科目名[英文名] | |||||
材料力学特論 [Advanced Mechanics of Materials] | |||||
区分 | 前期課程科目 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | ~ | 開講時期 | 1学期 | |
授業形態 | 1学期 | 時間割番号 | 1060305 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
花﨑 逸雄 [HANASAKI Itsuo] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
機械構造物の設計において,従来のような単なる強度解析の観点からだけではなく,製品のコストダウンや生産過程の最適化等を行なう目的で,応力・変形解析のコンピュータシミュレーションが重要視されるようになっている.また最近では機械構造物において金属材料だけでなく高分子材料に代表される様々な素材が利用されるようになり,非線形な力学モデルが必要となる場合も多くなっている.一方,コンピュータ技術の発展により以前では取り扱うことが難しかった大規模問題や非線形問題も計算可能になっている.このような現状に対応して,シミュレーション技術の基礎としての固体の力学はその重要性を増しているといえる. この講義では,学部の講義ではあまり触れられなかった固体力学の非線形問題(大変形,材料非線形など)を扱うための数学的,物理学的な基礎を主に学ぶ.固体力学でしばしば用いられるテンソルを用いた表現,添え字記法に習熟することが第一目標である.そして固体の力学の変形問題を扱う基礎方程式をテンソルで記述すること,さらに物体に固有な変形特性を記述する構成式について,その基礎を学ぶ. カリキュラム上の(「必修」科目ではなく)「選択必修」科目に該当する. |
到達基準 |
・固体の力学の変形問題を扱う基礎方程式をテンソルで記述できる. ・材料の変形特性を記述する構成式の基礎的な関係を理解できる. ・普遍的な連続体力学の中での材料力学の特徴を理解できる. 本科目のディプロマ・ポリシーの観点: 履修案内のカリキュラムマップを参照してください. |
授業内容 |
1.はじめに 固体の変形理論とシミュレーション なぜテンソルが必要なのか? 2.テンソル入門 (1) まずは記述法に慣れる! ・ ベクトル ・ 添え字記法,Einsteinの総和規約 ・ クロネッカーのデルタ ・ 座標変換 3.テンソル入門 (2) テンソルとは何か? ・ 2階のテンソル ・ 対称と反対称 ・ 直交テンソル ・ テンソル積 4. テンソル入門 (3) テンソルを学ぶ重要性 ・ テンソルの成分 ・ 不変量 ・ 固有ベクトル,固有値 5.テンソル入門 (4) ・ 方向微分 ・ 勾配,発散 ・ 発散定理,積分定理 6.運動学(Kinematics) (1) 物体の運動,変形を記述する手段について ・ 運動 ・ 運動の記述方法 ・ 変位,変形勾配 ・ ひずみ 7.運動学(Kinematics) (2) ・ 極分解 ・ 体積変化,面積変化 ・ 線形化した運動学 8.運動学(Kinematics) (3) ・ 速度と物質導関数 ・ 速度勾配と変形速度 ・ ストレッチングとスピン 9.保存則と釣合い式 (1) 力の釣り合いはどのような形で表されるのか? ・ 応力 ・ 運動量の保存:応力の釣合い式 ・ 角運動量の保存:応力の対称性 10.保存則と釣合い式 (2) ・ エネルギの保存則 ・ 熱力学の第二法則 ・ 熱伝導方程式 ・ 変形と温度の連成問題 11.保存則と釣合い式 (3) ・ 仮想仕事の原理 ・ 各種の応力 ・ 応力速度 12.構成式論入門 (1) 構成式とは何か? 物体固有の性質はどのように表されるべきか? 13.構成式論入門 (2) 線形弾性体,熱弾性体の構成式 14.構成式論入門 (3) 塑性体の構成式 降伏関数と法線則 15.構成式論入門 (4) 塑性体の構成式 速度形構成式の誘導 |
履修条件・関連項目 |
学部で一通りの固体力学系の科目(材料力学Ⅰ,Ⅱ,弾性力学,塑性力学,有限要素法など)を学んでいることが望ましい. 授業時間数に加え,テキストや参考書を参照し,本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと. |
テキスト・教科書 |
講義期間中に資料を配布する予定です. |
参考書 |
主に「連続体力学」という用語を使っている題目の本が候補となります. |
成績評価の方法 |
例年の場合,筆記試験のみです.一方,2020年度はオンライン教育の枠組みで行うため,通常の筆記試験を行わず,毎回のコンテンツ内の出題を別途こちらから支持した方法により回答した内容とレポートを総合して評価する見通しです.詳細については,Google Classroomの本科目ページで提示されている情報を参照して下さい. |
教員から一言 |
材料力学の入門的な部分について個別具体的な視点から理解してきたものが,おおもとのレベルでは固体や流体やソフトマターなどを普遍的に扱うためのマクロな理論体系である連続体力学として理解できます.一見すると抽象的な理論は慣れるのにある程度時間を確保する必要もありますが,それを身に着けると普遍性・汎用性による確かな応用力となります.一般に学生時代はそのような実力を身に着ける貴重な機会でもあるので,大切に過ごしましょう. |
キーワード |
固体力学,連続体力学,テンソル,構成式 |
オフィスアワー |
先にEメールで御連絡下さい. |
備考1 |
2020年度はGoogle Classroomを使用します. |
備考2 |
参照ホームページ |
http://web.tuat.ac.jp/~ihlab/ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2020/04/22 14:03:32 |