科目名[英文名]
電子デバイスⅠ   [Electronic Devices I]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 022670
責任教員 [ローマ字表記]
白樫 淳一   [SHIRAKASHI Junichi]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
IT(Information Technology)は、現代の生活や産業を支える基盤となっている。そのITを支える技術が集積回路を中心とする電子デバイス(素子)である。この【電子デバイスI】では、前半、pおよびn型半導体基礎理論、金属と半導体の接触、伝導型の異なる半導体同士の接合および絶縁体と半導体との接合の理論について学ぶ。その後、それらを組み合わせたダイオード、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなどの単体デバイスについて学び、さらに、論理演算およびメモリ機能をもった集積回路デバイスの原理と作製技術の概要について学ぶ。
本科目は、実務経験のある教員による授業である。担当教員は国立研究所において研究開発業務に携わった経験を有する。授業では、大学での研究活動で必要とされるハードウェアとしての電子デバイスの知識ついて、具体的な実例を交えつつ講義を行う。
到達基準
ハードウェアとしての電子デバイスの本質を理解し、その原理の説明および簡単な設計ができるようになる。
授業内容
下記の内容について、課題提出を交えながら学習する。

第1回 デバイスとは何か
    身近な電子情報機器とデバイス、デバイス技術の動向

第2回 半導体の基礎理論
    エネルギー帯の概念、フェルミ・デイラック統計、真性半導体、不純物半導体

第3,4回 半導体中のキャリア現象
      電子と正孔、電気伝導、抵抗率、キャリヤの発生と再結合、基本方程式

第5回 シリコン(Si)半導体
    Siの特長、単結晶ウエーハの製造と評価、半導体/絶縁体(SOI)ウエーハの製造

第6,7回 半導体の接合
      金属-半導体接合、pn接合、金属-絶縁体-半導体(MOS)接合

第8,9回 pn接合ダイオード
      構造、拡散電位、空乏層、電流-電圧特性、容量-電圧特性

第10,11回 バイポーラトランジスタ
        素子構造、静特性、増幅とスイッチング、電流利得、遮断周波数

第12,13回 MOSトランジスタの概要
        基本構造、基本特性、種類、デバイス縮小則、短チャネル効果

第14回 集積回路デバイス
     集積化とスケーリングの意義、論理集積回路および記憶集積回路の構造と特性

第15回 Siデバイスの作製方法
     単体・集積デバイスの個別プロセス技術、集積化プロセスの流れ
履修条件・関連項目
「電子物性工学」の履修が必要である。
テキスト・教科書
毎回の講義時に、教員が作成したテキストを配布する。
参考書
國岡、上村著「新版基礎半導体工学」(朝倉書店)
S.M.ジー著「半導体デバイス」(産業図書)
垂井監訳「半導体デバイスの基礎」(マグロウヒル)
成績評価の方法
試験:80%、レポート:20%として、総合的に評価する。これらの合計点が60%以上で合格です。
また、講義中の発言を発言ポイント点として考慮します。

オンライン教育における成績評価方法は、すべての出席を前提とし、双方向性を利用した学習意欲、小テストおよび課題、オンラインテストや対面試験(実施した場合)等を総合的に評価し、本学が定める標準的な学修時間に相当する学修効果が認められる場合に単位を付与します。
総合評価により以下の基準で単位を付与します。
S:90点以上、A:80点以上90点未満、B:70点以上80点未満、C:60点以上70点未満。
教員から一言
この授業科目は電子情報技術の研究開発を志す者にとって必須の科目である。pn接合の理解は全体を通じて重要なポイントとなるので,特に力を入れる。あらゆる電子情報機器の頭脳部分を担う電子デバイスがどういうしくみで動作しているか,基本原理をしっかり理解してほしい。重要な点については,課題によって補強したい。授業から脱落しないためには、その週の内に復習し、理解を確実にすることが肝心である。
キーワード
半導体の電気伝導,半導体接合,pnダイオード,バイポーラトランジスタ,MOSトランジスタ
オフィスアワー
オフィスアワー:毎週金曜日午後16時30分〜18時00分
備考1
備考2
参照ホームページ
http://web.tuat.ac.jp/~nanotech/index.htm
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/10/12 19:40:36