科目名[英文名]
流体力学特論Ⅰ   [Advanced Fluid Mechanics I]
区分 前期課程科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 1060303
責任教員 [ローマ字表記]
亀田 正治   [KAMEDA Masaharu]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
<概要> 流体力学の研究を行う上で必要と思われる2つのテーマを取り上げる.
(1)計測の不確かさ・・・物理量を計測する過程にはさまざまな「誤差要因」が存在する.アメリカ機械学会がまとめた「計測の不確かさ」(丸善)の基づき,この誤差を定量的に評価する手段を学ぶ.
(2)計算流体力学(CFD)・・・圧縮性流れ(波動)の数値解析を念頭に置き,基礎方程式,線形編微分方程式の解,差分法の基礎,圧縮性流れCFDの実際を学ぶ.
到達基準
以下の2点,
(1)「計測の不確かさ」を見積もる手段を身に着けたか?
(2)「差分法」による偏微分方程式の数値計算法,特に,座標変換,離散化,差分法の安定性が理解できているか?
を基準として,成績評価を行う.
ディプロマポリシーの観点:履修案内のカリキュラムマップを参照.
授業内容
第1週 オリエンテーション

第2週 1-1 計測の不確かさ 誤差と不確かさ,測定装置の基本性能(分解能,感度,測定範囲,確度,精度)
第3週 1-2 不確かさ解析(1) 統計論に基づく単一の測定量のばらつきの評価,誤差の伝播
第4週 1-2 不確かさ解析(2) アメリカ機械学会規約「計測の不確かさ」に基づく解析法(講義(1))
第5週 1-2 不確かさ解析(3) アメリカ機械学会規約「計測の不確かさ」に基づく解析法(講義(2),演習(1))
第6週 1-2 不確かさ解析(4) アメリカ機械学会規約「計測の不確かさ」に基づく解析法(演習(2))
測定した物理量の不確かさは,実験の計画・実施・評価の際に必要不可欠である.データの不確かさを正しく知ることで,はじめて,そのデータを工学的応用(理論式と比較する,経験式を導き出す,など)に有効に使える.

第7週 2-1 流体力学の基礎方程式 検査体積,流体に働く力,質量・運動量・エネルギー保存則,状態方程式
第8週 2-2 線形波動 波動方程式(音波),ダランベールの解,波動の減衰と分散
第9週 3-1 差分法の基礎 差分近似,中心差分と片側差分,陽解法と陰解法,差分解の安定性
第10週 3-2 線形編微分方程式の差分法 拡散方程式,移流方程式に対する差分法
第11週 4-1 Euler方程式 一次元Euler方程式の性質,特性曲線
第12週 4-2 Euler方程式の計算法 数値流束,Flux Difference Splitting法,空間差分項の高次精度化
計算流体力学(Computational Fluid Dyanmics)は,理論流体力学,実験流体力学に続く第3の研究アプローチ法である.最近30年間で急速に発展し,現在までにほぼ基礎は固まっている.本講義では,CFDの習熟を目標として,基礎から実践的な内容までを概観していく.

第13週 予備日
第14週 予備日
第15週 期末試験
履修条件・関連項目
機械システム工学科学部講義(流体力学Ⅰ,流体力学Ⅱ,航空流体力学,微分方程式Ⅱ,コンピュータプログラミングⅢ)の内容をある程度理解していることが必要
テキスト・教科書
プリント配布
参考書
アメリカ機械学会規約「計測の不確かさ」(丸善); Alexandrou, Principles of Fluid Mechanics (Prentice-Hall); Holman, Experimental Methods for Engineers (7th ed) (McGraw-Hill); 河村哲也「偏微分方程式の差分解法」(東京大学出版会),藤井孝蔵「流体力学の数値計算法」(東京大学出版会)
成績評価の方法
レポート5回 (10×5 = 50点),期末試験1回 (50点) の合計点が60点以上のものを合格とする.レポートはかならず自力で作成すること.教員がコピーだと判定した場合は,提出しても0点とする.実際の難易度は,備考2の成績分布を参照すること.

オンライン講義期間を考慮した成績評価方法については,google classroomを通じて配布した最新の講義方針を参照すること.
教員から一言
流体力学の研究・開発を志すものは,ある程度物理数学の知識が必要だと思われる.
キーワード
流体力学 計測の不確かさ 偏微分方程式 差分法
オフィスアワー
平日の昼休み(11時45分から13時)
備考1
備考2
最近3年間の成績
平成28年度(受講者 60名):S 5名,A 31名,B 17名,C 6名,D 1名
平成27年度(受講者 49名):S 5名,A 24名,B 15名,C 4名.D 1名
平成26年度(受講者 56名):S 8名,A 25名,B 10名,C 10名.D 3名
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2021/03/31 16:50:30