科目名[英文名]
応用分子化学実験Ⅲ   [Molecular Chemistry Experiments Ⅲ]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 3 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 023209
責任教員 [ローマ字表記]
後藤 健, 近藤 篤, 岩間 悦郎   [GOTO Ken, KONDO Atsushi, IWAMA Etsuro]
所属 工学部 研究室 1N-102  メールアドレス

概要
応用化学実験IIIでは、応用分子化学科で開講される実験科目(I-VI)の内、物理化学に関連した実験実習を行う。 
詳細は、下記【授業内容】に示す。一見して分かるように、項目は多岐に亘る。物理化学Ⅰ〜Ⅲの授業で学習した理論を実験で検証し、様々な現象を測定可能な物理量として取り扱う方法を習得する。英文講読・施設見学では、4年次以降に必要となる基礎知識を学習するテーマが設定されている。
到達基準
物理的な現象を観察し、それに伴う物理量の変化を各種手法を通して測定する。これにより測定の原理を理解するとともに物理現象を理論的に解釈できるようになる。また、施設見学を通じて製造・管理システム、安全衛生管理、環境保全が理解できる。
本科目のディプロマ・ポリシーの観点:A
(履修案内のカリキュラムマップを参照してください。)
授業内容
【第1週】ガイダンス:授業の日程、受講上の一般的注意、実験の心得について説明する。
【第2週〜第6週】実験:履修者は5班に分かれ、(1)〜(5)の実験テーマをローテーションする。
 (1) 反応速度の測定[熱力学]:エステル(酢酸エチル)の酸触媒加水分解速度を計測・計算する。その結果に基づき、熱力学パラメーターを理論的に求める。
 (2) 電池の起電力[電気化学]:Zn|ZnSO4||CuSO4|Cu構造からなるダニエル電池を作製し、起電力を測定する。得られるデータより起電力、平衡定数、活量等について学ぶ。
 (3) 電導度の測定[電気化学]:電導度セルを用いて電解質水溶液の当量電導度を測定し、電離定数を求める。実験を通して電解質水溶液について理解する。
 (4) ビクター・マイヤー法[分子量測定]:アセトン、ヘキサン、メタノール等の揮発しやすい有機溶媒の分子量測定法を習得する。
 (5) 表面張力の測定[界面化学]:滴数計を用いて濃度の異なる界面活性剤水溶液の表面張力を測定し、表面自由エネルギーについて理解する。
【第7週〜第9週】講義:(6)〜(8)の講義、実習を行う。
 (6) X線回折[放射線化学]:X線回折に関わる諸法則(ブラッグの法則、結晶構造因子、消滅則、など)について学び、実際に測定したX線回折パターンから種々の構造パラメータを導き出す。
 (7) 平衡定数[熱化学]:任意の反応の任意の温度における平衡定数の算出をPCを用いた解析により行う。熱力学データの展開方法を学ぶ。
 (8) 英文講読:物理化学系の教科書を講読し英文読解力を養う。読解力テストを行う。
【第10週】確認テスト:これまでの各実験テーマの内容の理解度の確認とまとめ。

その他:
*施設見学:本年度は1回実施する。
*確認テスト:第2週から第8週までの範囲について、理解度を確認する。
履修条件・関連項目
実験実習を行うにあたっては、安全確保の観点からも予習は必須である。各人は実験テキストを精読し内容の十分な理解を図ると共に、実験手順のフローチャートを作成し、試薬の物理的・化学的性質を事前に調べ、実験ノートに記載しておくこと(15時間)。
 実験終了後には、実験レポートの作成を行う。所定の書式に従い、目的、実験操作、結果、考察、結論、参考文献を適切に記述し、決められた期日内に提出すること(30時間)。
 授業時間90時間と上記の授業外学習を加え、本学の標準時間数に準ずる予習・復習を行うこと。
学習内容は、本学の標準時間数に準じている。

その他
(1)物理化学Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ以外に有機系、無機・分析系の基礎知識が必要とされる。
(2)保険について:(A)学生教育研究災害傷害保険(学研災)」、および(B)「学研災付帯賠償責任保険」へ加入する。(A)および(B)と同等の生協の保険も可とする。
(3)安全規則(保護メガネの着用、など)を遵守する。詳細は、ガイダンスで説明する。
テキスト・教科書
*東京農工大学応用分子化学科編「実験テキスト」(第8章)及びプリント教材(ガイダンスで配布する)
*再履修者には、別途案内する。
参考書
*図書館所蔵の化学関連書は、実験内容の理解、データの解析に役立つ。また、必要に応じて、インターネットで指示項目を検索してもよい。
*化学同人編集部編「実験を安全に行うために」、「続実験を安全に行うために」
成績評価の方法
【評価基準】
・試験結果(レポート点、確認テスト点):50%
・授業への参加度(実験中の履修態度も含まれる):50%
ガイダンス,実験,講義は全日出席が原則、レポートは全テーマ提出が原則であるため、無断欠席やレポート未提出の者は単位の取得が著しく困難となる場合がある。
また、遅刻やレポート提出遅延、実験中の怠慢行為や安全規則違反、レポート内容の剽窃は評価減点となり、これらの行為が認められた場合は単位の取得が困難となる場合がある。
【2019年度成績分布】
S:2%、A:80%、B:18%、C,D:該当なし
教員から一言
本授業では、測定→計算→データ解析→考察の一連の作業によって、データ処理・解析の具体的な方法を学習する。現象(観察事項)の理論的な解析力を養成するよう努めること。物理化学系の授業が苦手な学生が多いが、この授業によって少しでも理解を深めて欲しい。また施設見学は、教室では得られない事項を実体験できる良い機会である。大いに見聞を広めてもらいたい。
キーワード
応用実験,物理化学,無機・分析化学
オフィスアワー
オフィスアワー:随時、場所:1号館S110号室(岩澤)
備考1
(1)レポート提出締切日時:原則として指定日の午前8時40分
(2)出欠点呼:13時開始(13時前に実験着を着用し、指定場所に着席待機すること)
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/02/20 15:04:30