科目名[英文名]
生理活性物質化学   [Bioactive Material Chemistry]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 3  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 01BN3130
責任教員 [ローマ字表記]
川出 洋   [KAWAIDE Hiroshi]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
 生理活性を有する低分子有機化合物の生合成と受容、情報伝達・生理活性発現の一連のプロセスを、天然物化学的な思考から学んでいきましょう。最近の欧米で新しい概念として定着してきている、ケミカルバイオロジー(化学生物学)的な視点からも学べるように教授します。これらを通して,より広く科学的思考能力と表現力=説明能力を身につけるとはどういうことかを考えてもらい、今後の科学的な活動に活かしてもらえればよろしいかと考えます。
到達基準
生物の生理現象を低分子の生理活性分子を介して理解できる。たとえば、植物の成長を①植物ホルモンの生合成による制御;②受容と情報伝達;③未解明のホルモン(新しい生理活性物質)の構造と作用,ならびにホルモンとして考えられる根拠・・・・などが説明できる、解説できるような能力を身に付けてもらいます。これを標準到達基準とします。

本科目のディプロマ・ポリシーの観点:本学HP(三つのポリシー)のカリキュラムマップを参照してください。
https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/
授業内容
【2020年4月23日書き換え】
Google Classroom[生理活性物質化学(class code: t6n3w6n )]と同一内容にしています。

2020年度は新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大,緊急事態宣言(2020年4月7日〜5月6日)の関係で対面講義ができない状況です。したがって,当該講義については対面講義を行わずに教科書を購入していただき,各自で自学自修を中心に行ってもらうことで講義を進めていきたいと考えています。

講義の内容の概要ですが,

①履修希望者は,以下に示す教科書を購入してください。生協での取り扱いが出来ない旨通知を受けましたので,恐れ入りますが,アマゾンあるいは最寄りの書店で取り寄せをして各自で購入してください。5月31日までに入手をお願いします。
長澤寛道(著)生物有機化学ー生物活性物質を中心にー第2版(東京化学同人2019年発行,2600円+税)
ISBN 978-4-8079-0955-1
[旧版を購入しないように気をつけてください]

②6月1日の対面講義が開講されるまで,5月15日(金曜日)以降に以下の課題に取り組んでください。
【課題】
日本農芸化学会という農学系生命科学に関する大きな学会があります。その学会から発行されている和文学術雑誌
【化学と生物】
から
「生理活性物質」に関わる記事・論文を検索し,興味を持ったものを各自でダウンロードして,それを講義担当教員に報告してください。履修予定者は,次週金曜日(5月22日)の正午までに,検索して興味を持った論文名,なぜその論文を選択したのかの意図・理由,読んだ論文等の感想を200〜400文字程度で報告をしてください。メイルで直接記入・送信で提出しても構いませんし,ワードファイルで作成してそれを添付文書で送信していただいても構いません。提出されたものは,教員がコメントを記載して返却します。逆に内容等に関して教員側から質問をする場合もありますので,その際は記載した期日までに返信をお願いします。

翌週29日金曜日,翌々週6月5日金曜日の正午までに,それぞれ2報目,3報目の論文の感想等を提出してください。

化学と生物;閲覧サイトURL
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/kagakutoseibutsu/list/-char/ja

ジャーナル内の検索があります。
「生理活性物質」,「抗生物質」「植物ホルモン」などのキィワードを入力すると,そのキィワードで抽出された論文等のリストが出てきます。論文等が発表された年代は限定しませんが,1980年代以降のものが良いと思われます。論文は,PDFとしてダウンロードできます([フリー]とマークの入っているもの)。課金される論文等はダウンロードしなくて結構です。

③対面講義が予定されている6月1日以降は,購入していただいた教科書をもとに講義を進めます。

④6月1日に対面講義が始められない場合は,以下のように講義を進めて行きます。

【生物有機化学ー生物活性物質を中心にー第2版】の教科書は,
第1章〜第5章(全190頁)の構成となっており,さまざまな視点から生物活性物質をまとめています。
受講者は,この第1章〜5章までを各自で自由に5回分の単元に区切り,それぞれの単元から小テストとして1問を作成してください。レポートではなく,あくまでも小テストと成り立つような問題を作題してください。
次に,その解答(答案)を各自で行ってください。(これは,必ず解ける問題を作題してもらうために大事なことです)

すなわち,1〜5章の中からまんべんなく抽出したトピックスについて5回分の小テストを受講者が考え,それを解答する課題を実施してください。

講義実施期間内のうち,6月19日(金曜日)から7月17日(金曜日)までの期間に1回/週の小試験(合計5回分)を作題・解答して教員までメイルで提出してください。
教員は,添削の上,作題していただいた問題・解答例の質(なぜその問題を作題したかの出題者の意図が読み取れるかどうかなど)を評価します。

メイル等で提出ができない履修者は,手書きで郵送でも結構です。赤鉛筆等で添削やコメントをして郵便やPDFとしてお返しします。

質問や不明な点は,氏名と学籍番号・メイルアドレスを明記の上,講義担当教員までメイルで相談してください。
講義担当教員:川出 洋(hkawaide@cc.tuat.ac.jp)
履修条件・関連項目
予習復習の出来る人が受講すべきです。また,講義開始時に出席表を配布します。そこに質問や疑問点,自ら学修をしようと気付いた点などを記載して提出できる積極性を履修条件と考えています。
関連科目として、有機化学、生物化学、分子生物学、遺伝子工学、植物生理学などが理解を助けてくれるでしょう。幅広い視点で生理活性物質を見ることが可能となります.化学が得意な学生も生物が得意な学生も,知的好奇心を満たせる内容を目指しています。

必要な学習時間は、本学の標準時間数に準ずる。もちろん,それを超える自学自修は大歓迎である。
テキスト・教科書
長澤寛道 著
生物有機化学 ー生物活性物質を中心にー
第2版
東京化学同人(2019年6月発行)ISBN 978-4-8079-0955-1
(2600円 税抜き)
参考書
【特におすすめ(一読すべし):植物ホルモンに関する最新の教科書】
浅見忠男・柿本辰男編 新しい植物ホルモンの科学(第3版) 講談社2016年発行

生理活性物質を生合成とその生合成反応を触媒する酵素の視点でまとめられた意欲的な教科書
「基礎から学ぶ植物代謝生化学」
水谷正治ほか編
(羊土社,2018年発行,ISBN-10: 4758120900)
成績評価の方法
小テスト5回分の作題の質と内容を評価します。
対面での講義が可能になりましたら,優れた小テストを抜粋して解説をします。
皆さんで良問を解いていただくことを考えています。
教員から一言
生理活性物質化学の講義は,旧カリキュラムの講義なので,今年度が最後です。
今年は残念ながら,講義の中で皆さんに伝えたいことを十分にお伝えできませんが,一冊の生理活性物質に関する教科書を精読するのは,農学系の有生理活性物質に関する有機化学を理解する上では財産となると考えます。
キーワード
biosynthesis; hormones; secondary metabolite.
オフィスアワー
メイルでのアポイントを取れば随時。
備考1
備考2
参照ホームページ
http://www.tuat.ac.jp/~chemreg/
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/04/24 16:42:02