科目名[英文名]
環境倫理学   [Environmental Ethics]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 3  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 01rn3072
責任教員 [ローマ字表記]
大倉 茂   [OHKURA Shigeru]
所属 農学部 研究室 9号館106号室  メールアドレス

概要
環境危機は単に科学技術的な問題に還元される問題ではない。具体的には、環境危機に対して科学技術的な解決を求めるにしても、その背景にはなぜその科学技術を使用するのかといった倫理的な問いが内在するのである。したがって、環境危機は倫理的な問題としても把握しうる。この講義では、現代の農が置かれたローカルな、あるいはグローバルな社会的現実としての環境危機を踏まえ、われわれが自然に対してどのような態度をとるべきかを考える環境倫理学の概説を行う。公害や地球環境問題の歴史を踏まえつつ、環境危機の現場の事例を紹介しながら、過去の思想家の知見を環境倫理の思想史として講義する。同時に、環境危機の今日的課題に対してどのような環境倫理が求められるのかを受講者が考える契機としたい。
到達基準
森林・農村・都市が連続した地域に対して、さらにはグローバルに人類が直面する農業、農村に関する現代的諸問題に対して、人文社会科学的な分析能力を身につけることができる。環境倫理学を中心とした人文社会科学研究を理解できる。本科目のディプロマ・ポリシーの観点について、本学HP(三つのポリシー)のカリキュラムマップを参照してください。
URL: https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/
授業内容
第1回:はじめに
講義概要
第2回:環境倫理学一歩前(1)
人文学における環境倫理学、環境学における環境倫理学
第3回:環境倫理学一歩前(2)
倫理学における環境倫理学、功利主義・義務論・徳倫理
第4回:環境倫理の思想史
ピーター・ラビットから土地倫理まで
第5回:環境倫理の思想史
『沈黙の春』から持続可能性へ
第6回:環境倫理学の諸論点(1)
人間中心主義と自然中心主義
第7回:環境倫理学の諸論点(2
自然の権利と動物の解放
第8回:環境倫理学の諸論点(3)
ディープ・エコロジーとエコロジー的近代化論
第9回:環境倫理学の諸論点(4)
環境正義
第10回:中間まとめ
これまでの講義のまとめ
第11回:公害から考える環境正義(1)
公害に関する映像資料
第12回:公害から考える環境正義(2)
公害などのローカルな環境危機を環境正義の観点から考察
第13回:ファストファッションから考える環境正義(1)
ファストファッションと環境危機との関係に関する映像資料
第14回:ファストファッションから考える環境正義(2)
グローバルな環境危機を環境正義の観点から考察
第15回:おわりに――〈農〉の環境倫理学へ――
講義全体のまとめ
履修条件・関連項目
特になし。ただし関連科目として、「共生社会思想」、「環境哲学」や共生持続社会プログラムの講義や「現代倫理論」を併せて履修することが望ましい。必要な学習時間は、本学の標準時間数に準ずる。
テキスト・教科書
大倉 茂『機械論的世界観批判序説』学文社
参考書
成績評価の方法
中間テスト(40%)、学期末のレポート課題(60%)、の合計により評価する。
教員から一言
環境危機を倫理的に考える機会は、どんな専門分野や進路につこうとも重要になってくると思います。皆さんの環境に関する行為や判断を「そもそも」に立ち返って考える機会にしましょう。
キーワード
倫理、環境倫理、公害、環境正義、地球環境問題
オフィスアワー
面談は適宜、希望に応じて受け付ける。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2021/03/22 10:55:48