科目名[英文名]
Advanced Study on Engineering 5   [Advanced Study on Engineering 5]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 SP70000015
責任教員 [ローマ字表記]
RAKSINCHAROENSAK PONGSATHORN   [RAKSINCHAROENSAK Pongsathorn]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
 制御技術は,我々の身の回りの家電製品から自動車,工作機械,船舶,航空機まで幅広く関わる技術である.例えば,自動車の中には50個以上の電子制御ユニットがあり,制御技術がなければ自動車が安全で快適に走れない時代になってきた.
 本講義では,フィードバック制御系の基本的な設計理論について概説する.古典制御から現代制御の入門までの内容を中心に,学部の講義ではあまり触れられなかった自動車や航空機等の制御対象を通じて,具体的な制御系の適用例を同時に解説する.線形システムのフィードバック制御系の基本的な設計理論を理解し,様々な制御対象において制御の要求性能を満たすように制御系設計ができることを目標とする.本講義は専門のコア科目として設定されており,機械システムの制御技術について学ぶことができる.
到達基準
線形動的システムについて,目標性能を実現するためのコントローラの設計手法を理解し,制御系の設計手順を合理的に説明でき,様々な機械システムにおいて応用できることを到達基準とする.

本科目のディプロマ・ポリシーの観点:
履修案内のカリキュラムマップを参照してください。
授業内容
1. 制御工学の復習
  線形動的システムのモデリング,伝達関数,ブロック線図,等価変換,ラプラス変換,状態空間モデルと伝達関数との関係
2. フィードバック制御系の特性1
  極と零点,PID制御,定常状態における偏差
3. フィードバック制御系の特性2
  外乱に対する定常偏差,感度とフィードバック系の感度
 (レポート課題①)
4. 根軌跡法 (Root locus method)
  根軌跡のプロット,自動車の速度制御,車線維持制御
5. 周波数応答
  ボード線図 (サスペンションモデル,自動車の等価二輪モデル等の解析)
6. システムの安定性
  安定判別法,ゲイン余裕,位相余裕
7. 伝達関数法のまとめ:フィードバック制御系の設計
 (レポート課題②)
8. 状態方程式による設計
  可制御性,全状態フィードバック制御,極配置による制御系設計
9. サーボ系の設計
  モデル追従制御系の設計,自動車の四輪操舵制御,飛行制御
 (レポート課題③)
10. 状態推定器の設計1
  可観測性,同一次元オブザーバ
11. 状態推定器の設計2
  カルマンフィルタ,プロセスノイズ,観測ノイズ,自動車の横滑り角推定器
 (レポート課題④)
12. モデル同定の基礎
  最小二乗法,例題:ドライバモデル
13. ロバスト制御系の基礎
  ノミナルプラント,モデルの不確かさ,スモールゲイン定理,感度関数,相補感度関数
14. 車両システム制御1:自動車の四輪操舵制御(4WS)の設計論
15. 車両システム制御2:振動制御,アクティブサスペンションの設計手法
16. 期末試験:講義で話したすべてのことを試験の範囲とする.
履修条件・関連項目
学部生の「制御工学I、II」、「車両工学」を履修しておくことが好ましい.
授業時間24時間に加え、配布した講義資料や参考書を参照し、本学の標準時間数に準ずる予習と
復習を行うこと。
テキスト・教科書
(1)Richard C. Dorf and Robert H. Bishop, Modern Control Systems, 11th edition, Pearson International Edition
(2) Katsuhiko Ogata : Modern Control Engineering
(3) 野波健蔵,西村秀和,MATLABによる制御理論の基礎
参考書
成績評価の方法
小テスト・演習問題40% , 中間試験30%,期末試験 30%
教員から一言
■ 講義は英語を中心に行います。
キーワード
制御工学,現代制御,伝達関数,状態空間,状態推定,モデル同定
オフィスアワー
月 10:00-12:00 , 水 10:00-12:00 9号館412号室  メールは,pong@cc.tuat.ac.jpまで.
備考1
備考2
参照ホームページ
http://www.tuat.ac.jp/~pong
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/03/20 9:38:11