科目名[英文名] | |||||
有機化学Ⅰ [Organic Chemistry I] | |||||
区分 | 選択必修 | 単位数 | 2 | ||
対象学科等 | 対象年次 | 1~ | 開講時期 | 1学期 | |
授業形態 | 1学期 | 時間割番号 | 01bn1002 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
笠原 博幸 [KASAHARA Hiroyuki] | |||||
所属 | 農学部 | 研究室 | 応用植物生化学 | メールアドレス |
概要 |
有機化学を学ぶことは、農学や生命現象を探求するために非常に重要である。元々有機化学は生物がつくりだす物質の化学という考えから始まったものであるが、現在では生物学や全ての物質に関する基本現象を理解するうえで必要となるものである。特に農学の観点からは、生物が産み出す様々な生物活性物質の化学構造とその機能を応用し、農薬や医薬へと繋がる有機化学の歴史を理解することができる。また、これから農学が人間社会や自然と人間との関わりにおいて、どのような役割を果たし、持続発展的な世界を人類が築くことができるかを考える上でも、有機化学に根ざしたものの見方、考え方が重要となる。応用生物科学科では、1年半をかけて有機化学の基礎に関する学びを完結し、この「有機化学 I 」では、原子、電子の性質からアルカン、アルケン、アルキンの性質や反応について理解するものとする。 |
到達基準 |
1)分子の形を、原子,分子の軌道、混成軌道などとの関連で理解できる。 2)化学結合の性質、共有結合の形成の原理を理解できる。 3)有機化学反応を電子の流れ(電子移動)で説明できる。 4)電気陰性度に基づく極性共有結合が分子の性質に及ぼす影響と,物性や反応性との関係を説明できる。 5)有機化合物の構造と反応について理解できる。 6)有機化合物の命名法、官能基の名称など有機化合物に関する基本的な決まりを説明できる。 7)有機化合物の立体構造と異性化のメカニズムついて説明できる。 8)反応エネルギーの観点から有機化合物の反応の推移を理解できる。 9)共鳴の概念を理解し、反応性や構造特性、多様な有機反応について体系的に説明できるようになる。 本科目のディプロマ・ポリシーの観点: 応用生物科学とそれに関連した領域の課題に取り組む基盤となる幅広い知識と教養を学び、柔軟な思考力を身につける。 生物の持つ生命現象や生物個体間相互作用と共存様式を解明し、人類の持続可能な発展に貢献するために、応用生物科学の基礎から先端にいたる専門領域およびそれに関連した科学を体系的に学習する。 『本科目のディプロマ・ポリシーの観点:本学HP(三つのポリシー)のカリキュラムマップを参照してください。 Corresponding criteria in the Diploma Policy: See the Curriculum maps. (URL: https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/ ) |
授業内容 |
#1「有機化学を学ぶ」:農学における有機化学の役割とその学びの意義について解説する。 #2「有機化学の主役となる炭素原子の特性」:有機化学で登場する主な元素の中でも炭素原子が果たす特別な性質について解説する。これについて理解するために、原子の構造、軌道、電子配置の概念を学ぶ。 #3「混成軌道と化学結合」:炭素を中心に混成軌道の概念および化学結合の特性について学ぶ。 #4「極性と酸・塩基」:有機化合物の分子内の電子分布、電子密度と分子の特性との関係性を学ぶ。 #5「分枝アルカンの命名法と官能基」:有機化合物の命名法の基本、アルキル基の名称、立体配座、立体配置について学ぶ。 #6「化学構造の表し方とシクロアルカンの構造」:立体配座に関する理解を深め、シクロアルカンの構造特性を学ぶ。前半部分の質問と解説。 #7 まとめと中間試験 #8 試験の解答と解説。「有機化合物の命名法と演習」アルケンの命名法を学ぶ。 #9「有機反応の種類」:付加反応、脱離反応、置換反応、転位反応の反応機構について、電子移動過程と共に学ぶ。 #10「反応とエネルギー図」:反応エネルギー図の意味を知り、化学反応進行のメカニズムを解説する。 #11「アルケンの反応」:アルケンの反応性に着目し、より多様な化学反応への展開を解説する。 #12「アルケン、アルキンの特性と反応」:ラジカル重合、共鳴とその特性に基づく反応解析について解説する。 #13 後半部分の質問と解説 #14 まとめと最終試験 #15 試験の解答と解説 |
履修条件・関連項目 |
有機化学 II(1年次後学期)、有機化学 III(2年次前学期)へと続いて完結する。 予習・復習を行うための情報、必要な学習時間については本学の標準時間数に準ずる。 |
テキスト・教科書 |
マクマリー有機化学概説(第7版)、東京化学同人 講義は教科書に沿って進めます。この教科書は有機化学 II とIIIでも使用します。また、生化学 I や II 、機器分析化学などの参考書としても利用できますので、購入してください。 |
参考書 |
マクマリー 有機化学概説問題の解き方 第7版 英語版など 詳細は1回目の講義の時に説明する。 |
成績評価の方法 |
中間と期末の2回の試験の成績で評価する(各50%)。 |
教員から一言 |
有機化学は知識の積み重ねが重要です。毎時間の授業時間内に理解するよう心がけましょう。授業の前に教科書に目を通すこと、前に戻ってくりかえし復習をすること、自分で問題を解いてみることが大切です。 |
キーワード |
有機化合物、化学反応、反応機構 |
オフィスアワー |
講義内容に関する質問は講義終了後やClassroomで対応します。 |
備考1 |
備考2 |
新型コロナウイルス感染の影響による授業スケジュールや成績評価の方法等の変更については、本科目のClassroomに記載します。 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2022/03/04 21:48:30 |