]
天敵微生物学特論   [Advanced Microbiology of Entomopathogens]
区分 専門分野科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 22  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 05MC5417
責任教員 [ローマ字表記]
仲井 まどか, 佐藤 大樹   [NAKAI Madoka, SATOU Hiroki]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
昆虫に致命的な病気を起こす微生物(天敵微生物)のうち、菌類(カビ・キノコ)、細菌、ウイルスについて、病理学、病原学および害虫防除への利用について微生物農薬開発の体験を交えて講義する。昆虫の天敵微生物についての正しい知識を身につけ、新たな知見を得るための研究手法について習得する。
前半は、昆虫病原糸状菌について森林総合研究所の佐藤大樹先生が担当する。昆虫の糸状菌(カビ)を用いた防除に関する研究や実例を学ぶ。菌類による昆虫の病気について理解し、興味を持ってもらうことを目標とする。後半は、天敵微生物学の概要と昆虫ウイルスの研究について仲井まどか先生が講義する。天敵ウイルスの宿主制御機構についての最新知見を提供し、天敵微生物の進化戦略を学び理解する。
到達基準
佐藤先生担当
1. 昆虫に病気を起こす3つの主要なグループの菌類について述べられること。
2. 菌類によって病死した昆虫を診断できること。
3. 菌類を他の病原微生物と比較したときの特徴、それを害虫防除に利用する上での長所短所を説明できること。

仲井先生担当
1. 宿主と病原体の相互作用について理解する。
2. 昆虫ウイルスの進化と分類について理解する。
3. 天敵微生物の基礎的知識について説明できること。
4. 宿主と病原体の相互作用についての研究を理解し、その意義を語り議論できるようになる。


本科目のディプロマ・ポリシーの観点:本学HP(三つのポリシー)のカリキュラムマップを参照してください。
https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/
授業内容
概論 菌類の分類と昆虫病原性糸状菌の位置づけ
概論 昆虫の糸状菌病の感染過程と昆虫の防御
概論 昆虫病原性糸状菌の生理・生態
各論 昆虫疫病菌類について、主な種の特徴と生活環
各論 冬虫夏草類について、主な種の特徴と生活環
各論 硬化病菌類について、主な種の特徴と生活環
各論 菌類と昆虫・その他の生物との関係の多様性
害虫防除における微生物的防除法の長所・短所
他の病原微生物と比較した糸状菌の防除手段としての特徴
微生物的防除への糸状菌の利用の実例
菌で死んだ昆虫を探そう!! 野外昆虫の糸状菌による病死体の探索・採集、分離

仲井まどか先生 
昆虫病原微生物の概要と分類
昆虫病原微生物の分離法および診断法
昆虫ウイルスの感染過程
昆虫ウイルスのゲノム構造と遺伝子発現1
昆虫ウイルスのゲノム構造と遺伝子発現2
遺伝子組換えウイルスの開発と利用
微生物的防除の現状と課題1
微生物的防除の現状と課題2
履修条件・関連項目
予習・復習を含めた必要な学習時間は、本学の標準時間数に準ずる。
関連項目 微生物学、天敵微生物学、バイオロジカルコントロール
テキスト・教科書
仲井まどか他「バイオロジカル・コントロール」朝倉書店、
配布資料あり
参考書
国見裕久他「最新 昆虫病理学」講談社、
福原敏彦「昆虫病理学」学会出版センター、
三橋淳編「昆虫学大事典」朝倉書店、
青木襄児「改訂 昆虫病原菌の検索」全国農村教育協会
国立科学博物館編「菌類のふしぎ-形とはたらきの驚異の多様性-」東海大学出版部
成績評価の方法
佐藤先生:最終レポートを100%として評価する。
仲井先生:質問カードの記述とレポートを8:2の割合で評価する。
両教員の評価をそれぞれ1:1として総合評価する。
教員から一言
佐藤先生より「昆虫病原菌はかなり身近です。その美しく不思議な世界を見てみましょう。」
仲井先生より「宿主に対する微生物の適応戦略に興味を持って頂ければと思います」
キーワード
昆虫病理学,菌学,微生物的防除,森林保護,微生物生態、バイオロジカルコントロール
オフィスアワー
佐藤先生は、非常勤講師ですので直接の意見・質問等は、授業時間前後に仲井先生の部屋(2-415)においで下さい。メールは随時可です(hirokis@ffpri.affrc.go.jp)。仲井先生への質問は、オフィスアワーは、水曜日12時から13時まで研究室2-415に来て質問してください。メールでの質問も受け付けます。madoka@cc.tuat.ac.jpまで連絡下さい。
備考1
佐藤先生の集中講義は10月から11月まで
仲井先生の講義は11月1日から時間割り通りに毎週開講します。
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/03/05 11:54:02