科目名[英文名]
自然保護文化論   [Nature Conservation Culture]
区分 全学共通教育科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 3  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 01SD0109a
責任教員 [ローマ字表記]
土屋 俊幸, 永石 文明   [NAGAISHI Fumiaki]
所属 農学府 研究室   メールアドレス

概要
 本科目は、全学共通教育「持続可能な地球のための科学技術」の「科学技術と社会」に区分される科目として開講されます。
 自然とその保護について、「文化」という観点から論じる。ここで「文化」とは、人間が歴史的に習得してきた自然への適応の様式である。人間は自然を、人間の生存にふさわしい形に変え、またそれを維持してきた。また一方で人間は、自らの行動や組織を自然に馴染む形に変化させてきた。
 授業では、以上のような観点から、「人間と自然との関係」全体を考察し、理解し、現在の課題と今後のあり方を検討してゆく。具体的には、全体は3部に分かれ、第1部(土屋担当)では、自然保護運動の事例から、自然を保護することの意味を考え、第2部(土屋担当)では、自然保護文化を巡る様々な思想や考え方を紹介し、議論する。そして第3部(永石担当)では、自然保護運動、自然保護活動の現場からその課題と可能性を考える。
到達基準
 自然保護、および自然保護の基盤としての文化について、講義の内容を理解し、それらのことについて、自分の考えを他者に伝わる形で表すことができる。

 なお、本学HP(三つのポリシー)のカリキュラムマップを参照してください。
https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/
授業内容
1、ガイダンス 土屋 この講義の目標、授業の予定等 

第1部:土屋俊幸 担当
2、「自然保護」は住民にとってよいことなのか? 
誰のための「自然保護」なのか。
    事例:白神山地世界遺産地域(青森県・秋田県)
3、「自然保護」は住民にとってよいことなのか?(続)  
    事例:タムダオ国立公園(ベトナム)
 
4、住民は何を保護したのか? 
保護すべきものは「自然」そのものか?
    事例:サホロリゾート(新得町・北海道)
5、住民は何を保護したのか?(続)
    事例:赤石川(青森県)、織田が浜(愛媛県)
 
6、住民・市民にとっての保護すべき自然とは?
    ありふれた自然は保護する価値があるのか?
    事例:海上の森(愛知万博)
7、住民・市民にとっての保護すべき自然とは?
    ありふれた自然は保護する価値があるのか?(続)
    事例:鶴見川(東京都・神奈川県)、池子の森(神奈川県)
    事例:小清水の自然を守る会(北海道)

第2部:土屋俊幸 担当   
8、北米の自然保護思想   
9、日本の自然保護思想
10、最近の日本の自然保護運動  
 
第3部:永石文明 担当
11、自然保護の現場から(1) 海外 
12、自然保護の現場から(2) 河川
13、自然保護の現場から(3) 里山 
14、自然保護の現場から(4) 企業の生物多様性保全活動

第4部:まとめ  
15、総合討論  永石・土屋
    全講義を振り返り、履修生と共にいくつかの課題について議論する。

○授業(復習を含む)の構成
・最初の30分間 リスポンスに対する回答
・1時間  新しい話題の講義。
・授業後  各自復習の上、リスポンス(質問・意見・感想)を作成・送付。
・最初の30分間 リスポンスへの教員の回答による復習。
履修条件・関連項目
特になし。必要な学習時間は、本学の標準時間数に準ずるので、リスポンスの作成を中心に各自行ってください。
テキスト・教科書
毎回、レジュメ、資料、リスポンス集を配付します。
参考書
毎回の講義で適宜照会します。
成績評価の方法
リスポンス40%、レポート60%。毎回の講義後に作成するリスポンスでは、毎回の講義の理解度を評価するとともに、講義の内容を超えた受講生の独自の学習の成果の提示を期待し、その内容を評価する。レポートでは、「到達基準」がどの程度達成されているかを総合的に評価する。

リスポンス   メールで土屋アドレス(toshit@cc.tuat.ac.jp)または永石アドレス(naf-one@da2.so-net.ne.jp)に、金曜昼13時までに送付すること。メールの件名は、「自然保護文化論第○回氏名」とすること。
教員から一言
広い観点、深い思考が求められます。
キーワード
自然、自然保護、二次的自然、内なる自然、文化的景観、ナショナルトラスト、国立公園、文化的景観、アフォーダンス、ESG投資
オフィスアワー
面談希望をメールで連絡すること。
備考1
新型コロナウイルス感染拡大の影響によるシラバスの変更については、本科目のクラスルームから確認してください。
備考2
本講義は、新カリキュラムでは開講されないため、本年度が最後の講義となる。
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/08/19 11:19:08