科目名[英文名]
現代倫理論   [Ethics]
区分 教養科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 020014
責任教員 [ローマ字表記]
大倉 茂   [OHKURA Shigeru]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
本講義では、現代社会に生きるわれわれがいかに生きるべきかという問いを倫理学的な視点から考える。一見、自らの意志で生きているようで、どこか何者かによって動かされて生きている感覚。この感覚をもちながら、生きているのは私だけだろうか。本講義を通じて、現代社会において自ら考え、行為することの難しさ、同時に自ら考え、行為することを放棄してしまうことの危うさを、受講者が考える契機とする。現代社会において、社会の中で流されて生きてしまってはいないだろうか。「ジリツ」が叫ばれ、個性が尊ばれているが、あなたは「ジリツ」できているかどうか、さらに個性を発揮できているだろうか。はたまた、社会の中で流されて生きることに馴化してはいないだろうか。本講義では、このような問いを、倫理学の諸理論に触れることを通じて、考えていきたい。「自ら考え、行為すること」を考えることは、「いかに生きるべきか」を問うことであり、倫理学の問いそのものである。
・本科目は、グローバル教養科目群の人文社会科学の科目として開講されます。
到達基準
1. 講義で示す倫理学の諸理論を活用し、現代社会の問題を捉える契機をもっている。
2. 事象を多面的に、かつ批判的に捉える契機をもっている。
3. 自らの考えを論理的に文章として表現することができる。
・科目別目標:自主性・自律性、異文化理解、国際感覚、知の開拓能力、教養倫理
授業内容
(1)はじめに
講義の概要ならびに履修について
(2)本講義の問題意識
現代社会において「自ら考え、行為する」という講義の主題の背景となる問題意識をあなたと私が共有する。
(3)自己責任論
自己責任論とはなにかついて
(4)コギト原理
デカルトの思想と倫理とのかかわりについて
(5)義務論と功利主義(1)
義務論と功利主義という近代の規範理論の基本について
(6)義務論と功利主義(1)
義務論と功利主義という近代の規範理論の積極面と消極面について
(7)市場経済と倫理
市場経済と倫理の関係について
(8)官僚制と倫理
官僚制と倫理の関係について
(9)近代個人主義
倫理から考えた場合の近代個人主義の積極面と消極面について
(10)社会の構成概念
社会を構成する概念について考える
(11)公共圏
公共圏とはなにかと公共圏と倫理の関係について
(12)グローバルな公共圏
公共圏、特にグローバルな公共圏における倫理について
(13)正義とケア
正義の倫理とケアの倫理について
(14)脱近代の人間と倫理
これからの人間と倫理について
(15)構想力
人間の能力における構想力の位置について
履修条件・関連項目
2単位の科目としてグローバル教養科目群に含まれる。授業時間の30時間、課題作成に要する2時間程度の学習時間に加え、配布資料や参考文献を活用して学の標準時間数に準ずる予習および復習を行うこと。
テキスト・教科書
初回の講義にて指示する。
参考書
特にない。
成績評価の方法
各回に提示するミニレポートを4つ提出することを条件に、最終レポートによって評価する。
最終レポートは、講義の内容を踏まえ、あなたの意見を論理的に論じられているかを評価する。
教員から一言
倫理学というと難しい言葉が頻出し、取っ付きにくいイメージをもっているかもしれませんね。しかしながら、せっかく大学にきたのです。社会に出る前に、少し落ち着いてどう生きるかを地に足をつけて考えてみませんか。
キーワード
倫理、功利主義、義務論、正義、ケア、構想力
オフィスアワー
特になし。ただし、メールでの質問は常時受け付ける。
備考1
備考2
参照ホームページ
https://www.s-ohkura.com/
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/03/07 14:40:35