科目名[英文名]
有機化学演習   [Exercises in Organic Chemistry]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 1 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 022381
責任教員 [ローマ字表記]
兼橋 真二   [KANEHASHI Shinji]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
有機化学演習は、有機化学I、IIおよびIIIを履修した後、その内容を使える知識として定着させるための演習形式の授業である。
有機化学は、医農薬やバイオテクノロジー産業など多くの分野を支える基盤となる学問である。この有機化学の知識を真に身につけるためには、単に講義を聴いているだけでは不十分であり、演習問題を自分で解いていくことが必須である。そこで、 「ブルース有機化学 上・下」の既習範囲に関する演習問題を解いてもらう。授業では、毎回試験を行う。試験範囲については、授業のスケジュールとともにガイダンスの際に予め公表する。試験問題については、「ブルース有機化学 上・下」(第7版)の各章の範囲内の「練習問題」および「章末問題」の中からか、あるいはそれを多少変更したものを出題する。1回の授業は1)演習、2) 演習問題について解説から成り、この順で授業を進める。
到達基準
この演習を受講することで、問題を自ら解くことを通して1年次および2年次の前期までに学習した有機化学の基礎的な知識をより確かなものとして習得出来る。その知識を基にして、様々な有機反応や有機化学に関連した現象を理解できるようになる。

本科目のディプロマ・ポリシーの観点: 履修案内のカリキュラムマップを参照してください。
授業内容
第1回 ガイダンス
第2回 電子構造と結合 (Chapter 1):化学結合と分子の構造(原子軌道、電子配置、共有結合とその原子価結合法および分子軌道法による表現、混成軌道と分子構造)、極性結合とその重要性(双極子モーメント、形式電荷)などの有機化学の基礎的事項に関する演習。 

第3回 酸と塩基 (Chapter 2):酸-塩基の定義、酸解離平衡とpKa値、酸の強弱を決定する構造因子などに関する演習。

第4回 命名法と異性体(Chapter 3, 4):アルカンを中心とする有機化合物の命名法、物理的性質、構造の表示法、および立体化学などに関する演習。

第5回 アルケンとその反応(Chapter 5, 6):アルケンの構造、命名法、反応性の基礎、熱力学と速度論、および付加反応の立体化学などの演習。

第6回 アルキンと電子の非局在化(Chapter 7, 8):アルキンの反応についての演習、および電子の共鳴、非局在化、芳香族性などに関する演習

第7回 ハロゲン化アルキルの置換・脱離反応(Chapter 9, 10):ハロゲン化アルキルの置換・脱離反応に関する演習

第8回 まとめ

「中間試験」:第1回から7回まで内容の総合演習

第9回 アルコール、エーテル、エポキシド、アミン、チオール(Chapter 11):アルコールの求核置換、脱離、酸化反応などに関連知るする演習、およびエーテルの求核置換、アミンやチオール、スルフィド、スルホニウム塩の反応に関する演習。

第10回 有機金属化合物とラジカル反応(Chapter 12, 13):有機金属化合物の調製法、クロスカップリング反応、メタセシス反応などの演習、およびラカルの安定性、ラジカルが関与する反応の演習

第11回 アルデヒド、ケトン、カルボン酸誘導体(Chapter 16, 17):アルテ?ヒドとケトン、カルボン酸およひ?その誘導体(酸ハロゲン化物、酸無水物、エステル、アミド)の命名法、合成法や反応(求核アシル置換反応、求核付加反応、Wittig反応 など)に関する演習。

第12 回 カルボニルα置換反応と縮合反応(Chapter 18):カルボニル化合物のα置換反応(エノラートの生成、エノラートのアルキル化、ハロゲン化など)に関する演習、およびカルボニル縮合反応(アルドール反応、Claisen縮合、Michael反応など)に関する演習。

第13回 芳香族化合物 (Chapter 19):ベンゼンやその他の芳香族化合物の化学(芳香族性、Huckel則、芳香族求電子置換反応など)に関する演習。

第14回 アミン(Chapter20):アミンの命名法、性質、合成法および反応に関する演習。

第15回 まとめ

「期末試験」:第9回から14回まで内容の総合演習
履修条件・関連項目
有機化学演習では、演習問題の出題範囲を公表している。そのため、事前に出題範囲のテキストを読み直すと共に、章末問題を解くなどの予習が必要である(12時間)。 授業終了後、各自で答案を確認し、間違えた部分についてはテキストや解答例、また授業での解説などと照らし合わせて再確認 する(3時間)。
授業時間30時間と上記の授業外学習を加え、本学の標準時間数に準ずる予習・復習を行うこと。
学習内容は、本学の標準時間数に準じている。

その他 有機化学I〜IIIを履修していることが前提。また、2年次後学期に並行して行われる生物有機化学を同時に履修すること。
テキスト・教科書
ブルース著「有機化学 上・下」 第7版
参考書
有機化学演習ー基本から大学院入試までー(東京化学同人)
マクマリー著「有機化学 上・中・下」
成績評価の方法
原則として、各回の演習試験の合計点(50%)と中間・期末試験の合計点(50%)で成績を評価する。ただし、授業への参加度も考慮する場合がある。演習科目であるので全日出席を単位取得の前提とする。
教員から一言
予め出題範囲を指定するので必ず予習をしておくこと。自分の頭で考えることが有機化学をマスターするためのポイント。
キーワード
反応有機化学、理論有機化学、合成有機化学、構造有機化学、反応機構
オフィスアワー
月曜日10:30〜12:00(兼橋; 研究室BASE棟324)
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/03/09 11:58:09