科目名[英文名] | |||||
自然環境資源学特論Ⅹ [Special Lecture on Environmental Science and Natural ResourcesⅩ] | |||||
区分 | 選択必修 | 単位数 | 2 | ||
対象学科等 | 対象年次 | 1~1 | 開講時期 | 3学期 | |
授業形態 | 3学期 | 時間割番号 | 05nc0024 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
加用 千裕, 鈴木 聡, 平原 俊 [KAYO Chihiro, SUZUKI Satoshi, HIRAHARA Suguru] | |||||
所属 | 農学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
自然環境保全学における基礎的および応用的な研究から知見を得るため,学外の2名の研究者による特別講義を行います.本科目は,自然環境資源コースの専門科目に位置づけられています.本年度は,(1)鈴木聡氏,(2)平原俊氏による講義を行います. (1)については,野生動物の多様性を,生態学,生物地理学,形態学等の多様な視点から学ぶことで,生物多様性保全に関する問題を発見するための方法論を習得してもらうことを目的とします. (2)については,地域に固有の資源を社会のなかで適切に保全・管理・利用していくための実践的な手法を学ぶことを目的とします. |
到達基準 |
(1)生物多様性を理解・把握するための多様なアプローチ方法を学び,自分の関心のある材料について,それらの手法を取り入れた研究計画を立案できるようになる. (2)自らが専門とする学術的知見を地域社会のなかで活用することに関心を持ち,実践的なアイディアについて想像できるようになる. 本科目のディプロマ・ポリシーの観点: 本学HP三つのポリシーのカリキュラムマップを参照して下さい. URL: https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/ |
授業内容 |
第1回 ガイダンス,授業全体の説明 (1)鈴木聡 第2回 授業オリエンテーションおよび生物多様性の基礎 1) 授業のアウトラインおよび評価方法の説明 2) 生物多様性の基礎 3) 食肉目の多様性 第3回 プレゼン実習 1) 自分の研究紹介(5分間プレゼン)*全員必修 2) 他人のプレゼン評価 第4回 生物多様性への脅威 1) レッドリスト・レッドデータブック 2) 外来種問題 3) 事例紹介:日本におけるイタチ類の種間関係 第5回 生物地理学的視点からの多様性 1) 島嶼生態系と哺乳類の進化 2) 事例紹介:イタチ科の地理的変異 第6回 標本から読み取る生物多様性 1) 生物多様性を把握する方法 2) 生物多様性保全における研究機関の役割 第7回 標本計測・分析実習 (1) 1) 標本を用いた研究の紹介 2) 標本計測実習 第8回 標本計測・分析実習 (2) 1) データ分析 2) グループディスカッションおよびプレゼン 3) レポート作成についてのガイダンス (2)平原俊 第9回 地域資源管理とは 1) 管理の対象 2) 管理の担い手 3) 管理の仕組み 第10回 自然保護運動 1) 概論(原生的自然の保護,里山保全運動) 2) 事例紹介(鎌倉広町緑地における開発反対運動) 第11回 NPOとボランティア 1) 概論(NPO,ボランティア,サードセクター) 2) 事例紹介(鎌倉広町緑地における指定管理者制度) 第12回 歴史的環境の保全 1) 概論(伝統的建造物群保存地区,歴史まちづくり,文化的景観) 2) 事例紹介(旧六合村における養蚕家屋群の保全) 第13回 都市と農山村の交流 1) 概論(農山村の動向,都市住民のレクリエーション) 2) 事例紹介(藤原地区における草原再生) 第14回 自然保護地域 1) 概論(世界遺産,国立公園,ユネスコエコパーク,ラムサール条約登録湿地) 2) 事例紹介(赤谷プロジェクト) 第15回 講義のまとめ |
履修条件・関連項目 |
専門科目に区分される選択科目です.授業時間30時間に加え,配布した講義資料や参考書を参照し,本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行って下さい. |
テキスト・教科書 |
講義資料を配布します. |
参考書 |
(1)予習および復習にご活用ください. 第2回 1. 増田隆一編 (2018) 日本の食肉類 生態系の頂点に立つ哺乳類 東京大学出版会. 2. 井田徹治 (2010) 生物多様性とは何か 岩波書店. 第4回 1. 鈴木 聡 (2013) 最近の福井市におけるイタチ類 (Mustela spp.) の生息記録. 福井市自然史博物館研究報告 60: 31-36. http://www.nature.museum.city.fukui.fukui.jp/shuppan/kenpou/60/60-31-36.pdf 2. 高桑正敏・勝山輝男・木場英久編 (2006) 神奈川県レッドデータ生物調査報告書2006. 神奈川県立生命の星・地球博物館. 3. 山田文雄・池田透・小倉剛 (2011) 日本の外来哺乳類 管理戦略と生態系保全 東京大学出版会. 第6回 1. 渡辺恭平 (2016) 生物多様性情報と地方自然史博物館. 日本生態学会誌 66: 247-252. https://www.jstage.jst.go.jp/article/seitai/66/1/66_247/_pdf (2)講義内容についてさらに知りたい場合参照してください(第9回〜第15回). 井上 真・宮内泰介編『コモンズの社会学―森・川・海の資源共同管理を考える』新泉社,2001年 木平勇吉編『みどりの市民参加』日本林業調査会,2010年 宮内泰介編『なぜ環境保全はうまくいかないのか―現場から考える「順応的ガバナンス」の可能性』新泉社,2013年 |
成績評価の方法 |
(1)および(2)を各々50点満点で評価し,合計100点満点とします. (1)第3回に実施する5分間プレゼンテーションおよびレポートで評価します.配点は,プレゼン(25点),レポート(25点)の計50点とします. ・5分間プレゼンテーションの内容および評価点は以下のとおりです. 1) 発表内容(12点) 2) 発表態度(5点) 3) 質疑応答への参加(8点)※誰かの発表に必ず一人一つは質問してください. ・レポートは以下の内容とし,分量はA4で1枚程度です. 1) 博物館標本やデータベースを使った生物多様性に関する研究の計画を立案してください. 2) 提案には,i) 研究対象,ii) なぜその対象を選択したか,iii) 何を明らかにしたいか,iv) 研究方法の4点を含む内容にしてください. (2)第9回〜第15回の内容を踏まえたレポートで評価します.課題は講義中に提示します. |
教員から一言 |
キーワード |
(1)生物多様性, 自然史博物館,(2)自然資源管理,ガバナンス,市民参加 |
オフィスアワー |
担当教員に問い合わせて下さい. |
備考1 |
第6〜8回は学外で実施します. 実施場所:神奈川県立生命の星・地球博物館(神奈川県小田原市入生田499 箱根登山鉄道鉄道線入生田駅から徒歩5分) |
備考2 |
参照ホームページ |
http://www.nature.museum.city.fukui.fukui.jp/shuppan/kenpou/60/60-31-36.pdf https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvms/75/5/75_12-0480/_article/-char/ja https://www.jstage.jst.go.jp/article/seitai/66/1/66_247/_pdf |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2019/08/13 11:42:13 |