科目名[英文名]
機器分析化学   [Instrumental Analytical Chemistry]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 2  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 01bn2016
責任教員 [ローマ字表記]
橋元 誠, 川出 洋   [KAWAIDE Hiroshi]
所属 農学府 研究室   メールアドレス

概要
 本講義では、分子量1,000以下の有機化合物の構造を決定する方法(機器分析)について講義する。最近の機器の発達は目覚しく、超微量な物質でも利用可能である。その技術を利用して、生命現象が生化学的・生物有機化学的に理解されつつある。生物自身が生産している天然物のみならず、人工的に合成する医薬や農薬の構造の確認、環境汚染物質の追跡やドーピング検査などが高感度な機器分析で実施されており、その分析手法の基礎を理解する。
到達基準
有機化合物を精製する方法について理解している。
種々の機器分析法により得られる有機化合物の構造情報を理解している。
各種のスペクトルデータから、有機化合物の構造を推定する能力を身につけた。

本科目のディプロマ・ポリシーの観点:
本学HP(三つのポリシー)のカリキュラムマップを参照してください。
https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/
授業内容
本講義で取り上げる機器分析方法は、精製・分離のためのもの(GCやHPLC)と、構造解析のためのもの(UV、IR、NMR、MS)である。
1.イントロダクション
2.クロマトグラフィー: 有機化合物を精製・単離するためのGCやHPLCなどについて、分離の原理と特徴について説明する。
3.紫外(UV)吸収スペクトル:共役系に関する情報の得られる本方法の理論と特性吸収について説明する。
4.赤外(RI)吸収スペクトル:化合物の官能基を調べる本方法の測定方法と、構造とスペクトルの特徴について説明する。
5.質量(MS)スペクトル1:化合物の分子量や部分構造に関する情報を与える本方法の、測定の原理と、種々の測定法などについて説明する。
6.質量(MS)スペクトル2:化合物の部分構造に関する情報を与える本方法の、スペクトルの解析方法について説明する。
7.絶対立体配置:(旋光性、絶対立体配置の決定法、立体化学と生物活性、演習問題)
8.演習問題解説と中間試験:
9.核磁気共鳴(NMR)スペクトル-1(概論、1H NMR):有機化合物の骨格を構成する水素原子と炭素原子の、結合状態に関する情報を与える1H(プロトン)および13C核磁気共鳴法について、測定の原理、スペクトルの解析方法、種々の測定方法とそれにより得られる情報について説明する。機器分析の中では最も多くの情報が得られ、機器分析による構造決定の中心をなす方法であるので、十分時間を取って説明する。
10.核磁気共鳴(NMR)スペクトル-2(13C NMR 二次元NMR)
11.核磁気共鳴(NMR)スペクトル-3(演習)
12.核磁気共鳴(NMR)スペクトル-4(演習問題の解説と復習)
13.各種スペクトルを利用した構造解析(演習)
14.各種スペクトルを利用した構造解析(演習問題の解説と復習)
15.演習問題の解説、期末試験
履修条件・関連項目
有機化学の知識が必要です。生化学、生理活性物質化学、農薬科学などの理解を深めるために役立ちます。
必要な学習時間は、本学の標準時間数に準じる。
テキスト・教科書
プリントをClassroomにアップするので、ダウンロードしてください。
参考書
テキストブック有機スペクトル解析;楠見武徳著(裳華房)
有機スペクトル解析:臼杵・宇野・築部編(丸善出版)
その他「機器分析」「スペクトル」というキーワードの入った本
成績評価の方法
中間試験(20%)、期末試験(60%)と各回の小レポート(20%)で評価する。
教員から一言
 有機化合物が活性や機能を示すには必ずその構造が関係している。物質の名前を見たときに、構造式を思い浮かべることで、新しい視点が開けることもあろう。講義だけでなく 、実際のスペクトルを解析することで構造決定の面白さを知り、生物の現象を物質レベル で解析できる素養を身につけて欲しい。
キーワード
有機化合物の機器分析,紫外吸収スペクトル(IR),赤外吸収スペクトル(UV),質量分析(MS),核磁気共鳴(NMR)
オフィスアワー
講義で理解できなかった点は「課題」に書いて貰い、次回の最初にその点を中心に補足説明をする。講義終了後やメールでの質問も受け付けます。
備考1
新型コロナウイルス感染拡大の影響によるシラバスの変更については、本科目のClassroomから確認してください。
備考2
 現在、本学で利用可能な分析機器は大変充実しており、世界的なレベルにある。それらを十分に活用して、卒論や大学院での実験で実りある成果をあげて欲しい。

過去の成績分布は以下の通りです。
平成31年度 S:12% A:32% B:25% C:20% D:11%
平成30年度 S:3% A:11% B:18% C:43% D:26%
平成29年度 S:11% A:35% B:17% C:7% D:4%
平成28年度 S:7% A:22% B:18% C:8% D:10%
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/09/28 11:32:57