科目名[英文名]
運動器・神経系解剖学   [Veterinary Anatomy of Locomotor and Nervous Systems]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 2  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 01VN2104
責任教員 [ローマ字表記]
柴田 秀史   [SHIBATA Hideshi]
所属 農学府 研究室 獣医解剖学研究室  メールアドレス

概要
獣医学のもっとも基礎となる高等動物の肉眼レベルの正常な外部形態, 内部構造を学習する.この講義では主として動物性機能に関係する器官,すなわち運動器, 感覚器, 神経系, 外皮,の肉眼レベルの形態を学習する.
到達基準
運動器, 感覚器, 神経系, 外皮の構造の概略を説明できるようになる.

本科目のディプロマ・ポリシーの観点:
本学HP三つのポリシーのカリキュラムマップを参照すること.
URL: https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/
授業内容
1 はじめに 動物体の構成,体部,部位
解剖学とはどのような学問か,何を修得するか,動物体が器官系が組み合わさって成立していることを学習し,動物体の体部と主要な部位を学習する.

2 骨
骨学総論として,骨格系の機能,区分と数,分類,骨の基本形態を学習する.次に骨学各論として,軸性骨格のうち椎骨, 頭蓋について学習する.骨の基本的な形態学的特徴とその機能的意味を理解する.

3 骨
軸性骨格のうちの肋骨および胸骨と付属骨格すなわち前肢骨, 後肢骨とを学習する.哺乳類家畜と比較してトリ骨格の特徴的な点を理解する.

4 関節と外皮
関節が線維性関節,軟骨性関節,滑膜性関節に区分されることと,滑膜性関節の基本構造,分類,おもな関節(顎関節,椎骨間の関節,肩関節,肘関節,股関節,膝関節)の特徴を学習する.外皮は皮膚と,角,肉球,蹄,乳房といったその付属物とからなることを理解する.鳥類の外皮の特徴を学習する.

5 筋
筋の分類,基本形態,付着,形状,作用を理解するとともに, 筋の神経支配と筋に関連する補助装置を学習する.さらに頭部,体幹,前肢,後肢のおもな筋と関連する構造を学習する.

6 平衡聴覚器
内耳,中耳,外耳の構造を理解する.哺乳類と比較して鳥類の平衡聴覚器の特徴を理解する.

7 視覚器
視覚器の発生を理解する.視覚器は光を受容する眼(眼球)と眼球を保護し動かす副眼器からなることを理解する.眼球は,眼球線維膜(角膜,強膜), 眼球血管膜(脈絡膜,毛様体,虹彩),眼球内膜(網膜)からなることを理解する.鳥類の視覚器の特徴を学習する.

8 神経組織と発生
神経系の区分と基本的な用語を学習した後,神経組織を構成するニューロンとグリアの特徴とそれらの発生を理解する.

9 末梢神経
12対の脳神経の名称,構成成分,起始,走行,脊髄神経の基本的な構成,交感神経系と副交感神経系の特徴を学習する.

10 脊髄,脳幹外観
脊髄の外観の特徴を学習し,内部構造(灰白質,白質とそれらの区分,上行性伝導路,下行性伝導路)を理解する.脳幹の外観の特徴を学習する.

11 延髄,橋,小脳
延髄・橋の区分,内部に存在する脳神経核(舌下神経核,舌咽迷走神経核,内耳神経核,顔面神経核,外転神経核,三叉神経核),平衡感覚,聴覚,味覚,顔面の体性感覚に関連する神経核とそれらの線維連絡を理解する.小脳の外観による区分(虫部,中間帯,半球;前葉,後葉,片葉小節葉),内部構造(皮質,髄体,小脳核),脳幹との接続(小脳脚)を学習する.

12 中脳, 間脳
中脳の区分(中脳蓋,中脳被蓋,大脳脚),主要な神経核(動眼神経核,滑車神経核,赤核,黒質)とそれらの線維連絡を理解する.間脳では,間脳が視床上部,背側視床,腹側視床,視床下部に区分されることを理解し,とくに,背側視床の区分(前核,背内側核,腹側核,枕核,外側膝状体核,内側膝状体核),全体的な特徴,線維連絡の特徴,視床下部の区分と全体的な線維連絡を理解する.

13 終脳
終脳の外観の特徴を理解した後,大脳皮質と皮質下構造の位置関係,基底核(線条体,淡蒼球,視床下核),嗅覚関連構造,大脳辺縁構造(扁桃核,海馬体),大脳皮質の基本構造(新皮質は6層構造)と区分(原始皮質,古皮質,新皮質)を学習する.

14 終脳(続き),脳室,髄膜,中枢神経の脈管
大脳皮質の代表的な領野の特徴(体性感覚野,運動関連領野,視覚野,聴覚野,連合野),トリの中枢神経系の特徴,髄膜の種類(硬膜,クモ膜,軟膜) と部位による特徴,脳室の区分と脳脊髄液の流路,中枢神経のおもな脈管を学習する.

15 まとめと試験
履修条件・関連項目
生物学, 生理学, 解剖学実習, 組織学, 組織学実習, 発生学と密接に関係する必修科目である.
授業時間30時間に加え,配布した講義資料や参考書を参照し,本学の標準時間数に準ずる予習と復習を必ず行うこと.
テキスト・教科書
講義内容は事前にプリントを配布する.
参考書
カラーアトラス獣医解剖学編集委員会 「カラーアトラス獣医解剖学 上・下,増補改訂第二版」 チクサン出版.
加藤・山内 「新編家畜比較解剖図説上・下」 養賢堂.
獣医解剖学会編「獣医解剖,組織,発生学第二版」学窓社.
尼崎肇監訳「Evans and de Lahunta犬の解剖」ファームプレス.
徳野「脳入門のその前に」共立出版.
成績評価の方法
課題と期末テストの合計で60%以上取得すること.
教員から一言
解剖学で学習すべき内容は大変多い.高校までの生物学では解剖学をほとんど学習していないため,単位取得にはかなりの努力が必要である.講義内容を理解するためには事前に配布する講義資料をかならず予習して授業に臨むこと. 授業のあとは必ず復習すること.生理学,病理学,外科学等を学習する上でもっとも基礎となる解剖学の単位を必ず取得すること.
キーワード
肉眼解剖学, 神経解剖学, 基礎獣医学
オフィスアワー
質問などはメール(shibata@cc.tuat.ac.jp)すること. あるいは実習の時間内に質問すること.
備考1
新型コロナウイルス感染の影響による授業スケジュール等の変更については,本科目のクラスルームで確認すること.
備考2
この科目は、非常勤講師が担当します。非常勤講師の任用が確定したのちに本シラバスが 修正された場合、修正されたシラバスが正式なシラバスとなります。→修正済みです.
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/04/06 7:37:02