科目名[英文名]
産業技術安全学   [Industrial Safety Management]
区分 専門職学位課程科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 1060809
責任教員 [ローマ字表記]
北原 義典   [KITAHARA Yoshinori]
所属 工学府 研究室   メールアドレス

概要
事故や災害は、組織のみならず、個人、社会、ステークホルダー等に多大な損害を与える。科学技術者は、技術者倫理に基づき、各分野のおける技術リスクを把握し、ヒューマンエラー、システム・機械故障等による事故や災害を未然に防ぎ、また、事故が起こっても適切に対処しなければならない。本講義では、組織人として、研究者として、技術者として、産業活動の背後に潜むリスク要因を把握し、それらを効果的にマネジメントする具体的スキルを学ぶ。本科目は、実務経験のある教員による授業科目である。
到達基準
(1)産業技術に関わるリスク及びその管理手法を体系的に理解し、管理行動をとれるようになる
(2)過去に起こった実事例から、リスク要因を見出す能力を身につけることができる
(3)事故や災害の未然防止及び対策に関する具体的スキルを習得することができる

本科目のディプロマ・ポリシーの観点:履修案内のカリキュラムマップを参照のこと。
授業内容
【モジュール1】
第1回  ヒューマンエラーⅠ
      ヒューマンエラーを知覚、認知、社会行動等、ユーザ側要因の観点から学ぶ
第2回  ヒューマンエラーⅡ
      精神論ではなく、工学的・科学的観点に基づくヒューマンエラーの予防的・対処的
      対策について考える
第3回  大学・企業の社会的責任と安全
      大学・企業の社会的責任とは何か、リスクとは何かについて学ぶ

【モジュール2】
第4回  リスクマネジメント
      リスクマネジメントの重要性や、危機発生時の行動をはじめとする
      マネジメントスキルを習得する
第5回  リスクアセスメント
      リスクの洗い出し、分析、評価手法について学ぶ
 
【モジュール3】
第6回  機械・システム産業技術と安全性
      フォールトアボイダンスやフォールトトレランス、インタロック機構など
      安全性・信頼性向上のための設計はじめ、産業機械・システムに対する
      安全実現手法について考える
第7回  応用化学産業技術と安全性
      正しい実験方法、薬品管理方法、廃液処理法、保護具の使用法はじめ、
      応用化学産業技術に対する安全実現手法について考える。また、
      化学プラントの安全性についても議論する
第8回  TRIZによるリスク対策
      技術問題解決支援手法であるTRIZを用いて事故対策を行う手法を習得する
第9回  バイオ産業技術と安全性
      バイオ実験作業原則、防護用具の使い方、バイオリスクマネジメントはじめ、
      バイオ産業技術に対する安全実現手法について考える。また、生体計測と
      安全性についても議論する
第10回 情報処理産業技術と安全性
      ロバスト設計、セキュリティ対策、GUIヒューマンエラー低減設計はじめ、
      情報処理産業技術に対する安全実現手法について考える
第11回 放射性物質と安全性
      原子力発電プラントの事故事例から、原子力発電の安全性について考える

【モジュール4】
第12回 生産現場における異常管理とリスク管理
      生産現場における異常の信号に対して感度を上げ事故を未然に防ぐ
      異常管理の鉄則やQC7つ道具など、現場での具体的異常管理手法を学ぶ
第13回 安全文化の醸成
      リスク感度を高めるための安全文化の醸成や教育について考える
第14回 災害・環境リスク、技術安全学における諸課題
      技術リスク管理に関して残されている諸課題について考える
第15回 レポート発表
      産業技術安全学に関する各自のレポート発表を行なう
履修条件・関連項目
倫理教育が意識付けであるのに対し、安全学は実践スキルとして位置づけられる基盤科目であり、前期の技術者倫理とセットで履修されることを推奨する。特に、将来、企業の研究開発部門や製造部門に進む者、また、現在企業の研究開発部門や製造部門に勤務する社会人学生は極力履修されたい。授業時間に加えて本学の標準時間数に準ずる予習・復習を行うこと。
テキスト・教科書
moodleにアップされた資料を書き込みテキストとして使用するので、毎回印刷し必ず持参すること
参考書
東京海上リスクコンサルティング株式会社「リスクマネジメント」 秀和システム
中村昌允「安全工学の考え方と実践」 オーム社  など
成績評価の方法
授業の取り組み姿勢及びレポート発表の内容をもとに、5段階(S,A,B,C,D)で評価する。内訳は授業の取り組み20%、レポート発表80%。ただし、出席率が70%以上であることが評価前提条件となる。
教員から一言
昨今、大学の実験室でも事故が少なからず発生しています。本講義で、科学技術者がもつべき安全管理スキルをぜひ身につけてください。飽きない授業を目指しています。
キーワード
技術リスク、リスク管理、安全学、安全工学、事故、災害、倫理
オフィスアワー
火曜11:00〜16:00、水曜13:00〜19:00、金11:00〜17:00、土12:30〜16:30 。 事前にメールにてご連絡ください。
備考1
備考2
参照ホームページ
http://web.tuat.ac.jp/~ykita/
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/03/22 14:01:36