科目名[英文名]
知覚運動制御特論   [Perception and Motor control]
区分 後期専門科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 148306
責任教員 [ローマ字表記]
田中 秀幸   [TANAKA Hideyuki]
所属 工学部 研究室 12号館427号室  メールアドレス

概要
ヒトは進化の過程において,環境(物理的環境,生態的環境,文化的環境)に適応するように自らの形質を変化させつつ,固有の運動様式を獲得してきた.したがって,ヒトの「知覚と運動の特徴」を学ぶには,進化論的視点が不可欠である.
本講義では,ヒトの高次脳機能に焦点を当てながら,知覚運動制御のメカニズムについて講義する.進化・運動適応という視点から日常生活に見られる人間の運動行動の基本原理を学ぶことを目的としている.講義に関連して,感覚系-脳内情報処理系-運動系における情報の流れと役割に関する脳神経科学・実験心理学分野の論文を読み,知覚運動障害について文献調査し,日常生活を豊かに健康に生きるための傷害防止対策や障害リハビリテーションの意義について討論を行う.
到達基準
1)進化という長い時間軸でヒトの知覚運動制御の仕組みを理解できる研究者感覚を身につける.
2)履修学生それぞれの研究分野における主問題のみならず,広い視点で「ヒトの健康問題」を異分野の研究者と議論できる能力を身につける.
授業内容
第1週目:序論:運動行動への進化論的アプローチを概説する.また,知覚運動制御の神経生理学的基礎I(細胞膜,膜電位,活動電位,情報の伝導と伝達,骨格筋の構造と筋収縮,受容器,運動単位と筋電図)について講義する.
第2週目:知覚運動制御の神経生理学的基礎Ⅱ(脊髄における興奮と抑制,シナプス反射,単一筋の随意的制御,単関節運動パターン)について講義する.
第3週目:知覚運動制御と脳機能Ⅰ(大脳皮質,小脳,大脳基底核,上行路と下行路)について講義する.
第4週目:知覚運動制御と脳機能Ⅱ(反射と慣れ,学習と記憶,判断,意識と無意識)について講義する.
第5週目:教科書の第1章「身体の曼荼羅」の話題の中から,興味あるテーマについて関連文献を調査する.プレゼンテーションと討論を行なう.
第6週目:教科書の第2章「脳の中の小人」の話題の中から,興味あるテーマについて関連文献を調査する.プレゼンテーションと討論を行なう.
第7週目:教科書の第3章「ボディマップの決闘」の話題の中から,興味あるテーマについて関連文献を調査する.プレゼンテーションと討論を行なう.
第8週目:教科書の第4章「脳も運動中」の話題の中から,興味あるテーマについて関連文献を調査する.プレゼンテーションと討論を行なう.
第9週目:教科書の第5章「狂った可塑性」の話題の中から,興味あるテーマについて関連文献を調査する.プレゼンテーションと討論を行なう.
第10週目:教科書の第6章「壊れたボディマップ」の話題の中から,興味あるテーマについて関連文献を調査する.プレゼンテーションと討論を行なう.
第11週目:教科書の第7章「身体を包むシャボン玉」の話題の中から,興味あるテーマについて関連文献を調査する.プレゼンテーションと討論を行なう.
第12週目:教科書の第8章「サルからサイボーグへ」の話題の中から,興味あるテーマについて関連文献を調査する.プレゼンテーションと討論を行なう.
第13週目:教科書の第9章「鏡よ,鏡」の話題の中から,興味あるテーマについて関連文献を調査する.プレゼンテーションと討論を行なう.
第14週目:教科書の第10章「心と身体が交わる場所」の話題の中から,興味あるテーマについて関連文献を調査する.プレゼンテーションと討論を行なう.
第15週目:第5週〜第14週のテーマについて,総合討論を行なう.
履修条件・関連項目
授業時間30時間に加え,各週の課題についての予習およびプレゼンテーション資料作成のために,約4時間の自習を要する.
テキスト・教科書
「脳の中の身体地図―ボディ・マップのおかげで、たいていのことがうまくいくわけ」
著者:サンドラ ブレイクスリー, マシュー ブレイクスリー(著),小松淳子(翻訳)
出版社:インターシフト
参考書
成績評価の方法
プレゼンテーション70%,期末レポート30%で評価する.
教員から一言
身体運動に興味を持っている学生を歓迎する.最初の4回目までは知覚運動制御学の基礎的な内容の講義を行うので,事前の基礎知識は必要としない.質疑応答など講義に積極的に参加することを望む.
キーワード
身体運動行動、運動制御と運動学習、感覚・知覚、進化論的アプローチ
オフィスアワー
毎週木曜日午前10時から12時まで.
備考1
小金井キャンパスで開講.
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/02/19 11:53:16