科目名[英文名]
農学基礎ゼミ   [Basic Seminar of Agricultural Science]
区分 教養科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 12  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 01fy100206
責任教員 [ローマ字表記]
阿部 広明   [ABE Hiroaki]
所属 農学部 研究室 昆虫機能生理化学2号館332室  メールアドレス

概要
カイコのW染色体の構造解析ならびに昆虫行動の再考
到達基準
カイコのW染色体は、他の染色体に比較して独特のDNA塩基配列を保有している。この構造の基本となる「動く遺伝子」の概要を理解する。また昆虫では、多くの行動が報告されているが、その中には報告者の観察が不十分で、単なる思い込みと考えられる例がある。これらの例を示しながら実際の行動を観察し理解する。
授業内容
 カイコ(Bombyx mori)には雌から雌に伝わるW染色体がある。長年に渡るカイコの遺伝の研究でも、このW染色体には雌を決める仮想的な遺伝子(雌決定遺伝子)が存在していると考えられていたが、そのほかの形質に関する遺伝子は発見されてこなかった。しかし近年の分子生物学的手法の進歩により、このW染色体のDNA塩基配列の解析が行われるようになった。ただしそのDNA塩基配列は、多くの「動く遺伝子」であるレトロトランスポゾンやレトロポゾンが複雑に入り込む「超入れ子状態」であった。したがって通常のゲノム解析法では、まず解析そのものが極めて困難であることが明らかとなった。この独特な染色体を理解するために、各種の動く遺伝子の特徴を学習する。
 カイコでは人間の病気に関係付けた遺伝の研究が行われている。しかしそれらの一部は、観察者の間違いや思い込みで判断されてしまったものがある。これらの間違いの原因は何か、考察をする。また日本の代表的なカブトムシでは、木を削る行動があるが、それが口の上の突起で行われていると思われてきた。しかしごく最近、注意深い観察により、それは大アゴで行われていることが明らかとなった。その行動を実際に観察し、それに加えてカブトムシの他の昆虫では見られない独特な大アゴの構造を学習する。
履修条件・関連項目
特になし。
テキスト・教科書
こちらで用意する。
参考書
こちらで用意する。
成績評価の方法
各種の動く遺伝子の構造が理解できたか、そして昆虫の行動が正確に理解できたかにより成績評価をする。
教員から一言
実際に昆虫を触ってもらうことがあります。
キーワード
カイコ、昆虫、カブトムシ、動く遺伝子
オフィスアワー
11時〜17時
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/02/26 13:08:29