科目名[英文名]
技術企業経営戦略論   [Strategy and Management of Technology Corporations]
区分 専門職学位課程科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 1060812
責任教員 [ローマ字表記]
林田 英樹   [HAYASHIDA Hideki]
所属 工学府 研究室   メールアドレス

概要
経営戦略は企業戦略と事業戦略に区別される一方で、機能別に細分化されます。技術戦略はその一部であり、製造業等にあっては持続的な競争優位の確立と維持の点で最優先される戦略です。技術戦略は、技術開発及びその利用に関する企業の姿勢であり、かつ、技術の影響力はビジネスプロセス全体に関係するので、単に技術開発レベルではなく、広い視野で考える必要があります。
創出された技術が事業として結実していくためには、技術を着実に企業価値へ変換する経営戦略と整合性を持った技術戦略を必要とし、その構築と実施をどのように行うかが課題です。
本コースは、様々な企業戦略ケースを使い、経営戦略、事業戦略、技術戦略を考察する。
尚、本科目は、経営/事業戦略立案と実行の実務経験のある教員による授業科目である。
到達基準
知識・理解の観点
・経営戦略論と技術戦略の関連性に関して説明できる。
・技術戦略と環境分析の関係を理解し、環境分析が出来る。
・技術戦略の構築と実施プロセス関して、理解し、説明できる。
・技術戦略の評価と展開に関して理解して、説明が出来る。
思考・判断の観点
・経営戦略、技術戦略の知識、フレームワークを使用して、現実のビジネスにおける、経営戦略、技術戦略上の課題、問題点を多面的に分析して、説明できる。
関心・意欲の観点
・技術戦略の知識、フレームワークを適応して、企業または組織が直面している技術戦略上の課題、問題点を分析して、解決策を提案できる。
態度の観点
・クラス討論への目的意識と論理性を持った発言。
技能・表現の観点
・技術戦略の基本的知識、ツール、フレームワークを適切に、効果的に報告書や発言に取り入れることが出来る。
履修案内のカリキュラムマップを参考にして下さい。
授業内容
1)経営戦略と企業環境に関わる課題を理解した上で、技術戦略の構築と実施に関して、必要な知識、フレームワーク、ツール等々をケーススタディーと関連付けながら解説し、議論します。
経営戦略と技術戦略:競争優位性の確立と維持に関する技術戦略技術戦略と環境分析:将来の不確実な事業環境を分析し、技術戦略の対象課題を明確にする。
技術戦略の構築と実施:対象課題に対して技術戦略を構築して実施する。
技術戦略の評価:技術戦略を様々な観点で評価する。
技術戦略の展開:技術戦略を様々な方法で展開する。

2)講義を通じて取得した知識、フレームワーク、ツール等を基本として、ケースとして取り上げる企業が抱えている技術戦略上の課題、諸問題を取り上げて分析、議論し、解決方法を探ります。


第01回 10/05  ガイダンス、授業の進め方     [キーワード]経営戦略、事業戦略、技術戦略、   
第02回 10/12  技術経営の基礎理論(1)      [キーワード]事業環境分析、技術革新のモデル、   ケース分析:日亜化学
第03回 10/19  技術経営の基礎理論(2)      [キーワード]競争ドメイン、バリューチェーン    ケース分析:キュービーネット
第04回 10/26  技術戦略(1)             [キーワード]経営戦略と技術戦略、技術ロードマップ ケース分析:日本ゼオン
第05回 10/26  技術戦略(2)            [キーワード]知財、アライアンス          ケース分析 東洋紡
第06回 11/02  ケースグループ発表 & ケースレポート提出
第07回 11/09  新規事業創出戦略(1)      [キーワード]製品開発プロセス、オープンイノベーション  ケース分析:オムロン       
第08回 11/16   新規事業創出戦略(2)      [キーワード]組織構造、社内起業家              ケース分析:ヤマト運輸 
第09回 11/23  新規事業創出戦略 (3)      [キーワード]ビジネスモデル、ビジネス・エコシステム ケース分析:IBM/Intel
第10回 11/30  技術マーケティング戦略
         :顧客価値創造         [キーワード]4つのステージの考え方             ケース分析 コマツ     
第11回 12/07  技術マーケティング戦略
         :コア技術戦略          [キーワード]コアコンピタンス、RBV             ケース分析 キャノン
         ケースレポート提出    
第12回 12/14  技術マーケティング戦略     
         :市場イノベーション        [キーワード] プラットフォーム                 ケース分析 アップル  
第13回 12/21  研究開発プロジェクトマネジメント [キーワード]ステージゲート             ケース分析:三菱重工
第14回 01/11  M&Aとコーポレートベンチャリング [キーワード]ベンチャー、CVC             ケース分析 JT
        :期末レポート提出
第15回 01/25  まとめ、ケースグループ発表  [キーワード]技術経営全体のまとめ ケースグループ発表
履修条件・関連項目
授業時間30時間に加えて本学の標準時間数に準ずる予習・復習を行うこと。
毎回ビジネスケースを用いたクラス討論を中心に授業を進めます。従って、ケース分析の事前準備と討論への参加が必須です。
テキスト・教科書
教科書は使用しません。ケース教材は事前に配布します。
毎回の講義には事前課題図書・文献(必読)と参考資料があります。必読図書・文献は事前に読んでいることを前提に講義を行います。
必読図書・文献で書かれた内容はあくまでも授業の前提知識という位置づけになります。
講義ではこの前提知識をもとに独自に問題を設定し、受講者とともに解のない問いについて議論を深めていきた いと思っています。
各週に事前に読んで準備しておく課題図書の分量がかなりありますのでこのシラバスを読んだらできるだけ早いタイミングで予習の貯金をしておくことを強くお勧めします。
参考書
 本講義は実務やケース分析にとって有益だと考えられる主要な概念や理論モデルは取り上げる予定ですが、学説史や戦略ツールの体系的なレビューを直接の目的とするものではありま せん。これらに関心のある方々はミンツバーグ著(2012)『戦略サファリ 第二版』(東洋経済新報社)を参照してください。
<参考図書>
戦略経営論 ガース・サローナ他、石倉洋子訳 東洋経済新報社 2002年
戦略サファリ第2版 ヘンリーミンツバーグ著 齋藤嘉則監修 東洋経済新報社 2012 
経営分析入門 大津広一著 ダイヤモンド社 2013
ストーリーとしての競争戦略 楠木建著 東洋経済新報社 2010
ビジョナリーカンパニー ジェームズ・C・コリンズ著 山岡洋一訳 日経BP出版センター 1995
オープンイノベーション ヘンリー・チェスブロウ他著、長尾高弘訳 英治出版  2008
新版ブルー・オーシャン チャン・キム著 入山章栄訳 ダイヤモンド社 2015
ステージゲート法 クーパー著、英治出版 2012
JTのM&A 新貝康司著 日経BP社 2015
成績評価の方法
成績評価基準:(1)クラス討論(授業内での発言・参加度)50% (2)レポート25% (3)グループ発表25%を目安とします。
レポート評価基準: (1)授業内容理解度、(2)考察力、(3)実践応用力、(4)論述力、(5)作成努力
欠席が3回以上ある場合、レポートの提出が一つでも欠けた場合、の何れかに該当する場合は評価しない。
教員から一言
人は若き日に心に抱いた人物像へと近づいていくものだと思います。「夢は決して捨てずに。努力は少しも惜しまずに。」その日が必ずくることを信じ続けることが重要だと思います。
キーワード
オフィスアワー
随時受け付けます。 予めメール等で連絡下さい → hideki-hayashida@go.tuat.ac.jp
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/10/05 14:33:14