| 科目名[英文名] | |||||
| 量子光学 [Quantum Optics] | |||||
| 区分 | 前期課程科目 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
| 対象学科等 | 対象年次 | ～ | 開講時期 | 3学期 | |
| 授業形態 | 3学期 | 時間割番号 | 1060403 | ||
| 責任教員 [ローマ字表記] | |||||
| 室尾 和之 [MUROO Kazuyuki] | |||||
| 所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス | ||
| 概要 |
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光と物質の相互作用は、光の吸収・放出から各種非線形光学現象において最も基本となる課題であり、分光学、光物性、レーザー物理など光科学の基礎である。本講義は学部で学習した「波動物理」「電磁気学」「量子力学」を基本とし、それらを統合、発展させる。それをもとに個々の原子と光との相互作用とともに、集団としての振る舞い、すなわちコヒーレントな性質を明確にする。このような性質は光励起ばかりでなく、各種励起状態に共通する概念であり、レーザー物理だけでなく、近年物性物理の各分野で注目されている。 本講義では、前半では古典的なモデル＝振動双極子による分散理論、および量子論に始まり、半古典論、すなわち、物質を量子力学で、光は古典的電磁波として扱い、物質中に生成する振動双極子の実体、それによる光学現象を時間依存の摂動を用いて解説する。後半では光を量子力学的に取扱い、前半の半古典論で扱った内容をの完全な量子力学の下に解説する。 |
| 到達基準 |
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古典モデル、半古典論、量子力学の3つの理論的取扱いを通して光の性質を理解し、説明できる。 本科目のディプロマ・ポリシーの観点：履修案内のカリキュラムマップを参照してください。 |
| 授業内容 |
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第１回：序論 本講義の目的、概要、位置づけ、講義の進め方 第２回：導入 電磁波の放射とEinsteinの輻射則 第３回：振動双極子モデル 物質中を伝搬する電磁波の電磁気学的扱い、外部振動電場による強制振動、振動子による分極、複素誘電率とその意味、共鳴効果。 第４回：電磁波の伝搬 複素誘電率と伝搬定数、電磁波の吸収分散、双極子と電磁波とのエネルギーの授受、振動双極子集団の振る舞い 第５回：コヒーレントな電磁場で励起された双極子集団 双極子集団の吸収・放出、双極子集団からの電磁波の放射、双極子層を伝搬する電磁波：吸収・分散の再考、Einstein輻射則との関係 第６回：光・物質の相互作用の量子論（半古典論） 時間依存の摂動、時間変化する系のSchrodinger 方程式、光と物質の相互作用－摂動、逐次近似による解、厳密解 第７回：吸収・放出過程 分極の期待値；振動双極子モデルとの関係、吸収・放出過程、ラビ振動、緩和過程の導入 第８回：電磁場の量子化とはなにか 半古典論から完全な量子論への移行 第９回：ベクトルポテンシャルとクーロンゲージ 電磁場におけるベクトルポテンシャルとクーロンゲージ 第１０回：波動とモード、調和振動子 波動とフーリエ変換、調和振動子との等価性、モードとは 第１１回：調和振動子の量子化 調和振動子の量子化の手法：代数的方法 第１２回：生成演算子、消滅演算子、数演算子の代数的性質 生成演算子、消滅演算子の代数的性質を用いた調和振動子の量子化 第１３回：調和振動子から量子化された電磁波へ 量子化された調和振動子から量子化された波動（電磁波）への展開 第１４回：フォック状態とその性質 量子化された電磁波の固有状態と固有エネルギー：フォック状態 第１５回：原子と光の相互作用の量子力学 Einsteinの輻射則（A係数B係数）の量子力学的導出と原子―光相互作用の量子論 |
| 履修条件・関連項目 |
| 学部においては電磁気学、振動・波動、フォトニクス、量子力学、量子エレクトロニクス等を履修していることが望ましい。本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。 |
| テキスト・教科書 |
| 教科書は指定しない。 |
| 参考書 |
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R. Loudon, The Quantum Theory of Light, Clarendon Press. A. Corney, Atomic and Laser Spectroscopy, Clarendon Press. J.N.Dodd, Atoms and Light Interaction, Plenum Press. 霜田光一，レーザー物理入門，岩波書店 山本学, プラズマの分光計測，学会出版センター |
| 成績評価の方法 |
| ５回のレポート課題および最終レポート（80%）および平常点（20%）を基に評価する |
| 教員から一言 |
| 本講義は力学、量子力学、電磁気学の応用と見なすこともできる。基礎を再確認するとともに、いかなる道筋を通ってより高度の概念に至るかを把握して欲しい。 |
| キーワード |
| 光と物質の相互作用 古典論（振動双極子） 量子論（双極子近似摂動） 第2量子化（場の量子化） |
| オフィスアワー |
| 月曜１２：００－１３：００（メールによる連絡可） |
| 備考１ |
| 備考２ |
| 参照ホームページ |
| 開講言語 |
| 日本語 |
| 語学学習科目 |
| 更新日付 |
| 2019/03/20 13:09:51 |