科目名[英文名] | |||||
自然環境資源学特論Ⅴ [Special Lecture on Environmental Science and Natural ResourcesⅤ] | |||||
区分 | 選択必修 | 単位数 | 2 | ||
対象学科等 | 対象年次 | 1~ | 開講時期 | 2学期 | |
授業形態 | 2学期 | 時間割番号 | 05ec0119 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
多羅尾 光徳, 尾崎 宏和, 木村 啓二 [TARAO Mitsunori] | |||||
所属 | 農学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
[木村] 現在、世界的に化石燃料から非化石燃料への脱却を目指したエネルギー転換が求められている。しかし、それは単なる資源の切り替えを意味しない。世界の政治経済の構造を大きく変えることも意味している。本講義では、その歴史的な意義づけを明らかにするとともに、転換を促進する背景、技術的諸課題、政治経済学的な課題について講義する。 [尾崎] 重金属など有害微量元素は、非分解性の汚染物質で半永久的に残留する環境汚染を引き起こす。また、福島第一原子力発電所の事故で生じたCs-137汚染も、半減期は30年超の長い期間にわたる。本講義ではこれら無機・微量物質汚染の実態について取り扱う。また、実態解明に必要となる現地調査を想定し、試料採取についてその基本事項を学習する。授業の最後には、環境問題とは何かを考えることも受講生とともに行いたい。 |
到達基準 |
[木村] 既存の固定観念にとらわれず、最新の知見をレヴューしながら、答えのない課題に取り組むこと。 [尾崎] 現代における環境汚染問題の実態の理解を進める。その実態を把握するための試料採取方法(どこから取るか、いくつ取るかなど)について基本事項を理解する。また、受講学生自身が取り組む修士論文等の研究内容が、社会のなかでどのように位置づけられるか、説明できるようになる。 |
授業内容 |
[木村] 以下の内容で順次、講義する。 第1回・第2回:エネルギー転換の歴史:17世紀からの化石燃料への転換過程とその帰結。 第3回:現代エネルギー転換の動きと政策論について、気候変動問題への国際的取り組みの動き、それを踏まえた気候変動対策の政策論について講義する。 第4回:原子力の現状と課題:世界の原子力利用は、第二次大戦後からである。とりわけ、アメリカによる核の平和利用という観点からその利用が急速に世界的に広まった。しかし、1980年代以降、普及拡大が停滞し、近年は横ばい傾向である。その背景について講義する。 第5回:再生可能エネルギーとその政策論:再生可能エネルギー資源とその利用技術の動向について解説するとともに、その普及拡大に関する政策論を講義する。 第6回:再生可能エネルギーの2つの課題:再生可能エネルギーの2つの課題はコストと自然変動性の2つである。この2つの課題にどのように対処してきたのか、世界の現状について講義する。 第7回:日本のエネルギー政策とその課題:現代日本のエネルギー政策の漂流について講義する。最後に、日本が変わりうるために、行うべき政策について、議論する。 [尾崎] 以下の内容で順次、講義する。 (1)環境問題とはどのようなことか (2)有害微量元素による環境汚染の実態① (3)有害微量元素による環境汚染の実態② (4)慣習的方法を用いた試料採取方法の確認 (5)無作為抽出法の理解、無作為抽出法を用いた試料採取方法の理解 (6)上記2方法で得た測定結果例の統計ソフトによる比較 (7)試料はいくつ必要か:統計的な必要数の算出と実際の対応 |
履修条件・関連項目 |
[木村・尾崎] 特になし |
テキスト・教科書 |
[木村] 特になし [尾崎] 当日に資料を配布する。 |
参考書 |
[木村] 高橋洋(2021)『エネルギー転換の国際政治経済学』日本評論社 [尾崎] Stephen Waite (2000) Statistical Ecology in Practice: A Guide to Analysing Environmental and Ecological Field Data, 440pp., Longman Group United Kingdom |
成績評価の方法 |
[木村] 100% レポート評価(レポート内容は授業中に案内します) [尾崎] レポートで評価します。レポート内容は授業中に案内します。 |
教員から一言 |
[木村] エネルギーをめぐる技術、経済、政治環境は急速に変化しています。そうしたことを踏まえて、なるべく最新のデータやエビデンスに依拠しながら、情報をアップデートしていく柔軟性を望みます。 [尾崎] 環境問題に携わるにあたって現場を理解すること、関連分野との関係を考えることはとても大切です。各種の事例を知るとともに、実態解明に必要となる試料採取方法の基本的事項も身につけてください。 |
キーワード |
エネルギー転換、脱炭素化、再生可能エネルギー、原子力、重金属汚染、ランダムサンプリング、統計的比較 |
オフィスアワー |
備考1 |
Google Classroom のクラスコード:pgulkyk https://classroom.google.com/c/MzczNDYzMTEwODE3?cjc=pgulkyk |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2021/07/19 9:38:48 |