科目名[英文名]
電磁気学概論   [Introduction to Electromagnetism]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 021206
責任教員 [ローマ字表記]
伊藤 輝将   [ITO Terumasa]
所属 工学府 研究室 小金井キャンパス4号館512室(三沢研究室)  メールアドレス

概要
電磁気学は、理工系の技術や研究の基盤の1つである。本講義は、生体医用システム工学の専門分野に必要な電磁気学の基礎に関する知識を与えることを目的としている。単に式を覚え、与えられた演習問題を解く能力を養うのではなく、電磁気的な力・相互作用の現象の本質を理解し、実際の生体工学における具体的応用の場面で自らモデル化して考える能力を養成することを目指す。
到達基準
以下の能力を身につけることを到達目標とする。
・生体工学を考える上で必須となる電磁気の物理量の定義や意味を理解すること
・ベクトル微積分を用いた電場の勾配、発散や回転の概念およびマクスウェル方程式の物理的意味を説明できること
・適切な式や図、グラフを用いて静電場の現象を説明できること
※履修案内のカリキュラムマップを参照して下さい。
授業内容
1. イントロダクション:生体医用工学における電磁気学
2. 電磁気学の中の物理量の記述(電場、磁場、電荷、電流密度)
3. ベクトル場の流束と循環
4. ガウスの法則、ファラデーの法則、アンペールの法則の一般化
5. ベクトル場の微分(勾配・発散・回転)
6. ベクトル場の積分(ガウスの定理とストークスの定理)
7. マクスウェルの方程式(微分形)
8. クーロンの法則と重ね合わせの原理
9. ガウスの法則:電場と静電ポテンシャル
10. ポアソンの方程式:ベクトルの2階微分(特にラプラシアン)とその物理的意味
11. 電場と静電ポテンシャルの具体例:電気双極子、導体に誘起される電場
12. 演習:レポート課題の解答解説と学生同士の相互レビュー
13. 静電エネルギー
14. 誘電分極
15. まとめ(電磁気学の全体像のおさらい)、最終試験
履修条件・関連項目
高校物理で出てくる電磁気学の基本法則について理解していること、1年前期「工学基礎数学」で初等的な微分積分の方程式、ベクトル場の記述を一定以上習得していることを前提とする。
授業時間30 時間に加え、配布資料を参考を活用して本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
小宮山進、竹川敦 「マクスウェル方程式から始める電磁気学」(裳華房)
参考書
例えば「The Feynman Lectures on Physics, Volume II, mainly electromagnetism and matter (Feynman, Leighton, Sands)」
は無料でオンラインで読むこともできます。
http://www.feynmanlectures.caltech.edu/
他にも電磁気学の良書は多数あるので、ぜひ各自で自分にあった参考書を見つけてください。
成績評価の方法
最終試験の評価(60%)、授業への参加や発表の評価(40%)を含めた平常点を用いて判断する。
教員から一言
これから皆さんが学ぶ生体医用工学では、電気回路や磁気回路、電磁波(電波、光、放射線)を用いた計測装置、あるいは生きた細胞においても、多彩な電磁気学の現象が登場します。電磁気学は、マクスウェルの方程式と呼ばれる4つの基本方程式によって記述される、という非常に美しく完成された学問体系をなしています。それゆえに、どんなに複雑な現象であっても、電磁気学の範疇であれば単純な基本式のモデルに立ち戻って考えることができます。しかしその反面、このシンプルな方程式の本質的意味を正しく理解するには、ベクトル場の微分積分等の数学の知識とその物理的イメージを持つことが必須になります。ここで基本をしっかり学んで、いざ実践となった時にも、生体で起こる物理現象を正確に捉え、さらに計測などの工学に応用する力を身につけてほしいと思います。
キーワード
マクスウェルの方程式、ベクトル解析、静電気学
オフィスアワー
月曜 10:00 - 11:00 (小金井キャンパス4号館512室) Eメールでの質問も随時受け付けます。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/02/21 17:52:34