科目名[英文名]
制御工学   [Control Engineering]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 023710
責任教員 [ローマ字表記]
鄧 明聡   [DENG Mingcong]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
 CD本体に耳をあてがい,ここに衝撃を与えてみる。ディスク面上の情報を読み取る光ヘッドが健気に動いている様子を,ほんの少しうかがい知ることができる。これは,情報を追尾する目的を有するフィードバック系が構築されているため,光ヘッドが衝撃という外乱に抗して修正動作をするからである。このように,制御工学は,意図どおりにモノを操るための学問である。CDに限ることなく,世の中の動く装置には必ずフィードバック制御が施されている。
 本科目は、実務経験のある教員による授業科目である。担当教員は企業における研究開発に直接携わった。授業では、企業や実社会における研究開発の実例を題材として説明を行う。
到達基準
本科目ではフィードバック制御の基礎の習得を目的にする。
授業内容
(1)フィードバック制御の実例:理論の学習の前に,CD,磁気軸受,そしてモータ制御をとりあげ,世の中で実際に動いているものの事例を通して制御の中身を知る。
(2)制御系のブロック線図による表現:自然現象は微分方程式で記述できる。制御工学では,これをラプラス変換して代数的演算に帰着させる。この取り扱いを修得する。
(3)時間応答:ブロック線図を使ってシステムを表することを学ぶ。続いて,時間応答の導出方法を学ぶ。
(4)周波数応答(その1):間応答と対の関係にある周波数応答の取り扱いを行なう。周波数応答の描き方,この特性から時間的な振る舞いを想起できるようにする。
(5)周波数応答(その2):間応答と対の関係にある周波数応答の取り扱い,特にボード線図の作図およびこの応答の意味を理解する。
(6)制御系の安定性:閉じた系であるフィードバックシステムでは安定性が極めて重要である。ラウスおよびフルビッツの安定判別法を学習する。
(7)中間試験準備:中間試験に備えて演習を行なう。
(8)制御系の設計(その1):PID制御を基本にした設計法を学ぶ。
(9)制御系の設計(その2):PIDを基本としてPD,PI,そしてPI-D補償の考え方を学ぶ。
(10)制御系の設計(その3):制御系の調整をどのようにするのかについて,著明な調整則があることを学ぶ。
(11) フィードフォワードの導入:制御系の応答性を高めるためのフィードフォワードの導入について例題を通して制御系の設計例を学ぶ。
(12)2自由度制御系:目標値応答と外乱応答を独立に設計する手法と2自由度系が知られている。この制御構造と特徴を学ぶ。
(13)2自由度制御系:各種の2自由度系の構造について学ぶ。
(14)期末試験準備:期末試験に備えて演習を行なう。
(試験期間)期末試験:試験期間中に,期末試験を実施する。
履修条件・関連項目
線形代数学,微分方程式論,ラプラス変換,電気回路論に関する基礎的な知識を習得していることが望まれる。
テキスト・教科書
涌井,橋本,高梨,中村:現場で役立つ制御工学の基本(コロナ社)
涌井,橋本,高梨,中村:現場で役立つ制御工学の基本(演習編)(コロナ社2017.6発行予定)
参考書
自動制御理論演習(著者:鈴木隆、学献社。
下西,奥平:制御工学(コロナ社)。
成績評価の方法
中間と期末試験の結果(95%)に基づき成績評価する。
なお,出席調査兼用の小テストを毎回課す。この結果も5%の割合で成績評価に加味する。
教員から一言
(1)数式が多いので物理的意味を明確にすることに留意する。
(2)テキスト記載の内容に関して,現場での応用例を適宜に紹介する(例えば,CD,ロボット,温調など)。
(3)学問的には重要なれど現場ではそうでない,ということもお話しする。
(4)毎回,出席兼用の小テストを課す。出席不良の場合,もちろん成績評価の対象外となる。
キーワード
制御工学,伝達関数,ブロック線図,極と零点,周波数応答
オフィスアワー
オフィースアワー:毎週月曜日の午前9:00から10:00まで。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/02/27 9:41:57