科目名[英文名]
応用生体電子工学・応用微生物学   [Applied Bioelectrochemistory / Applied Microbiology]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 1 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 023169
責任教員 [ローマ字表記]
一川 尚広   [ICHIKAWA Takahiro]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
本講義では、前半は応用生体電子工学について一川尚広、後半は応用微生物学についてモリテツシが講義する。

応用生体電子工学:生命現象の維持において電子移動とイオン移動が重要な役割を担っている。本講義の前半では、電子とイオンの性質を理解し、それぞれが生体での化学反応にどのように関与しているかについて講義する。まずは、イオンと電子に関する電気化学を電池などのシステムを通して理解し、電子移動やイオン移動の素性について理解する。さらにこれらの知見を生体現象(例えば、光合成の化学)などと結びつけて考えることで、生命現象における電気化学に関して深く理解する。イオン伝導性高分子・導電性高分子・イオン液体などの材料科学的な知見と結びつけることで、バイオ燃料電池設計・センサー設計などへの学術的な展開は勿論のこと、工業的な利用と生体内の反応のコラボレーションを理解する。これらの講義を通じて生命現象を深く理解し、デバイス設計など工業的な利用につなげるための実力も養成する。
応用微生物学:自然界(海、陸)のバランスを保つためには、環境微生物は重要な役割を担っている。また、環境微生物は様々な環境に生息していることから、その環境に合った特殊な機能も獲得している。これらの特殊な機能を持つ細菌は産業および医療分野において重要な遺伝子資源として注目されている。しかし、環境中に生息している微生物の多くは難培養性であり、またその単離分離も困難である。本講義では、これらの難培養性細菌の分離及び応用に向けて、微生物の基礎を初め、微生物の検出・解析および操作可能な従来から最新な技術について学ぶ。
到達基準
応用生体電子工学:電子とイオンの性質の違いや、これらが関与する生命化学反応について学び、生体内での生命現象の多くが電子移動やイオン移動として理解できることを理解する。電子伝導やイオン伝導の機能を持たせるための物理化学を理解し、その応用展開や材料設計に通じる広い視野を持つことを目標とする。
応用微生物学:微生物に関する知識(性質、特徴など)を基礎に微生物を応用するノウハウを身につける。
授業内容
授業内容
第1回:生体電子工学に関する概略
第2回:電子とイオン:電気を運ぶキャリアとしての特徴の比較。イオンの作成法、性質、等々。電子伝導とイオン伝導:それぞれの特徴と生命維持に関係する機能を知る。
第3回:生体内の電子移動I:光合成などを題材として、生体内の電子移動反応について学ぶ。
第4回:生体内の電子移動II:光合成などを題材として、生体内の電子移動反応について学ぶ。
第5回:自己組織化膜I:様々な生命現象を理解する上で、両親媒性分子が形成する自己組織化膜の重要性と形成メカニズムについて学ぶ。
第6回:自己組織化膜II:様々な生命現象を理解する上で、両親媒性分子が形成する自己組織化膜の重要性と形成メカニズムについて学ぶ。
第7回:バイオエレクトロニクス:生体分子を利用し、エネルギー変換、情報変換などを行う素子の設計について学ぶ。
第8回:微生物に関する概要I(性質、特徴など)
第9回:微生物に関する概要II(性質、特徴など)
第10回:原核細胞(バクテリア)の検出・解析法:従来の技術を例に、バクテリアの検出および解析法について学ぶ。
第11回:真核細胞(微細藻類、真菌など)の検出・解析法:従来の技術を例に、真核細胞の検出および解析法について学ぶ。
第12回:微生物を操作・検出・解析の最新技術:in vitro編
第13回:微生物を操作・検出・解析の最新技術:in vivo編
第14回:微生物応用学の将来の展望
第15回:応用生体電子工学・応用微生物学のまとめ
履修条件・関連項目
応用生体電子工学: 物理化学、有機化学、高分子化学の知識が必要。関連科目:生命物理化学I, II
応用微生物学:分子生物学、微生物学を基本とする。関連科目:分子生物学I, II, 微生物学
テキスト・教科書
応用生体電子工学:指定しない。
応用微生物学:指定無し
参考書
応用生体電子工学:電子移動の化学(電気化学入門)(朝倉書店)など
応用微生物学:指定無し。授業中の配付資料に従う。
成績評価の方法
応用生体電子工学/応用微生物学=50/50%で評価します。

オンライン教育における成績評価方法は、すべての出席を前提とし、双方向性を利用した学習意欲、Quiz等を総合的に評価し、本学が定める標準的な学修時間に相当する学修効果が認められる場合に単位を付与します。
評価の割合は以下の通りです。
応用生体電子工学:平常点40%、レポート課題および期末レポート課題60%で評価します。
応用微生物学:平常点40%、レポート課題および期末レポート課題60%で評価します。

総合評価により以下の基準で単位を付与します。
S: 90 点以上、A:80 点以上90 点未満、B:70 点以上80 点未満、C:60 点以上70 点未満。
教員から一言
一川より:電気やイオンの流れは、科学現象を理解する上で不可欠な素養です。今まで単に自然現象としてしかとらえていなかった現象を、分子レベル・イオンレベル・電子レベルで議論できるような素養を身に付けてください。
モリより:少しでも微生物についての知識や理解でできたら、十分です。
キーワード
応用生体電子工学:電気化学,電子伝導,情報伝達,生物電気化学,イオニクス 応用微生物学: 分子生物学、微生物学、細胞解析
オフィスアワー
一川のオフィスアワー:講義の直後およびその日の午後6時から7時頃まで。 モリのオフィスアワー講義の終了後またはメールにてアポイントメントを取ってくれれば、空いている時間に対応します。
備考1
一川の備考:時間が空いていればいつでも質問等に答える。メールでも随時質問等を受け付けている。しかし、自分で考えることが大切なので、単に「答えを教えてくれ」、「何を見れば答えが分かるのか?」という質問には答えない。
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2021/03/11 12:50:25