科目名[英文名]
生物生産科学特論Ⅰ   [Special Lecture on Agricultural Production SciencesⅠ]
区分   選択必修   単位数 1 
対象学科等   対象年次 1  開講時期 2学期 
授業形態 2学期  時間割番号 05ac0011
責任教員 [ローマ字表記]
三浦 英樹, 川口 美喜子, 田中 治夫   [MIURA Hideki, KAWAGUCHI Mikiko, TANAKA Haruo]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
本講義は,
8月 4日(火)に行われる川口美喜子先生(大妻女子大学・教授)の講義と、
9月18日(金)に行われる三浦英樹先生(国立極地研究所・准教授)の講義の2部構成からなる。
また本科目は、生物生産科学コースの専門科目に区分される。

川口美喜子先生の講義
【目的】人々の健康な生活、疾病予防に貢献するため、食事、食物、食品と栄養代謝・栄養管理についての知識を身につけることを目的とする。
【概要】人々が健康に生きることまた疾病の予防と治療には、栄養問題を解決する、あるいは栄養療法を用いて健康な生活を実現する栄養マネジメントも重要である。栄養状態は「栄養素」の摂取状況、栄養代謝、利用効率等の影響を受ける。栄養は「食」を主体とする。食は、食欲、摂食、食行動に影響を受け、本人の意志で美味しいものを経口的に、喜び、幸福感を伴い食べる事である。適切で生きる喜びとなる食事は、成長をうながし、健康を増進・回復させる。この講義では、ライフステージごとに疾患の予防と治療のための栄養管理を学び、健康な食生活について解説する。

三浦英樹先生の講義
【目的】生物生産活動は、自然環境を利用して行われてきた。この講義では、食料生産と環境保全との調和を考えるための基礎知識となる自然環境(特に、地形、表層地質、土壌、植生)の成り立ちおよび、それに影響を与えてきた人為活動の歴史を理解することを目的とする。
【概要】約260万年前以降の地質時代である「第四紀」は、寒冷な氷期と温暖な間氷期を周期的に繰り返してきた時代であり、そのような環境変動は、現在見られる自然環境を形作り、人類はその環境変動の中で地球の自然を変えてきた。この講義では、第四紀の環境変動と人為活動の概要を学び、主として関東平野の地形、表層地質、土壌、植生が、具体的にどのように形成されてきたのかを、地形図や主題図等の教材を用いて解説する。その過程で、自然環境と人類の関係について考察してゆく。
到達基準
本科目のディプロマ・ポリシーの観点:本学HP三つのポリシーのカリキュラムマップを参照してください。
URL: https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/

川口美喜子先生の講義
1.健康管理、疾病予防のための食事と栄養の取り方について、自身の栄養評価と栄養管理目標を考えることができる。
2.生活習慣予防、疾患の改善に効果的な農産畜産水産物の生産、加工にについてグループで提案できる。

三浦英樹先生の講義
第四紀の地球環境変動と人類活動の概要を理解し、主として関東平野で見られる身近な自然環境(特に、地形、表層地質、土壌、植生)の成り立ちを考えることができる。
授業内容
川口美喜子先生の講義
日程:8月4日(火) 10:00〜17:30
教室:FS管理棟1F 学生実習室
1. 栄養の基礎知識について理解する。
2. 健康な食生活(栄養摂取、食事)について理解する。
3. 健康状態と食生活の関連性を理解する。特に生活習慣病予防のための食生活について。
4. 人々の健康な食生活に関与できる農産畜産水産物の生産、加工品についてグループワークを行う。

三浦英樹先生の講義
日程:9月18日(金) 10:00〜17:30
教室:2-22
1. “第四紀”とは、どういう時代か?:氷期-間氷期サイクルの概念
2. 第四紀の環境変動と身近な自然環境の形成には、どのような関係があるのか?
3. 第四紀の環境変動と人類の生産活動の歴史には、どのような関係があるのか?
履修条件・関連項目
授業時間の15時間に加え、配布した講義資料や参考書を参照し、本学の標準時間数に準ずる45時間以上の予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
川口美喜子先生の講義
テキスト・教科書は使用しない。パワーポイントの資料を配布する。

三浦英樹先生の講義
教科書は使用せず、講師が作成した教材を配布する。
参考書
川口美喜子先生の講義
川口 美喜子:老後と介護を劇的に変える食事術: 食べてしゃべって、肺炎、虚弱、認知症を防ぐ (晶文社)
川口美喜子:がん専任栄養士が患者さんの声を聞いてつくった73の食事レシピ (看護ワンテーマBOOK) (医学書院)

三浦英樹先生の講義
貝塚爽平 「東京の自然史」 講談社(学術文庫)、
中村和郎・小池一之・武内和彦編 「日本の自然 地域編3 関東」 岩波書店、
山崎晴雄・久保純子 「日本列島100万年史」 講談社(ブルーバックス)、
守山 弘 「自然を守るとはどういうことか」 農山漁村文化協会(人間選書)
クリストフ=ボヌイユ・ジャン=バディスト=フレソズ 「人新世とは何か」青土社
菅井啓之・後藤紗貴 「美しい心を育む自然観察「観察ってどうすればいいの?」」文渓堂
成績評価の方法
川口美喜子先生の講義 50%
1.自身の体格指標と食事摂取状況を用いて、栄養評価シートを完成できる。
2.健康な食生活あるいは疾病予防のための機能性を持つ農産畜産水産物の生産、加工品について根拠を持って2~3点の提案を述べる。

三浦英樹先生の講義
成績は、最終レポート50%で評価する。
教員から一言
川口美喜子先生の講義
健康的な食生活を送るためには、豊かな自然の食材を活かした食材や加工食品による食事が望まれる。しかし様々な環境条件、身体状況下では、機能性を持つ農林水産畜産物や加工品が求められる。「食」と「農林水産畜産」の専門家によって健康で豊かな食生活の実現を目標に学ぶことを希望する。

三浦英樹先生の講義
生物生産活動の基盤である地形・表層地質・土壌・植生を、歴史的かつ俯瞰的に捉えることで、農業などの現在の人為的活動としての生物生産活動が、自然環境の改変や保全に対してどのような意味を持つのかについて考えられるようになって欲しい。
キーワード
川口美喜子先生の講義:栄養管理、生活習慣病予防、機能性食品、 三浦英樹先生の講義:第四紀、氷期・間氷期サイクル、地形発達史、土壌生成史、自然史、人類史、農耕史、人新世
オフィスアワー
メールで対応する。 川口美喜子先生 Mikiko-kawa@otsuma.ac.jp 三浦英樹先生 miura@nipr.ac.jp
備考1
備考2
参照ホームページ
三浦英樹先生の講義:https://researchmap.jp/h_miura/
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2020/03/10 13:31:45