科目名[英文名]
科学特論Ⅰ   [Science: Special Lecture Ⅰ]
区分 共通科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 1060003
責任教員 [ローマ字表記]
任 利   [NIN Ri]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
日本語のバリエーションを社会とのかかわりからとらえる学問的方法を学ぶ。日本の社会言語学は、方言学・言語生活という研究分野で進められてきた。この授業ではその流れをふまえながら、使用者の属性・使用場面、言語行動、言語生活、言語接触、言語変化、言語意識などの観点から日本語の様相を概観すると同時に、社会生活においてことばがどのように使用されているかについて、具体的にとらえる方法を学ぶ。

到達基準
(1)社会言語学・方言学・言語生活研究で用いられる各種の用語を説明できる。
(2)使用者の属性・使用場面,言語行動,言語生活,言語接触,言語変化,言語意識などの観点から日本語の様相を説明できる。
(3)社会との関わりにおける言語問題を説明できる。

履修案内のカリキュラムマップを参照してください。
授業内容
第1回目:(1)ガイダンス(授業の進め方,事前学習の方法,試験内容の予告,成績評価の方法など)
(2)社会言語学とは(キーワード:社会言語学の研究対象,問題のありか)
第2回目:言語変種1 属性とことば
(キーワード:言語変異,地域差,階層差,性差,年齢差,若者語,集団語)
第3回目:言語変種2 場面とことば
(キーワード:場面,待遇表現,書きことば,話しことば,スタイル)
第4回目:言語行動
(キーワード:発話行為,言外の意味,会話の順番取り,あいづち,異文化間コミュニケーション,スタイル切り替え,注意度,アコモデーション,わきまえ,ポライトネス)
第5回目:言語生活1 生活とことば
(キーワード:言語生活,ことばの4技能,24時間調査,挨拶,非言語行動)
第6回目:言語生活2 民俗社会とことば
(キーワード:民俗語彙,性向語彙,親族語彙,待遇行動)
第7回目:言語接触
(キーワード:方言習得,標準語化,ネオ方言,コイネー,分析化,接触の類型)
第8回目:言語変化1 音の変化
(キーワード:音声,音韻,アクセント,「見かけの時間」の言語変化,「実時間」の言語変化,過剰訂正,標準語化)
第9回目:言語変化2 文法・語彙の変化
(キーワード:文法,語彙,類推,威信,段階的変化,新方言,ら抜きことば,文法化)
第10回目:言語意識1 ことばのイメージ
(キーワード:方言イメージ,方言認知地図,ステレオタイプ,役割語)
第11回目:言語意識2 ことばとアイデンティティ(1)
(キーワード:アイデンティティ,属性意識,言語・方言維持,言語・方言選択,継承語)
第12回目:言語意識3 ことばとアイデンティティ(2)
(キーワード:言語・方言維持,言語・方言選択,継承語)
第13回目:言語習得(1)
(キーワード:喃語,音声の発達,文法の発達,語彙の発達,汎用,過剰一般化)
第14回目:言語習得(2)
(キーワード:育児語,母語の役割,普遍性,バリエーション,言語喪失)
第15回目:授業のまとめ
履修条件・関連項目
本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
moodleで毎回資料を配布します。
参考書
(1)真田信治他著『社会言語学』おうふう社(¥2,205)(1992年11月)
(2)ダニエル・ロング他編『応用社会言語学を学ぶ人のために』世界思想社(¥1,680)(2001年9月)
(3)任利著『女ことばは女が使うのかしらーことばにみる性差の様相』ひつじ書房(¥2,800)(2009年12月)
成績評価の方法
授業では、毎回必ず出席をとる。学期末レポートの得点を70%、出席状況や学習態度(予習の有無、問題演習や宿題への取り組みなど)に基づき平常点を30%とし、総合的に評価する。なお、授業に5回以上欠席した者は期末試験の受験資格を失い、無条件にD評価となる。また、受講態度が著しく悪い者(毎回居眠りする、私語が甚だしい、等)も、期末試験受験資格を失う。
教員から一言
マナーに気をつけよう。授業中は、飲食は禁止。携帯電話の電源は切ること。予習復習、宿題をきちんとやること。
キーワード
社会言語学・言語変種・言語変化・言語意識・言語習得
オフィスアワー
質問など、E-mail:ninri@cc.tuat.ac.jp
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/03/20 15:19:18