科目名[英文名]
有機材料構造特論Ⅱ   [Structures of Organic Materials II]
区分 後期課程科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 13  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 1080212
責任教員 [ローマ字表記]
尾﨑 弘行, 岡本 昭子   [OZAKI Hiroyuki, OKAMOTO Akiko]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
 (A) 宇宙空間なみの真空 (超高真空) 下で準備した清浄な固体表面に極限的に薄い (0.3 - 0.4 nm) 有機物の膜を形成する方法、(B) 有機極薄膜の微視的構造 (電子構造・幾何構造) を「その場で」解析する方法、(C) 有機極薄膜の分子間に新たな化学結合を導入することにより高度規則性を有するサブナノマテリアルを創成する方法、について論ずる。
到達基準
 成膜に不可欠な諸条件を把握し、解析手法の原理的背景を理解できる。また、この分野の論文を読破し、実験データから膜の微視的構造に関する基本的情報を抽出できる。
授業内容
第1部 有機極薄膜とは

(1) 講義 2.5 回 (受講者を指名し質問する)
  定義と意義、ウエットな膜とドライな膜、清浄固体表面と超高真空、成膜分子と基板の選択、
  層数と凝集構造の制御、成膜とその場解析のための装置

第2部 表面解析法と研究例

(2) 講義 0.5 回 + 文献紹介 1.5 回
  紫外光電子分光

(3) 講義 0.5 回 + 文献紹介 1.5 回
  準安定励起原子電子分光

(4) 講義 0.5 回 + 文献紹介 1.5 回
  走査トンネル顕微鏡観察

(5) 講義 0.5 回 + 文献紹介 1.5 回
  赤外反射吸収分光

(6) 講義 0.5 回 + 文献紹介 1.5 回
  電子回折

第3部 構造が明確に規定されたサブナノマテリアルの創成

(7) 講義 0.5 回 + 文献紹介 1.5 回
  化学結合を導入するために

(8) 演習 0.5 回
履修条件・関連項目
 工学部有機材料化学科の量子化学 I・II および構造化学 (またはこれらと同等の科目) の単位を取得済であることが望ましい。これらの講義で扱った事項に関する理解を前提に授業を進める。有機材料化学科以外の出身者は上記科目のシラバスを参照し、その内容を確認のこと。2020 年度以降の量子化学 I・II、2021 年度の構造化学は応用化学科の開講科目となるため、検索時は注意されたし。
 初回授業において文献紹介の担当を決めるため、初回に出席することを履修条件とする (初回出席が不可能な場合は前日 19:00 までに必ず連絡のこと)。
テキスト・教科書
参考書
成績評価の方法
 文献紹介 (40 %)、討論および講義時の質疑応答 (40 %)、演習 (20 %)。
教員から一言
 ナノサイエンス・テクノロジーの時代に「極微・極薄」物質の扱い方に対する心得は不可欠であるにもかかわらず、学部授業の単位を取得した後は、原子・分子の世界の話題から遠ざかっている諸君が多いのではないかと想像する。(サブ) ナノマテリアルを創成するには、電子構造・幾何構造の解明が重要であることを認識し、この分野の基本的な full-length 論文の読破を厭わない諸君に受講していただきたい。
キーワード
 有機極薄膜、固体表面、超高真空、電子構造、幾何構造
オフィスアワー
 水曜日 (授業日) 18:00-19:00
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
語学学習科目
更新日付
2021/03/22 18:17:00