科目名[英文名]
多文化共生論   [Cultures Studies for Symbiotic Society]
区分 教養科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 020017
責任教員 [ローマ字表記]
福島 康博   [FUKUSHIMA Yasuhiro]
所属 農学府 研究室   メールアドレス

概要
本科目は、グローバル教養科目群の人文社会科学の科目として開講される。
グローバリゼ―ションとは、ヒト・モノ・カネ・情報が地域や国境を越えて自由に往来する現象を指す。 そのため地域社会にとっては、以前は異質とされたものが流入する現象としてとらえることができる。例えば日本では、外国人観光客が急増し「爆買い」によって国内消費が伸びる一方で、難民受け入れには消極的であるなど、多くの課題に直面している。
本科目は、グローバリゼーションが進む現代において、地域社会における多様な文化・民族の人びとが共生することについて検討する。具体例として、多文化・多民族国家であるマレーシアの事例、およびわれわれが暮らす日本の事例を取り扱う。
本科目を「自分たち」とは異なる人びとの文化の様相と、そうした人びとと共に暮らすことを考える上でのきっかけとし、異文化理解と国際感覚を養ってほしい。
到達基準
・自主性・自律性、異文化理解、国際感覚、知の開拓能力、教養倫理、等の涵養。
・多文化共生論に関する基本的概念を理解し、説明できるようになる。
・マレーシアと日本の事例を通じて、多文化共生社会のあり方と実現に向けての課題を理解し、説明できるようになる。
授業内容
本科目は 3 部構成とする。
 第1部では、多文化共生社会に関する基本的な概念と、国際社会やグローバル社会といった類似の概念との違いを解説する。
 第2部では、多文化共生社会の事例としてマレーシアを取り上げる。マレーシアは、第二次大戦後に独立した多文化・多民族国家でありながら、大規模な民族衝突・内戦を回避してきた国であり、多文化共生を検討する上で重要な事例である。マレーシアの事例のうち、ハラール食品やムスリム・フレンドリ ー・ツアーなどイスラームに根差した商品・サービスを扱う産業を取り上げ、多文化共生の視点から解説する。
 第3部では、同じく多文化共生社会の事例として、日本を取り上げる。具体的なトピックとして、外国人労働者と外国人観光客に関する諸課題、および日本企業による海外進出を取り上げ、日本(人)にとっての多文化共生社会のあり方を検討する。

【第 1 部 基本概念】
第 01 講: ガイダンス
第 02 講: 多文化共生社会の基本概念
第 03 講: 国際社会、グローバル社会、多文化共生社会
第 04 講: ビデオ「日本とハラール産業」の視聴と解説
第 05 講: 世界の人口問題

【第 2 部 マレーシアの事例】
第 06 講: 多民族国家マレーシア
第 07 講: イスラームの考え方
第 08 講: ハラール食品(1)イスラームと食
第 09 講: ハラール食品(2)ハラール認証制度
第 10 講: ハラール食品(3)ハラール食品市場

【第 3 部 日本の事例】
第 11 講: 外国人労働者
第 12 講: 外国人観光客
第 13 講: 訪日外国人ムスリム観光客の動向
第 14 講: 訪日外国人ムスリム観光客への対応
第 15 講: 日本企業の海外進出
履修条件・関連項目
授業時間30時間に加え、後述の参考書や補助資料を活用して本学の標準時間数に準じた予習・復習を行うこと。
マレーシアをはじめ東南アジアなど海外の事例を取り扱うが、履修者にはマレーシア語など東南アジア諸語の運用能力は問わないので、安心して履修してほしい。
テキスト・教科書
教科書: なし。
補助資料: 各授業に先立ち、moodleにて配布する。授業前に必ず目を通しておくこと。
参考書
参考書: 福島康博『Q&Aハラールを知る101問:ムスリムおもてなしガイド』解放出版社、2018年。
成績評価の方法
以下の 2 点に基づき評価する。
・クラス・パーティシペーション(30%)
・期末テスト(70%)

※2018年度成績分布: S(15%)、A(36%)、B(33%)、C(5%)、D(11%)
教員から一言
本科目では、「民族、文化」「国家、コミュニティー」「共生」「イスラーム、宗教」「マレーシア、東南アジア」など、学生にとってはあまり馴染みのないテーマを扱うことになるが、専門的知識がなくても理解 できるよう心掛けるので、関心のある積極的な学生の履修を歓迎する。
キーワード
多文化共生、地域社会、グローバリゼーション、イスラーム、東南アジア、マレーシア
オフィスアワー
授業時間の前後で、相談等に応じる。
備考1
新型コロナウイルス感染の影響による授業スケジュール等の変更については、本科目のクラスルームでご確認ください。
備考2
参照ホームページ
moodleに開設される本科目のページは、毎回必ず目を通すこと。
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/05/21 19:42:17